表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何でも屋に招かれた記憶喪失で妖刀使いの僕は、全ての依頼を切り刻もうと思います。  作者: 失踪 -Sisso-
第一部 『黎明奇譚 Restart The World』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/98

第八十二審 『劣等感』

失踪です。

遊撃部隊の名前未判明はあとひとりになりましたね。

「目的は不明だが、現在、領土内の施設に展開されていた結界が例外なく全て消滅している。重要度に関わらず、全て、だ。そんな環境の中、お前らの組織のリーダーともあろう重要人物を、無防備な施設に放り込んでおくと思うか?」


「確かに……それでは私たちと同様、ただ投獄されただけ。私たちと場所を分けた理由が意味が無いように見えます。時間稼ぎをするにももっと良い方法があったでしょうし」


「そうなれば、領主はお前らのリーダーを手元に置いとくしか選択肢が無くなる訳だ」


「だが、僕らは領主の居場所に関する情報を持っていない。今から捜索するのは途方も無い時間がかかる上に、追われている身である以上リスクが伴う」


「忘れるな、俺が何の為にここまで来たと思っている。領主の居場所は既に把握済み。案内してやる代わりに、ひとつ条件がある。『俺と協力すること』だ」


「何でRebellonであるお前と……」


「Rebellionではなく一個人としての、お前たちへの頼みだ。これは組織への裏切りではないが、今回のあいつらの計画に俺は協力できない」


「あなたの目的は、一体何ですか?」


「Rebellionの計画の阻止、及び領主の計画の阻止だ」


「何故、自分たちの組織の計画の邪魔をしようとしているんですか?」


「今回は組織と俺の意向に相違が生じた。簡単に言えば、あいつらが招こうとしている事態が、俺にとっては良い物だとは思えなかった」


「ハルサさん、どうしますか?」


声量を絞って、小声で僕に問いかけてくるアゼムに、僕は小さく頷く。

どの道、そこまで時間はかけられない。断って遠回りをするよりも、条件を飲んで近道ができる可能性に賭けた方がいいと思った。


「そもそも、お前は何でそんな情報を持っているんだ」


そう問いかけると、そいつは表情を変えずに淡々と続ける。


「簡単な話だ。俺の兄貴がここの領主だからな」



太陽が昇り、影が一番小さくなるはずの時間帯。

一度降り止んでいたはずの雪が降り出し、気温は昨日以上に低下していた。

空には分厚い雲がかかっている。

依然として人気が全くない街中を歩き、僕らはとある一軒家を訪れていた。


「オルタ、ここは……?」


「昔住んでた家だ。帰ってくることも無くなったから、今はもうほとんど使っちゃいない」


オルタは玄関を開錠して中へと入っていく。


「入りな」


そう短く告げた彼に続いて、僕らも家に上がって行った。

リビングのような場所に辿り着き、目の前の彼は電気をつけてテーブルや椅子の周りに散乱していた物を片付け始める。


外装も内装も普通の一軒家だ。

しばらく帰っていなかったにしては、物が多いように感じるが。

電球の光は弱く、まだ薄暗さが残っている。長らく交換していないのだろう。


部屋を見回しながらそんなことを考えているうちに、彼はどこからかキャスター付きのホワイトボードを引っ張り出してきた。


「時間がないんだ。早く座れ」


急かされるように僕らは椅子に座ると、オルタはホワイトボードの前に立ってマーカーを手に取った。


「まず、俺とシーカ領の領主はさっきも言った通り兄弟だ。俺は弟だったから、親から後継に選ばれたのは兄であるあいつの方だった。そもそも俺は後継なんて御免だったけどな。それで、お前らに頼みたいのは、領主の計画の阻止だ」


「待て、さっきはRebellionの計画がどうとか言ってなかったか?」


「今回のRebellionの計画は、領主の計画を利用して初めて成立する。だから、領主さえ何とかすれば連鎖的にRebellionの計画も(つい)えることになる。だから、最優先は領主の計画の阻止になる」


彼はホワイトボードに筆を走らせながら、僕の問いに答えていく。


「じゃあ、領主の目的っていうのはなんなんだ?」


「本人と会えば分かる。あいつの居場所は恐らくここだ」


言いながらホワイトボードに地図を貼り付け、とある場所にマーカーで丸をつけた。


「『シーカ領港湾(みなとわん)天文台』。この領土随一の観光名所であり、この島国で一番巨大な天文台だ。あいつが計画を実行するにあたって、この場所の設備が必要になってくる。同時に、お前らの組織のリーダーもここにいる可能性が高い」

お楽しみいただけましたか?

衝撃の事実。知り合いの身内が領主。


では、また次回。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ