表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何でも屋に招かれた記憶喪失で妖刀使いの僕は、全ての依頼を切り刻もうと思います。  作者: 失踪 -Sisso-
第一部 『黎明奇譚 Restart The World』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/54

第四十一審 『道化に堕ちる』

失踪です。

毎日投稿はまだまだ続きそうです。

再び刀を構える僕はその言葉を聞き流し、神経を集中させ始める。

……かなり、体は限界に近い。

負った傷も未だに痛む。そもそも使い慣れていない刀を使っている状態でそれなりの強者と連戦となると、やはり厳しいものがある。


「今度は僕から行かせてもらうよ……!」


そう言うと、そいつは自分の足元に結晶をひとつ落とした。

爆発音が響くと同時に、そいつは生じた爆風でこちらとの距離を一気に詰めてくる。


突き出されたそいつの右手に握られていたのは、既に光を放ち始めたいくつかの結晶。

反射的に防御を図るが、それも虚しく爆風により僕は大きく後方に吹き飛ばされた。

立ち上がろうとすると、所々皮膚に焼けるような痛みを感じる。先程の爆発で損傷を受けてしまったのかもしれない。


「……おや、限界かな?まぁ、君は連戦なんだ。無理はないよね」


そう言いながらも、すぐ近くで何かが転がる音が聞こえ、顔を上げてそれを確認すると同時に刀を拾って駆け出した。

それを蹴飛ばし、再び煙の中から姿を現すそいつとの距離を詰める。

刀を振りかぶるが、そいつの手元が視界に映り込み、直前で動きを停めてしまう。


「そう簡単にはいかせないよ」


握られていた結晶が爆発し、僕は咄嗟に回避して損傷を最小限に抑えたが、そいつは爆風で大きく後退して僕との距離を再びとった。

……このままでは恐らく接近戦に持ち込むことは不可能だ。同じことを繰り返されるだけだろう。

ひとつ解決策があるとすれば……。


「へぇ……なかなか思い切った策に出たね」


僕は持っていた未だに紫色の光を放つ刀を、一度鞘に納めた。

体が軽くなる感覚。これで多少は動きやすくなっただろうが、この間僕は決定的な攻撃を行う手段がない。

……いや、行う必要もない。僕に今必要なのは時間稼ぎだけだ。


そいつは一瞬驚いたような顔をしながらも、すぐにまた笑みを浮かべ始めた。



彼の異能力の概要は全く検討がつかない。

そもそも、異能力を使っている瞬間が今まであっただろうか。剣術だけで戦っていたと言われても納得してしまう。

気になることがあるとすれば、彼の刀が常に紫色の光を放っていることだろうか。

確かに聞いていた通り、彼及びその刀はかなりの異彩を放っているように感じられた。

そんな中、彼は何故か持っていたそれを鞘に納めてそこに佇んでいた。

異能力の発動条件を満たすための行動……?いや、それともそもそも刀は異能力の発動に必要では無いのか……?


そうこうしている間に、気づけば目の前には彼の拳が迫っていた。

咄嗟に後ろに踏み切って空中で姿勢を整え、着地すると同時に勢いを殺して立ち止まり、片手に握った結晶を周囲に撒いて再び動き出す。

(やが)て響く爆発音とともに周囲は白煙に包まれるが、こちらに迫ってくる何者かの影を明確に視認してしまう。


「嘘だろ……?!」


瞬時に向かってくる拳を受け止めるが、彼は先程と比べてかなり怪我を負っているように見えた。

まさか、自分の姿を確認しずらくするために爆発の中心部を損傷を受けることを覚悟で突っ切ってきたとでも言うのか……?!


続いて振るわれた拳が僕の腹部に叩き込まれ、僕は容易(たやす)く吹き飛ばされてしまう。

立ち上る煙を手で払い除けて、地面に座り込む僕に近づいてくる彼は、こちらを見下ろしながら問いかけてきた。


「気になることは山ほどあるが、今聞けることだけお前に聞くことにしよう。お前たちは僕たちのことを生かそうとも殺そうともしない。これは今に始まったことではなく、お前らと関わり初めてからずっとだ。今、僕たちはノーヴェル領の存続に関わるレベルの問題の雌雄を決そうとしている。普通、領主を攫うほどの目的があるのなら、なんとしてでも身柄は自分たちの元で確保しておきたいはずだ」


大きくため息をつきながら、彼は僕に刀の先を向けた。


「だが、お前たちにはその意図が見えない。もし領主の身柄を渡したくないのなら、ここまで辿り着いた僕を全力で始末しようとするだろう。そもそも、前もって僕を始末する手段もあったにも関わらず、お前らはそうしない。……お前らの目的は、領主を人質に何かをすること、では無いな?……いや、全く違うわけでもないのかもしれないが」


「ふーん……。と、言うと?」


「領主を人質に何かを要求するのなら、僕らのような人間に人質を助け出されて計画が失敗しないようにするべきだろう。だから人質を囲わなければならないはずだ。だが、お前は人質を守るにしてはあまりにも不適正だろう。見るからに近接戦闘向きでは無い、大してタイマン向きでもない異能力。そんな人間に、言わば『最後の砦』が務まると思えない。まださっきこの建物の前で戦った女の方がマシだっただろう。なら、辿り着く結論はひとつだ」


そこまで言われると、次に続く言葉が予想できてしまった僕は、呟くようにその言葉を零すのだった。

お楽しみいただけましたか?

ストックしていた部分をだいぶ消費してきたのでそろそろ構想を文字に起こさないといけません。


では、次は第四十二審でお会いしましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ