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『戦火の絶えぬモクモク王国で、暗殺稼業の成り上がり貴族の長男に転生した(※生まれながらの裏切り者)について』  作者: 凪塩 未来


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第14話:王宮の深き闇と、宣戦布告の夜

第14話をご覧いただきありがとうございます!


グレアム侯爵の粛清により、王国内部の真の黒幕が「最高大将軍」と「第一皇子」であることが判明しました。

敵の魔手が王宮の最高権力層へと伸びる中、主人公・空が選ぶ次なる一手とは――?


影の貴公子による大胆かつ冷徹な政治的駆け引きと、次なる粛清の幕開けをぜひお楽しみください!

ブックマークや評価での応援も、よろしくお願いいたします!

グレアム侯爵の屋敷からすべての痕跡を消し去り、深夜の闇に紛れて連才家の豪邸へと帰還した空は、そのまま地下の密談室へと足を運んだ。

そこでは、息子の帰りを待っていた父親が、静かにワイングラスを傾けながら待機していた。


「おかえり、空。グレアムの老いぼれはどうなった?」

「永遠に口を割らない状態にしてきました。もちろん、我が家の痕跡は一切残していません」


空が淡々とそう告げると、父親はわずかに満足げな笑みを浮かべ、手元に置かれた書類の束に視線を落とした。

「で、あの老いぼれから引き出せた情報は? スズメスズメ帝国との繋がりだけではまいのだろう?」


「はい。事態は我々の予想以上に深く、そして腐敗していました」

空は机の前に立ち、グレアムから聞き出した衝撃の事実を一つずつ整理して伝えた。


スズメスズメ帝国が本当に狙っていたのは国境の領土などではなく、王都の地下深くに眠る古代の「禁忌の魔導炉心」。そして、その封印を管理する連才家を内部から排除するため、王国内部で手を組んでいた黒幕――。


「軍を統括する最高大将軍、そして第一皇子殿下。……この二人が、王国を裏切る最大の首謀者です」


その名前が告げられた瞬間、密談室の空気がピリッと張り詰めた。

だが、父親の表情に驚きはなかった。むしろ、どこか冷ややかな納得の色が浮かんでいただけだった。


「……なるほどな。第一皇子か」

父親はグラスを置き、低く呟いた。

「近頃、王宮で我が家に対する風当たりが微妙に変わってきたと感じていたが、すべての元凶はあの中身の腐った皇子だったというわけだ。権力欲しさに国を外敵に売り渡すとは、呆れてものも言えん」


「表向きは我が家を英雄として利用しつつ、裏ではその強大な力を恐れて排除しようとする。実に権力者らしい、愚かな発想ですね」

空は冷ややかに鼻で笑った。

「ですが、これで標的がはっきりしました。国境の軍を潰し、第一の手駒を始末した今、向こうも我々の動きに気づいて焦燥感を募らせるはずです」


予想通り、王都の裏側ではすでに歯車が狂い始めていた。

翌日の昼下がり、王宮の最も奥深くにある第一皇子の執務室。


「……連絡が途絶えただと?」

第一皇子――レオンハルトは、目の前に控える近衛騎士の報告を聞き、美しい顔を歪めて怒気を孕んだ声を上げた。


「はっ。グレアム侯爵の屋敷から何の応答もなく、本人の姿も見当たりません。さらに、国境へ進軍させたはずの連合軍も、突如として指揮系統が崩壊し、壊滅状態に陥ったとの報が……」


レオンハルトは歯噛みしながら、重厚な机を強く叩いた。

「まさか、あのガキ共が……! グレアムが捕まり、計画が漏れたというのか!?」


その執務室の隅で、冷ややかな笑みを浮かべながら腕を組んでいた男がいた。

モクモク王国の軍を統括する最高大将軍・バルバロスである。筋骨隆々の巨漢であり、歴戦の猛者として知られる男の瞳には、恐れではなく狂気じめた闘志が宿っていた。


「慌てるな、殿下。所詮は地方の成り上がり貴族のガキが一匹、少しばかり調子に乗っているだけだ。どれほど暗殺術に優れていようと、我が軍の総力を挙げ、王宮の圧倒的な権力で押し潰せばそれまでよ」


「だが、バルバロス! 連才家を公然と排除すれば、王国全体の軍や貴族たちからの反発が起きる! 我々はあくまで『正当な手続き』で、奴らを反逆者として仕立て上げなければならないのだ!」


「ふん、面倒なことだ」バルバロスは不敵に鼻で笑った。「ならば、次の王宮主催の『大観兵式』を利用するがいい。その場で連才当主とあの長男を国家反逆の罪で告発し、全軍の前で一網打尽にする。——逃げ場など、最初から与えなければいいだけの話だ」


第一皇子レオンハルトは、その残酷な提案にしばらく沈黙した後、歪んだ笑みを浮かべて頷いた。

「……いいだろう。大観兵式で、あの生意気な一族を完全に葬り去る。もはや慈悲は不要だ」


同じ頃、連才家の邸宅。

窓辺に立ち、王宮の方向を見つめる空の背後に、影のように忍び寄る気配があった。


「若君、王宮の動きに動きがありました」

側近の影が、低い声で報告をもたらす。

「第一皇子と最高大将軍が、次回の『大観兵式』の場で、我が家を国家反逆者として告発し、公開処刑を企てている模様です」


空は振り返りもしず、ただ冷ややかに微笑んだ。

「公開処刑、か。僕たちを公の場で引きずり出し、一網打尽にするつもりらしいね」


「いかがなさいますか? 先手を打って、今のうちに王宮の連中を全員消し去りますか?」


「ううん、それじゃ面白くない」

空はゆっくりと振り返り、その黒い瞳に底知れぬ余裕と冷徹な光を宿した。

「向こうが全軍の舞台を用意して、盛大に僕たちを迎え撃つつもりなら……その最高の舞台の上で、連中が築き上げた権力のピラミッドを、根底から盛大に叩き壊してあげるのが礼儀というものだよ」


王国の最高権力者たちが仕組む最後の罠。

だが、それは同時に、影の貴公子が王宮全体を掌握するための、最高の狩り場でもあった。


戦火の足音が近づく王都で、二つの意志が激突する最終決戦の幕が、今まさに上がろうとしていた。

第14話をお読みいただき、ありがとうございました!


第一皇子と最高大将軍が企む「大観兵式での公開処刑」という罠。しかし、主人公・空はそれを逆手に取り、王宮全体を巻き込む反撃の舞台へと変えようと動き出します!

次回、いよいよ物語は最大のクライマックス、大観兵式での決戦へと突入します!

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