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何でも屋に招かれた記憶喪失で妖刀使いの僕は、全ての依頼を切り刻もうと思います。  作者: 失踪 -Sisso-
第一部 『黎明奇譚 Restart The World』

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第三十五審 『全方注意』

失踪です。

友達にジャンケン15連敗しました。普通になんなんですか?

刀から放たれる光にも匹敵する程の激しい火花が立て続けに散る。

苦し紛れに振り抜いたその刀はそいつの頬を掠め、僅かに血が流れ出ていた。

その時、僕は回避に伴って体勢を崩したそいつにもう一度狙いを定め、握りしめた拳を振りかざす。


頬を打たれて吹き飛ばされ、なんとか持ち直して地面を滑るように着地したそいつを見て、今しかないと感じとった僕は刀を振り下ろし、紫色の斬撃を打ち出す。

そいつは咄嗟に両手に握り直したナイフで飛来した斬撃を『正面』から受け止めた。

その表情は、抑えている斬撃から放たれる光を通しても確認できるほど苦悶に満ちている。


この好機を逃すまいと、僕は瞬時に距離を詰めて再度刀を振り上げながら、地面を蹴飛ばして飛びかかった。

しかし、振るわれた刃が直撃する寸前で、そいつが受け止めていた斬撃は相殺されて消滅し、その瞬間に迫る僕の攻撃を回避するべく瞬時に後退する。

僕は着地すると同時にもう一度地面を蹴り、そいつとの距離をさらに詰めた。


「捉えた」


咄嗟に繰り出した回避の影響で、僅かに隙を晒している。そのまま流れるように刀を構え、振るった。


(やが)て僕の耳に届いたのは、肉が裂ける音。血が滴る音。漏れだした僅かなそいつの声。

僕はそいつの腹部を貫通した刀を引き抜いて一度大きく距離をとる。


「……策士だね。血が飛び散らないように『刀を振らなかった』んでしょ。よくこの状況で頭が回るよ」


口に溜まった赤黒い血を吐き捨て、口元を拭いながらそう告げるそいつは、まるで自分の状況が分かっていないかのように微笑みを浮かべる。


これまで、相手から異能力によるアクションを取ってくることが極端に少ないように思えた。やはりあまり血を消耗したくないのだろうか……。

だが、こういう異能力である以上、何かしらの保険があってもおかしくは無いのだが。

現にこいつは戦闘開始前に自分で腕を切り裂き、加えてこの出血量でもまだ余裕を見せている。これで何も血液の減少を対処する手段がないという方がありえないだろう。


僕は刀から血を払うように一度大きく薙いだ。


「まだ、やるよ。私はまだまだ余裕だからね」



(ほとばし)る電撃。目にも止まらぬ速さで打ち出されるそれは、定めた僕という標的を絶えず狙い続けていた。

放たれた電撃を寸前で回避し、それに触れた僕の髪は焼き切られる。

こいつの異能力は恐らく電気を操るタイプの能力だと思うのだが、近距離中距離共に隙がない。

それに、当たり所が悪ければ一撃で決着が着くだろう。油断など一瞬たりとも許される訳もない。

近距離が得意な間合いな僕にとって、かなり面倒な敵となっていた。

攻撃を回避すると同時に距離を詰め、振るった刀が交わり、押し合いになる。

隙を見て刀を振り抜き、そいつに片手で触れようとした瞬間、降り注ぐ雷撃。

防御の手段を持たない僕は行動を中断して後退を余儀なくされる。


「……気味が悪いな、その戦い方は。接近することによって発動する異能力だったりするのか?」


「答えると思っているのか?それに比べてお前の能力はあまりにも分かり易すぎるな」


「そうか?これでもまだ手の内の半分も出していないが」


そいつはそう言うと、つけていたマスクをずらして、大きく息を吸い込んだ。

そうして何かを吹くように吐き出されたのは白い霧のようなもの。それを目の当たりにした瞬間、不思議に感じていた現象の辻褄があったような気がした。

軈て視界は白に染められ、僕はそいつの気配を感じとるべく神経を張り巡らせる。


「……見えるか?」


背後から声が響き、僕は咄嗟に振り向いて背後のそれを確認した。

お楽しみいただけましたか?

スマホの充電が無い!!!!!!!!


では、次は第三十六審でお会いしましょう。

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