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何でも屋に招かれた記憶喪失で妖刀使いの僕は、全ての依頼を切り刻もうと思います。  作者: 失踪 -Sisso-
第一部 『黎明奇譚 Restart The World』

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第十七審 『Moonlight』

失踪です。

ちなみに名前が判明しているキャラの中で一番身長が高いのはハルサです(180cm)

次点でグレイ(178cm)さらに次点でルナです(177cm)

バアルと二人で部屋を出て、音がした方向に走って向かうと、玄関周辺の壁が丸ごと吹き飛ばされ、すっかり暗くなった外から微かに月光が差し込んでいる。

そこにはそれに照らされる、ロングコートのようなものを羽織り、そのフードを被った小柄な人影がひとつ佇んでいた。

僕らはそいつの姿を確認すると同時に構え、少しの間様子を見ていたのだが、刹那にして目の前にあったはずのその姿が消える。


突然の出来事に、僕たちは周囲を見渡すが、気配すら感じとれない。

瞬きひとつせずに凝視していたはずなのに、消えるその瞬間を全くと言っていいほど確認できなかった。


「……戻るぞ、ハルサ」


それに小さく頷き、僕らは来た道を引き返し始めた。

狙いが領主本人であるなら、僕らに見向きもしないのは至極当然のことだ。

その可能性が大きいとなれば、僕らは引き返す他に選択肢はなかった。


「こういう場合、大抵この屋敷にある隠し部屋に身を隠すことが多い。合流を目指すならそこをまず当たってみた方がいいかもしれない。案内してやる、着いてこい」


足早に向かい、その隠し部屋の付近まで辿り着いたとき、走りながらではあるが、何らかの気配が接近していることに気がついた。

とてつもないスピードで迫ってくるその気配は、僕らを標的にしているのかと一瞬考えたが、そういうわけでは無いらしい。


刹那、その気配が向かっている方向などから、定めている標的は僕らではないことがわかる。まぁ、予想はできていたことではあるのだが。

しかし、まずい。このままでは間に合うかどうか……。

僕は舌打ちをしながら刀に手をかける。


「悪い、先に行く」


返事を待つ間もなく、詠唱と同時に抜刀、刀を構えたまま更にスピードを上げる。

紫色に発光する刀を振るい、目の前に現れた一見行き止まりに見える壁に勢いのまま体当たりして突き破ると、中に部屋のようなものが広がっているのが確認できた。

そこで目に入ったのは、僕らと同時に別の壁を壊して飛び込んできた、月光に照らされて黒い影のようになった何者かが、部屋にいる彼女らに飛び掛ろうとする様子。


スピードを緩めることなく、流れるように刀を振りかざし、そいつを切りつけた……つもりだったのだが。

そうしているうちに周囲を漂っていたオーブは消え去り、振り抜いた僕は彼女らとそいつの間に立つようにして立ち止まった。


「……今のを避けるか。大したものだな」


僕が先程振るった刀を回避する瞬間を、確かにこの目で見てしまった。

とても信じ難い光景ではあったが、目の前で起こった事実は流石に否定することはできない。


「下がれ……!」


続いて部屋に飛び込んできたバアルは拳を振りかざし、それはそいつに直撃したが、取り出された刃物にがぶつかる音と火花が散る。

一瞬周囲を照らした火花から見るに、恐らく一般的な大きさのナイフだろうか。

だが現在の状況は五対一。余程のことがない限りこの状況は覆ることは無いはずだが……。


「……変わってないね。誰かのために行動したがる癖は」


そんなことを言い残し、振り返って自分で開けた穴から外へ出ていこうとしたそいつの横顔は、差し込んだ月光に照らされ、一瞬ではあるが明らかになる。

逆光でそいつの姿は黒く染まっていたため、今まで気づかなかったが、その風貌(ふうぼう)には確かに見覚えがある気がした。


「おい!待て─────!」


そんな僕の言葉に聞く耳も持たず、そいつは夜の闇に一瞬にして姿を消した。


「お前、今のやつと知り合いなのか?」


「…………いや、分からない。どこかで会ったことがあるのかもしれないが……」


まぁ、僕には元の記憶などないため、覚えているわけが無いのだが。

崩れた壁の奥に広がる闇夜を眺めながら、僕は抱えていた刀を鞘に納めて大きくため息をついた。

お楽しみいただけましたか?

新たな刺客。ハルサと知り合いだったようですが、過去に関係がある人物なのでしょうか。


では、次は第十八審でお会いしましょう。

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― 新着の感想 ―
次々と強敵や事件が現れ、緊迫感のある展開の連続に引き込まれました。 荒廃した空気感と、常に危険が隣り合わせな世界観もとても魅力的でした。 ハルサのずば抜けた実力や戦い方もかっこよく、特に「第一拘束解除…
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