第二十一審 『メリーゴーランド』
失踪です。
キャラクター設定資料とか作ってみようかなと思ってます。
ミロクに案内された先にあった車に乗り込み、数十分経っただろうか。到着した場所は人の気配ひとつしない廃れた町だった。
車から降りてその町を歩きながら、僕は疑問に思っていたことを口にしてみる。
「そういえば、ミロクは自警団との繋がりは持っているのか?」
「当然。自警団を設立したのは私だからな。他の仕事に追われていて、あまり自警団としての仕事はできていないがな」
「なら、なんで『自警団』なんだ?領主が所属しているのなら非公認というわけでもないだろう」
「元々私以外にもこの領土の上層部の権力者は何人かいたんだが、そいつらに相談することなく勝手に構成した組織だからだな。その時の名残だ。まぁどの道あいつらは今はもう姿を消したことに加え、そいつらの血縁関係にあるものを自警団にそれぞれ合意の元集めた故、今となっては気にとめる程のことでもない」
そうして歩いているうちに目的地であった町工場に辿り着く。
僅かに開いていた錆び付いた鉄扉から中に入ると、天窓からは月光が差し込み、真っ暗な工場内を僅かに照らしていた。
「止まれ、誰かが居る」
声を小さくしてそう呼びかけるバアルに、僕らは揃って足を止めた。
「……悉く間が悪いね。君たちは。でも残念、もうここに残っていた情報は全部処分させて貰ったよ」
そう言うそいつは、声や風貌を見るに、昨日屋敷を襲撃した奴と恐らく同一人物。
僕らの目的を読んでいるかのような喋り方。もう自分がRebellion側だということを隠すつもりは無さそうだ。
「だとしても、お前はここから逃げられると思っているのか?数の差は明確、人員も精鋭が揃っている」
「まぁ、確かに逃げることはそこまで簡単じゃなさそうだ。不可能とも言えないけど。そうだね……。ここで少し君たちを脅かしておいた方がいいのかもしれない」
そう言って一歩前に進み出るそいつは、窓から差し込んだ月光で照らされ、その素顔が明らかになる。
「さぁ、覚悟しな」
大きく深呼吸するそいつを目の前に、僕らは何か途轍もないものが迫ってくる感覚に揃って身構え、固唾を飲んだ。
「結界構築」
その一言と共に、周囲の雰囲気が一変する。
「『遊園残夢』《メリー・ゴー・アラウンド》……展開」
そいつがそう言いながら構えをとると、その背後を中心に、周囲の景色が一気に歪み始める。
流れゆく景色を目で追っていると、軈て歪んでいたそれらはそれまでとは全く違った光景を生み出した。
辺りを見渡してみると目に入った光景はメリーゴーランドを中心としたアトラクション。俗に言う遊園地だろうか。
「最悪だ。よりにもよってこいつと対峙することになるとは……。ハルサ、聞け。目の前のこいつについて、分かっているのは七聖の中で最年少であることと、高度な結界術を使うこと、コードネームは『アウトレイジ』、暴聖の名を冠することのみだ。見た目の情報が一致することから恐らく本人で間違いない」
ただ佇み、僕らを見つめるそいつは、まるで話終わるのを待っているかのようだった。
「それに、結界術とは後から会得できても、その精度はほとんど才能で決定される。それ故に、高度な結界術は使用者の少なさもあり、対処法が知られていない場合が多い。そして今、私たちが飲み込まれたこの結界は構築した結界に『自分の形』を書き出したものだ。本人が持つ能力の内容は関連しない場合も多い。つまり、この結界内ではあいつの一存で発生する事象が決まる。だが、使用者本人に大きな損傷を与えれば結界が崩壊することがあり、それも解決策として活きてくるかもしれない」
「安心しなよ。本気で戦うつもりなんてないから。でも、君たちがあまりにも弱かったら、勢い余って殺しちゃうかもね」
その時、そう不気味に笑いながら告げるそいつの後ろにあったメリーゴーランドが少しづつ動きだしたのが確認できた。
錆びているのか、甲高い金属音を辺りに響かせながら回り出したそれを背に、そいつは狂ったように笑う。
「さぁ、開演だ!『限界を超えて』戦い合おうじゃないか!!」
お楽しみいただけましたか?
なんかめちゃくちゃ首筋が痛くて
では、次は第二十二審でお会いしましょう。




