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何でも屋に招かれた記憶喪失で妖刀使いの僕は、全ての依頼を切り刻もうと思います。  作者: 失踪 -Sisso-
第一部 『黎明奇譚 Restart The World』

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第七十四審 『エラーメッセージ』

失踪です。

夏休み期間が近づいてきますね。

俺は通気口の格子を蹴飛ばし、目的の場所に何事もなく到着することが出来ていた。

自分が動かした物に対する第三者からの認識までは俺の異能力では歪めることが出来ないため、堂々と扉から侵入するのは、流石に近くの警備員に目をつけられかねない。


通気口から飛び降り、着地してすぐ目に入ったのは、いくつもの監視カメラの映像。その中から正面玄関が映っているものを見てみるが、ハルサの姿は見えない。上手く隠れているのだろうか。


とにかく、まずはこの警備システムを何とかしないと話は始まらない。

取り出したUSBをコンピューターに差し込み少し操作すると、画面にはダウンロード画面が表示され、ロードが始まったのを確認してから一息ついた。


計画通り、建物の前で待機している彼に連絡しようと、通信機に手を添えた瞬間、視界の先にあった画面に何かが表示される。


「エラー……?」


画面に触れようとした瞬間に、そのエラーを知らせる表示は瞬く間に数を増やし、畳み掛けるように部屋中に警報音が鳴り響いた。


「侵入者を検知、侵入者を検知、早急に対処を要請……なんてな。お前の行動は何から何まで筒抜けだ、こうやって俺達の前にわざわざ現れてくれることも。仲間を助ける為に体を張って、大した善意だこと。ハハッ、心配すんなよ、すぐに仲間と同じ牢屋に放り込んでやるからなぁ!!」


それを最後に声は途絶え、警報音だけが部屋に響き続けた。

俺は判断を下し、再び通信機に手を添える。


「ハルサ、突入だ。何を犠牲にしても構わない。最速で計画を遂行しろ」



通信を受け取った瞬間、その口振りと声色から、彼の元で何かがあったのだろうと察した。


全てを聞き切る前に僕は物陰から飛び出し、鞘に収まったままの刀を振るってこちらに気づいた見張りに先手を打って薙ぎ倒すと、流れるように入口を蹴破って中へ侵入する。


自分の位置を把握するべく、壁に設置されていた地図に視線を向け、『階段の位置』を同時に確認した。


「いたぞ!侵入者だ!!」


追ってくる警備員に背を向けて、僕は走り出す。

ファントムがここには地下牢があると言っていた。だとするなら、僕が目指すのは牢屋がある地下のみだろう。


行く手を阻んできた奴らを片っ端から薙ぎ倒し、階段まで一直線に進んでいく。

ただ、一つ気になったことがあるとすれば……そこら中に設置されている監視カメラがダウンしている様子は見えない。

やはり何かしらのトラブルがあったと考えるのが自然だ。だとしても、僕にできることは計画を遂行しきることだけなのだが。


角を曲がり、目の前に現れた鉄扉を開けようとするが、鍵がかかっているのかドアノブを捻っても開く様子を見せなかった。


「クソっ……何か無いのか……!」


焦って周囲を見渡す僕の視界に映りこんだのは、地面に伏した警備員が握っていたピストルだった。


咄嗟にそれを手に取り、ドアノブの下あたりに狙いを定めた僕が引き金を引くと共に、数発の銃声と、砕け散る金属の音が周囲に響き渡る。

一度扉を蹴飛ばすとそれはいとも簡単に開いたため、追っ手が来る前にと足早に僕はその場を後にした。


階段を最早飛び降りるように駆け下り、その先にあった扉を勢いのままに蹴破って着地する。

その階の様子は見るからに異質で、薄暗く、人の気配がまるで感じられなかった。牢屋も多く並んでおり、地下牢と聞いて想像したものをそのまま書き出したかのような風景。

とは言え、更に下の階へ続く階段なども見当たらなかったため、僕はその場所を探索することを余儀なくされる。


石造りのその場所に反響する自分の足音。足を止めれば周囲は静寂に包まれた。


そうして数分間歩き回ってみたが、ルナ達の姿は疎か、この場所に人がいたという痕跡も特に残されておらず、通路の突き当たりまで歩いた僕は立ち尽くしていた。


地下牢には誰の姿もなかった。という事は、僕らがここへ来ることを事前に読んで、別の場所に収容したのか……?

そうでないとするなら、残された可能性は────。


「どうも、随分お急ぎのようだね」


「……誰だ、お前は」


僕が振り返るのを待っていたかのように、そこに立っていたそいつはそう声をかけてきた。

お楽しみいただけましたか?

新キャラの登場頻度が高くなってきました。


では、次は第七十五審でお会いしましょう。

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