表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何でも屋に招かれた記憶喪失で妖刀使いの僕は、全ての依頼を切り刻もうと思います。  作者: 失踪 -Sisso-
第三章 『シーカ領事変編』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/107

第七十三審 『Vanishing』

失踪です。

逆張りで寒いですね。

そう聞いて、僕は思い当たる節があるような気がしたが、振り払って頭の中から追い出した。


「僕たちはこれからどうするべきなんだ?」


「明確なことは言えないけど、少なくとも最優先はルナ達を助け出すことじゃないかな?外部から応援を呼ぶことは出来ないし、俺らはもう指名手配犯と言って差し支えないからね。第一、なんで追われているのかも分かってないけど」


彼はそう言いながら、握っていた刃物をしまった。


「とりあえず分かっている情報を共有しておこうか。まずだけど、俺らを追っている勢力は、少なくともRebellionじゃないね」


「……は?それってどういう……」


「さぁね。俺も詳しくは知らないよ。でも、移動中にRebellionと思しき集団と俺らを追っている勢力がぶつかりあってるのを見た。この期に及んで仲間割れなんてことは流石にないだろうし、Rebellion側の七聖達はそもそもそれを許さないだろう。多分、俺らを追っている勢力は他領土から来訪した人間を狙って、ここ数日間で動き出したんだと思うよ。となれば、Rebellionと争っていたのにも納得がいくし、俺達が認識していない第三勢力がいるという考えが正当性を帯びる」


「なるほどな……確かに、ならそう考えるしかないよな。そしたら、ルナ達の居場所を特定するところからか」


「それなんだけど、もう既に済んでるよ。それに、その影響で俺はもう勢力の正体に検討が着いている」


彼はそう言うと、言い淀む様子はなく一拍置いて続けた。


「ルナ達が連れて行かれた場所は、シーカ領領主が直々に管理している地下牢がある収容施設。つまり、この騒動を起こした勢力とここの領主を含む権力者は、何かしらの繋がりがある可能性が高い」



「例の施設はこの領土の東南、端に位置する。この位置からであればそこまで遠くはない。そしてその施設の周辺地域、少なくとも一(キロメートル)は関係者以外の立ち入りが不可能。多数の妖者を収容しているっていう噂も立っている施設なだけあって、警備もかなり厳重だから、不用意に立ち入れば一発アウト。俺らもルナ達と同じ道を辿ることになる」


「なら、どう警備を掻い潜るんだ?」


「心配ご無用。俺の異能力があればあの程度の警備は簡単に通り抜けられる。でも、俺と君は一旦別行動にはなっちゃうかな。作戦としては、まず俺が警備を掻い潜り施設内に侵入。君は外で待機していて貰うよ。そして俺が制御室から警備システムをジャック、ハッキングを行う訳だけど、失敗したら最悪破壊する。それが済んだら君も施設に侵入してくれ。警備員と鉢合わせたら、なるべく騒ぎにならないように早期対処することを念頭に置くこと。敵勢力としては、俺らがルナ達を助けに行くことは想定の範囲内であっても何ら不思議じゃないから、警備員の数も質も格段に上がってるかもしれない。勝てないと判断したら撤退を優先。あくまで目標は仲間の救出だからね」


「分かった。にしても、領土の境界には分厚い結界を張ってるのに、そんな重要な施設の周りに結界一枚すら張っていないだなんて、不用心なように思えるな」


「それに関しては、最近領土を覆っている結界の強度を上げたことに要因があると思う。元々、この施設周辺にもそれと同様に結界が展開されていたんだ。けど、最近になって唐突にその結界が消失した。つまりは、恐らく結界の強度を上げるにあたって、代償を支払ったんだろう。その代償が、『結界内に結界を展開できない』のような、結界内に結界を展開することを不可能にするものだとしたら?」


「……確かに、そうだとすると辻褄は会うが……。その代償を払ったのなら、結界で守っていた他の重要な場所も野晒になるんじゃないのか?」


「そうしてでも境界の結界を強くせざるを得なかったんだろう。そっちを選び取るほどの理由があったとしか考えられない。それに、こういった芸当は並大抵の妖者にできるようなものじゃない。かなりの練度の結界術師が上層部側に着いているかもね」


そんなことを話しつつ走って移動していた僕らは、とある施設のようなものの前に差し掛かると、ゆっくりと速度を緩めていく。


「さぁ、着いたよ。ここが例の施設だ。作戦通り、俺は先行するから君は周辺で待機しておくこと。警備システムと警備員に目をつけられないように」


僕が頷くと、ファントムは堂々と正面の入口に向かって歩いていった。

その様子を物陰に身を隠しながら眺めていた僕は、その一瞬で起こった出来事に驚愕する。


先程までそこにいたはずのファントムの姿が唐突に消失した。近くにいた警備員は普段通りと言ったように直立したま周囲を見回していた。

監視カメラなどが反応している様子も見られないため、万物から認知されなくなると言ったような異能力なのだろうか。

十数秒間その方向を眺めていたが、足音など、彼を知覚するにあたって必要な情報が、ほとんど消失していた。本当にまだそこにいるのか、わからなくなってしまう程に。


目を凝らせば砂埃などは少し見えるような気がするが、これほどの精度であれば心配する必要も無いだろうか。

そう考えつつ、僕は見えない彼の後ろ姿を見届けるのだった。

お楽しみいただけましたか?

おれ、エアコン、効いた部屋、好き。


では、次は第七十三審でお会いしましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ