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何でも屋に招かれた記憶喪失で妖刀使いの僕は、全ての依頼を切り刻もうと思います。  作者: 失踪 -Sisso-
第一部 『黎明奇譚 Restart The World』

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第六十一審 『Seeker』

失踪です。

今回は珍しく会話オンリーのパートです。

「……ルナさん。今回のお相手はどなたですか?」


「今回は私も知らないんだよね。とりあえず呼び出されたから向かってみてるだけだよ」


「それ、大丈夫なんですか?危険だと思いますけど」


「大丈夫だと思うけどね。君も付いてる事だし」


「だといいんですが……」


──────


「あぁ、ようやく来ましたか。お久しぶりですね。ルナさん」


「……なるほどね。なんであんたが私を?」


「まぁ一旦座ってください。それからお話しましょう」


「……で、どういう用事なんだい?」


「簡単です。あなた個人への依頼があるので直接お話しようと呼び出しただけです。別に不思議なことは無いでしょう?」


「まぁ、そうだね。受けるかどうかは内容を聞いてから決めさせてもらうよ」


「えぇ、構いませんよ。肝心の内容ですが、あなたにはひとつの部隊を率いてもらいたいのです。言いたいことはわかります。あなたが疑問に思っているであろうことも含めてお答えしましょう。まず、あなたは『とある浮島にある学園』をご存知ですか?少し前、それなりに話題になっていたと思うのですが。あの場所で、これからそう遠くないうちに世界の命運を(わか)つような大規模な戦いが巻き起こります。私はそこに私が指揮下に置いている部隊を送り込みたいのですが、生憎私はその場には同席出来そうになくてですね。そこで私はあなたに指揮を頼もうと考えました。あなたであれば本人の実力共に不足ありません。どうでしょうか?」


「……具体的に、部隊を率いて何と戦うんだい?」


「簡単です。場所は学園。つまりは部隊の進行を食い止めようとする生徒と戦っていただきます」


「その生徒たちと戦わなければならない理由は?」


「それも簡単です。私の計画を遂行するため、これに他なりません」


「悪いけど、どう考えても怪しい。あんたの計画とやらの正体が分からない以上、私たちが協力するのは危険だと言わざるを得ないね」


「そうですか……なら、別のアプローチを取るしかなさそうですね」


「……」


「下がっていいよ、アゼム。君はまだそこで見ているだけで大丈夫」


「……了解です。失礼致しました」


「無論、あなたにもメリットがあります。数年前、あなたが探していると言っていた青年。恐らくですがあの学園のどこかに居ます。あなたの知っている姿とは少し異なるかもしれませんが、私も彼とは面識があります。それだけでも、あなたにとってはこの任務の見返りとして十分なのでは?」


「…………嘘は、吐いてなさそうだね。良いよ、その任務、私が受けよう」


「ルナさん、正気ですか……?!」


「但し、条件がある。私たちに対して想定外の不利益が降り注いだ瞬間、私は任務を放棄して作戦を中止する」


「えぇ、構いませんよ。では依頼受理ということでよろしいですね?」


「あぁ、そういうことだ」


「詳しい日程は追って連絡します。私は用が済んだので、失礼させていただきたいのですが……」


「まだ、何かあるのかい?」


「最近、あなたの組織に加入した正体不明の青年。少々気になるところがあったのですが、少し前に直接お会いする機会がありましてね。もちろん、偶然ですよ?あの時は赤い髪の女性と一緒に繁華街周辺を歩いていましたかね。彼女は確か……『(かがり) フレア』というお名前だったはずです。彼の姿を一目見た時に確信しました。あれは─────」


「もういい。『リグル』、用が済んだのならさっさと帰りな」


「おっと、申し訳ございません。無駄話が過ぎたかもしれませんね。では、今度こそ失礼いたしました」


──────


「いなくなりましたか……にしてもルナさん、あんな任務を受けるなんて正気ですか?!」


「あぁ、私は正気さ。それに、私は前提として不利益があれば作戦を放棄すると言った。つまり、何かしら理由さえ付けられれば、好きなタイミングで撤退してこれるって訳さ。君がそこまで心配することもないよ」


「そう……だといいんですけど」


「さて、漸く時間が空いたね。ハルサを迎えに行こうか。君が私の目を盗んで向かっていた場所を教えてもらえるかな?」


「ば、バレてたんですか……」


「まぁね。さあ、急ぐよ」


「分かりました。案内するので着いて来てください」

お楽しみいただけましたか?

ここまで読み進めたあなた方は、彼について知っているはずです。


では、次は第六十二審でお会いしましょう。

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