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何でも屋に招かれた記憶喪失で妖刀使いの僕は、全ての依頼を切り刻もうと思います。  作者: 失踪 -Sisso-
第一部 『黎明奇譚 Restart The World』

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第六十八審 『獄門開通』

失踪です。

ドゥームズデイが強いのはそれとして、対抗できるルナもかなりやばいですね。

応答するなり彼の声を跳ね除けるように告げた。


「僕がいる場所から半径五(キロメートル)に避難指示を出したい。呼び掛けを手伝ってくれ。今すぐにだ」


「……なんだって?少し詳しく頼む」


七聖(しちせい)が現れた。そいつが去り際に空間を引き裂いてとんでもない置き土産を残していったんだ。今はうちの組織のリーダーが食い止めてるが、どれだけ保つかわからない。僕はこれから他のメンバーと協力して避難を呼びかけて回るから、そっちもできる限り協力してほしい」


「そういうことなら分かったよ。今の君の居場所はどこかな?」


「えっと……近くの建物には『游府』って書いてあるな」


「わかった。連絡は僕に任せてくれて構わないから、君は君のやるべき事をやってくれ」


「了解、済んだらそっちから僕に連絡してくれ。くれぐれも巻き込まれないようにな」


「はいはい、任せて」


告げると、僕は彼との電話を切った

イザナギの協力がどれだけの効力を持つかは分からないが、無いよりはマシだろう。


そもそも、僕はあの裂け目からでてきたあの化け物の正体すら知らない。ルナは知っていそうだったが、とてもそんなことを聞ける雰囲気ではなかった。

ともかく、今は任されたことに専念しよう。


そんなことを考えながら、僕は誰もいない路地を走り続けるのだった。



そうして走り続けること数十分。

道行く人に避難を呼びかけて回っているが、もう既に外出を控えるように指示が出ていたためか、あまり人気はないように感じる。


走っている最中、そろそろ中間地点に到着することに気がつき、周辺住民への呼び掛けが済んだことをアゼムに報告しようと、通信機の電源を入れた。


「こちらハルサ、中間地点までの避難の呼び掛けが済んだぞ。このまま進んで行っても大丈夫か」


『了解です。私ももう時期そちらへ到着しますので、そのまま進んでください。それと、どうやら周辺で異常な生命体が確認されているようです。これに関しては私にも正体が分からないので、どうかお気をつけください』


「了解だ。健闘を祈るぞ」


通信を切った瞬間、上空からなにかの気配を感じ取り、咄嗟に速度を上げた。


刹那、真後ろから何かが地面に直撃する音、瞬時に足を止めて地面を滑りながら背後を確認すると、そこにはこちらを伺う異形(いぎょう)の何か。

体から生えている触手を(うね)らせる僕の記憶にあるどの生き物とも似つかないその生命体にある多数の目が、一斉にこちらを見つめる。


その瞬間に攻撃が来ることを察した僕は、咄嗟に刀を構えて、そいつの体から伸びてきた触手を迎撃する。

速度はそれなりに早く、数もとても少ないとは言えないが、威力はお粗末だ。

そこまで強い相手だとは思えないが、如何せん僕は遠距離攻撃に弱い。刀は温存しておきたかったため、使うことを渋っていた。


痺れを切らし、触手を弾きながら前進を開始した僕は、思ったよりも簡単にそいつの(ふところ)に潜り込むことが出来てしまう。

そのまま助走をつけ、飛びかかってそいつを蹴飛ばした。

(メートル)吹き飛ばされたそいつは、地面に伏せたまま僕の方を見ている。


追い打ちをかけるために動き出そうとした瞬間、背後で何者かの気配を感じ取った。


「二体目……?!」


咄嗟に振り返った僕の視界に映ったそいつは、既にこちらへいくつもの触手を伸ばし始めており、とても全てをいなせるとは考えられなかった。

歯を食いしばり、刀を握る手に力を入れてそれを振るおうとした瞬間、何者かの声が更に僕の背後から響く。


「右に避けろ、青年」


一瞬困惑したが、言葉の通り、瞬時に右へ体を傾けると、何かが耳元を通過していった。

それは僕に攻撃しようとしていたそれに突き刺さり、その衝撃でそいつは地面を転がる。


声がした方向に視線を向けると、先程僕が蹴飛ばした化け物にも矢が数本突き立てられているのが目に入った。

顔を上げると、白くて長い髪を後ろで結った、褐色の肌が目立つ女が視界に映り、近づいてきたそいつが僕に話しかけてくる。


「お前がルナとアゼムが言っていたBetter Tomorrowの人間だな。私は行動隊α(アルファ)の『(みみずく) アカネ』だ。よろしくと言いたいところだが、今はそんな時間は無い。話はどのくらい聞いている?」


「ドゥームズデイというやつが置き土産を残して、あの場を去ったところまで僕は現地にいた。それからアゼムとルナの指示に従って今に至るが、それ以外の情報はほぼ持っていない」


「なら、必要な部分だけ説明させてもらう。まず、ドゥームズデイについてだが、あいつの異能力が可能にする事象の一つに、恐らく『空間の分断及び接続』が存在するだろう。指定した場所の空間を引き裂き、全く別の場所と繋ぎ合わせることができる」


それに関しては粗方察していた。

他にもいろいろとやっていたような気がするが、それが中でも目立っていたのは言うまでもない。


「それを踏まえた上でだが、あいつが接続先に選べる空間は、『現世だけにとどまらない』んだ。あいつは去り際、周囲の空間と『地獄』を接続して行った」

お楽しみいただけましたか?

髪結んでるキャラが多いな。


では、次は第六十九審でお会いしましょう。

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