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『戦火の絶えぬモクモク王国で、暗殺稼業の成り上がり貴族の長男に転生した(※生まれながらの裏切り者)について』  作者: 凪塩 未来


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シーズン2:第5話:国際会議の幕開けと、傲慢な大国たち

『戦火の絶えぬモクモク王国で、暗殺稼業の成り上がり貴族の長男に転生した』第2シーズン第5話をご覧いただきありがとうございます!


マケマケ皇国の使者を粛清し、周辺諸国による「禁忌の魔導炉心奪取計画」の全貌を暴いた主人公・空。

いよいよ迎えた国際会議当日、大陸中の大国が顔を合わせる舞台で、影の貴公子が仕掛ける最初の罠とは――?


緊迫と無双が交差する第5話、今回もぜひお楽しみください!

ブックマークや評価での応援も、よろしくお願いいたします!

アワアワ迷宮都市の中央にそびえる、中立議事堂。

その最上階に位置する「星霜の円卓の間」には、大陸全土の命運を握る各国の一流代表者たちが集結していた。


円卓の中央には、各国の国旗を模した魔導ホログラムが眩い光を放ち、その周囲を取り囲むように、ペコペコ帝国の宰相、マケマケ皇国の最高参謀、スズメスズメ帝国の特務代表、そしてその他の小国の使者たちがそれぞれ重々しい面持ちで着席している。

誰もが自分たちの利益を最大化し、他国の権益をいかに奪うか、その計算を腹の底で巡らせていた。


「――それでは、これより『次世代魔導炉心の継承権に関する中立国際会議』を開催する」


議長を務める中立都市の最高責任者が、しわがれた声で宣言した瞬間、円卓の空気が一気にピリッと張り詰めた。

会議の議題は表向き「中立地帯における魔導資源の公正な分配」とされているが、ここにいる全員が、本当の目的が「モクモク王国からの権益剥奪と封印の強奪」であることを理解している。


すべての視線が、円卓の端にぽつんと座る一人の少年へと集まった。

――モクモク王国代表、連才空(十二歳)。


側近を控えさせず、たった一人で椅子に深く腰掛け、冷ややかな黒髪の隙間から退屈そうに円卓を見渡している姿は、周囲の大国の重鎮たちから見れば「場違いな子供の迷い込み」にしか映らなかった。


「ふん。モクモク王国も落ちぶれたものだな」

沈黙を破ったのは、マケマケ皇国の最高参謀を務める初老の男――ドルチェンだった。彼はふんぞりかえった姿勢のまま、冷笑を浮かべて空を指さした。


「前回の国内の混乱で王家の権威が失墜した結果、今度はまだ鼻垂れ小僧のガキを外交の場に送り込んくるとは。我が国に対する侮辱と受け取ってもいいのかな?」


円卓のあちこちから、ペコペコ帝国の使者たちの低く嘲笑うような笑い声が漏れた。

「まあ、いいではないかドルチェン。どうせ今回の会議で、モクモク王国が保有する『禁忌の魔導炉心』の管理権が我が帝国と皇国の管理下に移行することは決定事項なのだからな」


別の国の代表が、あからさまに高圧的な態度で机を叩いた。

「そうだ。モクモク王国は長年、その危険な魔導技術を独占し、大陸全体の安定を脅かしてきた。これ以上の王国単独での保有は認められない。今すぐその封印の解読コードと管理権限をこの場に差し出し、国際管理下に置くことを要求する!」


それは議論でも何でもない。ただの大国による一方的な脅迫と、権力の暴力だった。

彼らは、行方不明になった(――正確には私が粛清した)レイモンド特使を通じて、すでにモクモク王国の代表を精神的に追い詰め、屈服させるシナリオを完璧に描いていたつもりだった。


だが。


当の本人である私は、そんな大国たちの見世物のような茶番劇を、ただ冷ややかな瞳で見つめながら、指先でトントンとテーブルを軽く叩いていた。


「……言い終えたかい?」


私の声は小さく、しかし不思議と円卓の間にいる全員の耳にハッキリと届いた。

嘲笑を浮かべていたドルチェンや各国代表の表情が、わずかにピクリと硬直する。


「君たちは、自分が今、何を喋っているのか分かっているのかい?」

私は立ち上がり、冷ややかな黒い瞳で円卓の重鎮たちを一人ひとり見据えた。


「『禁忌の魔導炉心の管理権をよこせ』だの、『国際管理下に置け』だの……。よくもまあ、他国の財産を前にして、ここまで恥知らずな要求を堂々と並べ立てられたものだね。頭の構造がどうかしているとしか思えないよ」


「なっ……! ガキめ、言葉を慎め!」

ドルチェンが顔を真っ赤にして立ち上がり、鋭い怒声を浴びせた。

「ここは国際会議の場だぞ! 大国に対する不敬罪と国際条約違反で、その場で処刑されても文句は言えんぞ!」


「処刑、ねぇ」

私はクスリと冷たく笑った。

「君たち特有の、都合の悪い相手を排除するための常套手段だね。でも、残念ながら……その脅しが通用するのは、相手が普通の人間だった場合だけだよ」


私が右手を軽く持ち上げた瞬間、円卓の間の空気が一気に凍りついた。

ドォンッ! と、目に見えないほどの高密度な「黒い魔力」の重圧が、天井から床へと一気に叩きつけられた。


「ぐっ……!? な、なんだこれは……呼吸が……できない……!」

先ほどまで威勢よく怒鳴り散らしていたドルチェンをはじめ、ペコペコ帝国やマケマケ皇国の使者たちは、突然全身に数千トンの鉛を背負わされたかのように、その場で一斉に膝から崩れ落ちた。


円卓の豪華な椅子や食器が、強烈な魔力の圧力に耐え切れず、次々と粉々に砕け散っていく。


「き、貴様……いったい何を……この議事堂の周囲には最強の結界が……!」

ペコペコ帝国の特使が血を吐きながら叫んだが、私の冷ややかな眼差しはその言葉を完全に無視した。


「君たちがこの会議を利用して我が国を嵌めようとしたように、僕もまた、君たち全員をこの場所に誘い出すのを心待ちにしていたのさ」


影の貴公子が仕掛けた国際的な罠の網は、今まさに、すべての傲慢な大国たちの首元へと完全に締め付けられようとしていた。

第2シーズン・第5話をお読みいただき、ありがとうございました!


ついに開幕した国際会議。ペコペコ帝国やマケマケ皇国の使者たちが傲慢にモクモク王国の権益を奪おうとしますが、主人公・空は圧倒的な魔力でその場を完全に制圧し、反撃の狼煙を上げました!

次回、追い詰められた大国使者たちを前に、空が下す容赦なき制裁とは――?

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