第五十審 『「神」の召喚』
失踪です。
今回は超重要回。
前提としてですが、少し前に話に挙がっていた、進行派かどうかみたいな話が重要になってきます。
次の日の昼間。
僕はとある人物を誘って、繁華街の飲食店で水を飲みながら会話していた。
「……まぁ、君が僕を呼んだ理由は何となくわかるよ。こうなることも想定して君の誘いを受けたんだからね」
対面に座っているそいつは水の入ったコップを置いてそう言った。
店員が珈琲を持ってくるのを横目に、僕は会話を続ける。
「話が早くて助かるな。じゃあ早速本題に入るが、
Rebellionの現在の目的はなんなんだ?」
「やっぱりそこ、気になるよね。傍から見たら行動が全く噛み合っていないわけだから」
珈琲を受け取り、一口啜ってから続ける。
「Rebellionの最終的な目標は『神の復活』だよ」
「神……?」
「あぁ、そうだ。いや、どちらかと言えば復活というより『召喚』なのかもしれないけどね。過去に存在したとされる『神』を、この世界に再び呼び出そうとしている。そもそも、Rebellionは信仰派の人間だけで構成された組織だからね。信徒であるならこのくらいやっても不思議じゃないだろう?」
「じゃあ、お前たちが設けていたあの『不殺』とかいうルールは何のためのものなんだ」
「あれは目的の達成に必要なものだよ。神の顕現には少なくとも二人の『神格』と呼ばれる素質を持つ人間が必要なんだけど、現状生きている人間が神格になるための方法は一切分かっていない。判明している情報としては、神格は『神』の一つ下の階級とされているいうこと。そして、かなりの実力者であること。だから各地で暴動を起こして、外部の実力者が手を下さざるを得ない状況を作っていたのさ。それで表舞台に姿を現した実力者をマークして、その強さを確かめる為に、対象が再度表に出なくてはいけない状況を作る。ある程度確証が得られれば、大きな勢力を投下して対象を捕らえに向かうっていう計画だったはずだ」
「これまでお前らが起こしてきた騒動は、全てそのためだったってことか?」
「あぁ、そうさ。例外はないよ」
そう言われれば、僕らに明確な殺意を向けてこなかったことも納得がいった。これまでの人生で一番死を覚悟した瞬間が、ケイに襲撃された時だというのもおかしな話だが。
「ちなみに、君もそのマークされている実力者の一人だった。近衛塔の件で剣聖と戦って撤退まで追い込んだんだから無理もない。僕が攫った領主を助けるためにこっちに向かってきた時、仲間と引き剥がしたのは君本人の実力を確かめるため。建物の前で僕以上の実力者と戦わせてある程度消耗させたのも、僕が負ける前提であの場所に配置されていたのもそのためだね」
「なるほどな……確かにそう仮定すれば辻褄は合うわけか……。ちなみにだが、次のリベリオンの行動について何か知ってることは無いか?」
「残念ながら、僕は下っ端よりも少しマシ程度の立場だったからあまり多くの情報は渡されていないんだよ。ただ、僕から他に言えることがあるとするなら……」
彼はそう言って手元にあった珈琲を再度啜って大きく一息ついた。
「君がこれまで接触した七聖が何人いるか分からないけど……Rebellion側に着いている七聖は、少なくとも六人はいるよ」
ℵ
そして、数日後。
先日ルナから言われた通り、シーカ領との境界付近に向かうよう告げられた僕らは、二手に分かれて調査を開始することにした。
ホタルとエナには近くのビルの屋上で周囲の様子を観察しながら待機してもらい、僕とタクトで付近の調査を行う。
だが、この雰囲気は明らかに異質だ。
「……人の気配がないね」
「だな。事件の内容からして、もう既に狩り尽くされたか、退去が済んでいるのか……」
「だとしても、Rebellionすら一人もいないのはかなり不自然な気がするけどね」
確かにそうだ。だが、もう既にここでやることが済んで別の場所に移動したという可能性もある。やはりどれも確証は得られない。
すると、耳につけていた通信機から聞きなれた声が届いた。
「六時の方向に敵影!今すぐそこから離れて!!─────」
「伏せろ!!」
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Twitterのフォロワーが200人を突破していました。ありがたいですね。
では、次は第五十一審でお会いしましょう。




