第十四審 『領主の護衛』
失踪です。
毎日投稿二週間達成。どこまで続くんでしょう。
建物の一階から外に出ると、既にほかのメンバーが待機しており、僕らを迎えた。
一部見当たらないメンバーもいるが、こうしてここに集まっているということは別段問題があった訳では無いのだろう。
「グレイ、生きてたんだな。てっきり死んだのかと」
「馬鹿言え、あの程度で死んでたらこの仕事は勤まんねぇよ。お前も俺があの場から居なくなった後、殺されたかと思ってたが、まさかあいつを追い返すだなんてな。とんでもない新人が入ってきたもんだ」
「まぁ、それはルナが応援に駆けつけてくれたからだろうな。僕は一度刀を振っただけだ。そんなことより、フレアはどうした。姿が見当たらないが」
「今は眠っている。下の方のフロアにもそれなりの実力者が紛れ込んでいたらしくてな。幸いなことにホタルと行動していたから命に別状はないそうだ」
「そうか。ちなみに、お前はあそこから落下してどうやって助かったんだ?」
「落下している最中に窓拭き用の足場が目に入ってな。そこにワイヤーガンを引っ掛けて近くのフロアに飛び込んで、なんとか事なきを得た。とにかく、今回はお前の手柄だな、ハルサ。もっと自信持てよ」
揶揄うようにそう言うそいつに背中を思い切り叩かれた瞬間、僕はその時生じた強い眩暈に蹌踉めき、地面と強く衝突した。
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数日後、昼頃に休憩所に寄ってみると、見慣れた顔ぶれが何故か揃っていた。
いくつかの会話が聞こえてくる中、自販機に小銭を入れてボタンに手を伸ばす。
取り出し口から缶珈琲を受け取り、壁に凭れかかりながら周囲をもう一度見渡すと、珍しい光景が視界に飛び込んでくる。
「……お前ら、いつの間にそこまで仲良くなったんだな。この前の任務で初対面じゃなかったのか?」
「うーん……。懐いて貰おうとしてた訳じゃないんだけど、あの任務が終わってからずっとこんな調子で……」
そう答えるエレオの膝の上にはエナが座っていた。やはりこいつは年齢に反して少し幼く見えるような気がする。
こいつもこいつで大変なんだな、と思いながら珈琲を一口啜った。
「そういえば、お前らは近衛塔での任務の時何をやってたんだ?」
「私たちは近衛局の人達と下の方のフロアを掃討してた。君やフレアが戦ったような精鋭はいなかったし、下っ端が集まってただけだったから大した問題もなく終わった。それと、上の方のフロアに近衛局の人員が向かわなかったのはルナの指示らしい。実際に十五階以降にはほとんどRebellionはいなかったみたいだし、結果的にルナの判断は正解。今回の任務、ルナにはどこまで読めていたんだろうね」
天井を見つめながらそう言うエレオを横目に、缶に残っていた珈琲を飲み干すと、入口付近から何者かが覗き込んできているのに気がついた。
「ハルサ、ちょっといいかい?」
噂をすればってやつか。
廊下から手招きする彼女を一瞥すると、僕は空き缶をゴミ箱に放り投げてその部屋を後にした。
そして彼女に着いていくと会議室にたどり着き、いつものようにルナと対面するが、ここ最近僕個人で呼び出されることがあまりなかったため、変に勘ぐってしまう。
「で、どうしたんだ急に呼び出して。また仕事の依頼でも来たのか?」
「御明答。勘が鋭いね。君が言う通り今回も任務が舞い込んできたわけなんだけど、いつもと違ってかなり特別な任務だよ。何せ依頼主様は『君』をご所望らしいからね。恐らく先日の任務での活躍を見兼ねてって感じだと思う。ちなみに、この任務の内容は口外しないように頼むよ」
嫌な笑みを浮かべながらそう述べる彼女は、軈てその一言を口にした。
「今回舞い込んできた任務は、ズバリ、『樺 セラム』の護衛。つまりは領主様の護衛だ」
お楽しみいただけましたか?
第一章はここまで。
後書きには分かりづらかったシーンの説明とかを乗っけてる場合があるので、確認しておくといいことがあるかもしれません。
では、次は第十五審でお会いしましょう。




