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何でも屋に招かれた記憶喪失で妖刀使いの僕は、全ての依頼を切り刻もうと思います。  作者: 失踪 -Sisso-
第一部 『黎明奇譚 Restart The World』

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第五十七審 『氷の裁き』

失踪です。

髪結んでる男キャラが癖なのがバレ始めた頃だと思いますが

そう唱えた瞬間、なにかの気配が迫っているのを瞬時に感じとる。

咄嗟に動いて回避前提の動きを作るが、放たれた攻撃は想像していたようなものとは大きく異なっていた。


「……『裁冰』《アイシクル・ジャッジ》」


僕を襲ったのは周囲一帯全てを巻き込んだ広範囲攻撃。速度で攻撃を回避して時間を稼ぐことを想定している僕には、苛立ちを覚えてしまうほど対処が難しかった。


杖の先から放たれた光を浴びた瞬間、体中に霜が張り付き、瞬く間に体温を奪っていく。

あいつの攻撃を回避するには、かなりスピードを出さなければ厳しい。中には速度云々の問題ではないものもある上に、動けば動くほど外気に晒されて体温を持っていかれる……まさに文字通りの不利対面だ……!


「流石に……もう厳しいかな……」



あまりにも……次元が違う。

突然目の前に現れた彼は、僕らが四人がかりでも勝ちきれなかったあいつに、一人で渡り合っている。


しかし、あいつはまだ本気を出していないようにも見える。まだ前戦った時に使っていたような異能力もまだ見せていない。何か理由でもあるのだろうか。

僕の位置からは声などは聞こえないが、なにかあいつが喋っているのがわかる。


それを眺めているうちに、アウトレイジは忽然と姿を消した。この状況では勝てないと判断したのだろう。

彼は同時に杖を下ろしてこちらに向かって来る。


「かなり強かったです。それなりに力を抑えて戦っていたようでしたが、かなりの手練でしょう」


彼が僕の前で立ち止まると、僕を囲っていた結界が消失した。


「申し遅れました。私は行動隊α(アルファ)所属の『橘 アゼム』です。お気軽にアゼムとお呼びください。私達は先日からルナさんたちと一緒にシーカ領を調査しています。先程、あなたからルナさんに連絡が入った後、私の勝手な行動ですが、ルナさんとの会話に含まれていた情報から場所を割り出して、あなたの様子を見に来ました。何せ心配だったもので」


「なるほどな、お前はBetter Tomorrowのオペレーターでありながら、ルナとここに向かってきた精鋭のひとりで、意図せず迷い込んできた僕を心配して独断でここに向かってきたと」


「その通りです。私には長距離移動を実現する術式があるので、場所さえ割り出せてしまえば移動してくることができました。移動の術式は一つしか対象を選択できないので、あなたを連れて行くことができないのが惜しいですが、結果だけ見ればあの状況で到着していなければ、あなたは彼と戦うことになっていたでしょう。かなりタイミングが良かったのは言うまでもないです」


「だよな……。おかげで助かった。ありがとう」


「いえいえ、お気になさらず。それと、現在この領土には現在三人の七聖が侵入して来ていることが分かっています。さらに、この領土に厳戒態勢が敷かれ始めました。つまり、私たちは暫くここから出ることが出来ないことが確定してしまっているということです。一応、私の連絡先を渡しておきます。何かあったら直ぐにでも向かいますから、連絡してください。Rebellionは今も各地を徘徊しているので、どうかお気をつけて。では、失礼致します」


「あぁ、ありがとう。またな」


そう言うと、足元に描かれた魔法陣のようなものが強く光を放った一瞬のうちに、そいつは姿を消した。


今お前が戦っていたのがその七聖の一人……だったはずなんだけどな……。

お楽しみいただけましたか?

アウトレイジ君ボコボコで草


では、次は第五十八審でお会いしましょう。

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