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『戦火の絶えぬモクモク王国で、暗殺稼業の成り上がり貴族の長男に転生した(※生まれながらの裏切り者)について』  作者: 凪塩 未来


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シーズン2:第2話:迷宮都市への道中と、闇の刺客

『戦火の絶えぬモクモク王国で、暗殺稼業の成り上がり貴族の長男に転生した』第2シーズン第2話をご覧いただきありがとうございます!


国王からの極秘勅命を受け、大陸全土の陰謀が渦巻く中立地帯「アワアワ迷宮都市」へと向かうことになった主人公・空。

移動中の馬車の中でも、一筋縄ではいかない影の刺客たちが待ち構えていて……!?


新たな舞台への道中を描く第2話、今回もぜひお楽しみください!

ブックマークや評価での応援も、よろしくお願いいたします!

モクモク王国の首都をあとにしてから数日。

我が家の特製馬車は、荒涼とした国境沿いの街道をガタゴトと音を立てながら進んでいた。


「まったく、王宮の連中は相変わらず気の利かない真似をしてくれるね」

馬車のふかふとしたクッションにもたれかかりながら、僕は手元の羊皮紙――WEB小説の執筆用ノートをパタンと閉じて溜息をついた。


「アワアワ迷宮都市までの道のりは、通常なら一週間程度ですが……今回は周辺諸国の思惑が絡んでいるため、正規の街道もかなりピリついているようです」

向かい側の席に座る側近の影が、淡々と地図を確認しながら報告する。


今回の目的地である「アワアワ迷宮都市」は、ペコペコ帝国、マケマケ皇国、そして我がモクモク王国を含む複数の大国が交差する中立地帯に位置している。表向きは自由貿易と古代遺跡の探索で栄える一大商業都市だが、その実態は大陸中の裏社会、暗殺ギルド、そして各国のスパイが暗躍する文字通りの「魔窟」だ。


王宮としては、僕を厄介払いしつつ、国際会議でモクモク王国の権益を守らせようという魂胆なのだろうが、僕からすれば「面倒な雑用をわざわざ遠くまで押し付けられた」というのが正直なところだった。


――その時。


馬車の外の空気が、わずかにピリッと張り詰めた。

御者台で馬を操っていた護衛の者が、ピタリと手綱を引いて馬車を停車させる。


「……若君、前方の森林地帯から、不自然な魔力の気配が多数接近してきます」

側近が即座に懐の短剣に手をかけた。


僕は窓の外の暗い森を一瞥し、冷ややかに鼻で笑った。

「ほう。僕たちがアワアワ迷宮都市に向かっているという情報を聞きつけて、さっそくお出迎えの準備をしてくれた連中がいるみたいだね」


馬車を降りて街道の真ん中に立った僕たちの周囲を取り囲むように、木々の枝から次々と漆黒の装束を纏った男たちが音もなく飛び降りてきた。

その数、およそ二十名。全員が顔を鉄製の仮面で隠し、手には毒を塗った特製の暗殺用ブレードを握りしめている。


「……確認した。あの小柄な少年が、モクモク王国の裏社会を牛耳る『連才』の長男・空だな」

仮面の男たちのリーダー格らしい大男が、低く濁った声で言った。

「我が『黒曜の巣』の縄張りに足を踏み入れたこと、そして我が国の計画を邪魔したことへの代償を、その命で払ってもらおうか!」


「黒曜の巣、ねえ」

僕はフードの隙間から冷ややかな瞳を向け、小さく首を傾げた。

「第11話の時に、帝国の特務指揮官が似たような組織の名前を出していたけれど……君たち、あそこの残党かい? それとも、別のスポンサーに雇われた下っ端の掃除屋かな」


「生意気な口を……! いくら子供の身でありながら噂の暗殺術を使えようと、我らプロの暗殺者集団の連携の前に沈め!」


リーダーの合図とともに、二十名の刺客が一斉に襲いかかってきた。

空中からの死角を突く跳躍、地面すれすれを滑るような奇襲、そして遠隔からの呪詛の吹き矢。まさにプロの暗殺ギルドにふさわしい、無駄のない見事な連携だった。


普通の人間の貴族であれば、影に触れることすらできずに蜂の巣にされていたことだろう。

――だが。


「……遅いし、動きが単調だね」


僕は一歩も動かず、ただ右手の指先を軽く持ち上げた。

瞬間、僕の身体の周囲を巡る「黒い魔力」が爆発的に広がり、周囲の空間全体を押し潰すような圧倒的な重圧へと変わった。


ドンッ! と、空気の爆発音のような重い衝撃が街道を揺らす。


「なっ……! グッ……!?」


襲いかかってこようとした刺客たちは、空中で突然見えない鉄壁の壁に激突したかのように、次々と勢いを失って地面へと叩きつけられた。彼らが纏っていた暗殺用の魔力や隠密の術は、僕の放った圧倒的な死の魔力の前に、まるで紙細工のように一瞬でかき消されてしまった。


「ば、馬Kな……! 我らの『影渡りの術』が、ただの魔力の圧力だけで完全に……!」

リーダー格の男は血を吐きながら、這いつくばるようにして顔を上げた。彼の瞳には、恐怖と信じられないという色が深く刻まれていた。


僕はカツン、カツンと冷たい足音を響かせながら、彼の目の前までゆっくりと歩み寄った。

「プロの暗殺ギルドを名乗る割には、基礎的な魔力の密度が足りないね。暗闇に紛れて背後から奇襲することしか頭にない連中に、僕の家系の歴史は背負えないよ」


「き、貴様……いったい何者だ……ただのガキのわけが……!」

「自己紹介が遅れたね。僕は連才空。君たちのような害虫を、綺麗に掃除する係さ」


僕が指先を軽く一閃させると、黒い魔力の刃が音もなく空気を切り裂いた。

リーダーの喉元を正確に貫き、残りの刺客たちも次々とその場に崩れ落ちていく。血の一滴すら無駄にこぼさない、完全で容赦のない粛清だった。


数分後。

街道の真ん中は、再び不気味な静寂へと包まれた。


側近の影が手際よく現場の痕跡を消し去り、僕たちは何事もなかったかのように再び特製馬車へと乗り込んだ。


「若君、さすがの腕前です。しかし、アワアワ迷宮都市に到着する前にも、こうした刺客が次々と送り込まれてくる可能性が高いですね」

「上等さ。向こうがどんな手を使って僕を排除しようとしようと、やってくる連中はすべて返り討ちにしてあげるよ」


馬車は再びガタゴトと車体を揺らし、大陸全土の陰謀が待ち受ける中立迷宮都市へ向けて、冷たい夜風の中を走り出していくのだった。

第2シーズン・第2話をお読みいただき、ありがとうございました!


アワアワ迷宮都市へ向かう道中で、暗殺ギルド「黒曜の巣」の刺客たちに襲撃された主人公・空。しかし、プロの暗殺者集団すらも圧倒的な魔力で瞬殺し、全く問題にしない圧倒的な無双劇となりました!

次回、いよいよ謎と陰謀が渦巻く中立地帯「アワアワ迷宮都市」へと到着します!

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