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『戦火の絶えぬモクモク王国で、暗殺稼業の成り上がり貴族の長男に転生した(※生まれながらの裏切り者)について』  作者: 凪塩 未来


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第13話:歪んだ忠誠と、告げられた真実

第13話をご覧いただきありがとうございます!


グレアム侯爵を追い詰め、王国の裏切りに関するすべての真相を引き出そうとする主人公・空。

追い詰められた老いた権力者の口から語られる、モクモク王国のさらなる闇とは――?


容赦なき尋問と、物語が大きく動き出す瞬間を今回もぜひお楽しみください!

ブックマークや評価での応援も、よろしくお願いいたします!

深夜の静まり返ったグレアム侯爵の執務室。

床に崩れ落ちたグレアムは、胸元を両手で強く押さえつけ、苦悶の表情で荒い息を吐いていた。心臓の周辺を這い回る黒い呪詛の魔力が、その生命力を一刻一刻と確実に削り取っている。


「ぐっ……あぁ……! 息が……胸が焼けるように……!」

「時間はあまり残されていないよ、侯爵」


空は冷徹な眼差しで、苦しみに悶える老いた男を見下ろしていた。その声音には、同情も容赦も一切含まれていない。

「我が家を裏切り、スズメスズメ帝国と結んで国を売った。その代償としては、これでも十分すぎるほど安いものだと思っているけれど?」


「ひっ……! 待て……話す、すべて話すから……その呪いを……!」

死の恐怖に屈したグレアムは、かつての王国の財務長官としての威厳を完全に失い、ただ命乞いをする老人の姿に成り下がっていた。


空は軽く指先を緩め、呪いの進行をわずかに抑えた。

「ふむ、いい返答だ。では聞こう。我が家を排除し、モクモク王国を帝国に売り渡そうとしたのは、君一人の独断かい? それとも、他にもまだ共謀している高官や王族がいるのかね」


グレアムは冷や汗と涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げ、震える声で搾り出すように言った。

「私……私一人ではない……! 我が国の中枢には……もっと深く、この国を根底から腐らせている者たちがいる……!」


「ほう……詳しく聞かせてごらん」

空が腕を組んで促すと、グレアムは怯えた目を部屋の暗がりルに向けながら、途切れ途切れに真実を語り始めた。


「スズメスズメ帝国が狙っているのは、単なる国境の領土拡大などではない……。あの大国が本当に欲しているのは、我がモクモク王国内に眠る、古代の『禁忌の魔導炉心』だ」

「魔導炉心、だと?」


「そうだ……。かつてこの大陸を支配した古代帝国の遺物であり、無限の魔力を生み出すとされるその炉心が、この王都の地下深くに眠っているという。だが、その封印を解除し、管理しているのが……他ならぬ、代々の連才家だったのだ」


空の眉間がわずかに動いた。

我が家――連才家が代々影で守り続けてきた秘密。それは単なる暗殺稼業の一族というだけでなく、王国の根幹を支える「禁忌の封印の番人」としての役割をも担っていたというのか。


「我が家がその封印を守っているが故に、帝国は正面からの侵略を諦め、内側から我が家を排除する必要があった……というわけだね」

「その通りだ……!」グレアムは血走り、しかしどこか狂気じみた笑みを浮かべた。「帝国だけではない。王国内部で我が家の力を恐れ、『連才家さえいなければ、自分たちがこの国すべての権力を握れる』と欲に目が眩んだ者たちがいる……!」


「名前を言いなさい」

空の冷徹な一言が、執務室の空気を再び凍りつかせた。


グレアムは恐怖に震えながらも、最後の悪意を込めるように、その名前を吐き出した。

「軍を統括する最高大将軍……そして……我が国王陛下の側近である、第一皇子殿下だ……!」


その名前を聞いた瞬間、空の瞳の奥で、わずかに黒い炎が揺らめいた。

バルトロ伯爵のような小物でも、地方の貴族でもない。王国の軍を動かす最高大将軍、そして次代の王であるはずの第一皇子自身が、他国と結び、連才家を排除しようとしていたという真実。


(なるほどね。だからこそ、王宮の裏切りはこれほど深く、厄介だったわけだ)


表向きは連才家を重用し、英雄として祭り上げながら、裏ではその強大な力を恐れ、他国の手を使って根絶やしにしようとする。政治家や権力者たちの醜い保身と権力欲が、この国を内側から腐らせていたのだ。


「よくぞ教えてくれたね、グレアム侯爵」

空は冷ややかに微笑んだ。その表情があまりにも無機質で、かえって恐ろしかった。


「なっ……! すべて話したぞ……! 約束通り、この呪いを解いて……!」

「僕は『すべてを話せば楽に死ねる』とは言ったけれど、『命を助ける』とは一言も言っていないよ」


「ひっ……!」

グレアムが絶望に満ちた声を上げた瞬間、空が指先を完全に握り締めた。


ドクン、とグレアムの心臓が不自然に大きく跳ね上がり、次の瞬間、完全にその動きを停止した。

苦悶の表情を浮かべたまま、王国の裏切り者は床へと崩れ落ち、二度と動くことはなかった。


4. 次なる標的、そして王都の夜

部屋の隅で、静かに冷たくなった遺体を見下ろしながら、空はふっと息を吐いた。

手に入れた情報は十分すぎるほどだ。スズメスズメ帝国、禁忌の魔導炉心の秘密、そして王国内部の真の黒幕――最高大将軍と第一皇子。


(国境の軍を潰し、こちらの裏切り者の一匹を始末したところで、向こうの本丸が動き出すのは時間の問題だね)


空は証拠を一切残さないよう、グレアムの屋敷全体に微量の呪詛を巡らせ、すべての痕跡を綺麗に消し去った。

夜明けの冷たい風が吹き抜ける中、窓辺に立った少年の黒髪が揺れる。


王国の運命を揺るがす巨大な権力闘争の中で、影の貴公子の反撃は、いよいよ王宮の最深部――最高権力者たちへの直接的な粛清へとシフトしていく。

第13話をお読みいただき、ありがとうございました!


グレアム侯爵から引き出された衝撃の真実。王国内部の黒幕として名が挙がったのは、なんと最高大将軍と第一皇子でした!

敵のスケールが一気に王宮の最高権力層へと拡大し、物語はさらに熱を帯びていきます。

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