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何でも屋に招かれた記憶喪失で妖刀使いの僕は、全ての依頼を切り刻もうと思います。  作者: 失踪 -Sisso-
第一部 『黎明奇譚 Restart The World』

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第十審 『近衛塔奪還作戦』

失踪です。

毎日投稿十日間達成しました。調子がいいのか悪いのか分かりづらすぎますね。モチベはずっと一定です。

僕らは足早に部屋を出て、彼女らのあとについて会議室に向かった。


「すまないね、急に呼び出して。今から現地に向かえる人は全員今から指定した場所に向かってもらうよ」


会議室にたどり着くと、ルナはいつもと変わらない様子で僕たちを迎えた。

掲示されていた地図を指差しながら、その任務について説明し始める。


「ノーヴェル領の中心部にある近衛塔(このえとう)が正体不明の集団によって占拠されてしまったらしい。君たちにはこの場所の奪還を近衛局と共に行ってもらいたい。私の予想だけど、恐らく『例の組織』が絡んでる。でも、奪還の対象が近衛塔ってこともあるから、あまり任務に時間はかけられない。幹部と思しき人物と遭遇したら、決して無理はしないこと。命が惜しいならこれを守りな。今回は私も出向くから、長くて十五分、それまでに準備して来ること。遅れないようにね」


僕らは同時に返事をして、足早に会議室をあとにした。

準備することなどほとんど無いが、一応自分の部屋から斧だけ取ってくることにしよう。



月夜。

月光の照らすその場所は、ごった返した人々の声が絶えず聞こえてくる。

声をかけてきた近衛局の職員と思しき装いの人間に案内され、建物の入口までたどり着いた。

そこには既に、周囲の職員とは違った雰囲気を醸し出す何者かが佇んでいる。


「おや、もう来てたのかい。随分早かったね」


「逆だ、遅かったな。お前ら」


そこにいたのは見覚えのない一人の男。

落ち着いた様子でルナと会話するそいつは、僅かに口角を上げながら答えた。


「とにかく、何か策はあるのか?」


「相手の手の内が分からない以上、私から何か言うことは出来ない。今回は一旦フロアの捜索をしなきゃならないから、それぞれの行動隊混合でいいからペアに別れて貰うよ」


そう声がかかると同時に全員近くのメンバーとペアを組み始め、僕は流れでその男とペアを組むことになった。

ルナはそれぞれのペアに担当の階を伝えていき、僕たちを目の前にすると少し悩む素振りを見せる。


「君たちのペアか……活躍に期待して十六階から屋上をお願いしてもいいかな」


「また勝手な……。お前、名前は」


「ハルサだ。それ以上のことは何も分からない」


「あぁ、お前が。噂には聞いていたが、こうして目にするのは初めてだな。俺は『(すめらぎ) グレイ』だ。よろしく」


そう言って差し出された手を取り握手を交わすと、ルナが再び周囲に呼びかけ始める。


「君たちの端末に建物内の地図を送っておいたよ。潜入し次第、指定した階へ階段で移動してほしい。その階の安全確認ができたら随時連絡するように」


全員が返事をすると同時に、順番に建物の中に入っていくが、グレイと名乗ったそいつは(いぶか)しげに建物を見上げて静止している。

僕も同じように見上げてみると、足場のようなものが目に入った。窓の掃除かなにかに使っていたものだろうか。


「ルナ、先に行っててもいいか?」


「いいよ」


「え?」


目にも止まらぬ早さで脇に抱えられた僕は、間もなくして瞬く間に地面から遠ざかっていった。



窓を砕き、腕から降ろされた僕は周囲を見渡すと、視界に映るのは薄暗い施設の廊下……。

どうやらもう目的のフロアに到着しているようだった。


「急に悪かったな。動けるか?」


そいつが片手に持っていたのは銃のようなもの、ハンドガンのようだがピストルとは少し形が違う。

……ワイヤーガンのようなものだろうか。便利なものを持ってるんだな。


立ち上がる僕を横目に、そいつはフロアの奥へと進んでいく。僕もそのあとについて歩いた。

(やが)て十字に道が分かれている場所に出たため、一度足を止めて周囲を見渡してみる。


「パッと見人は居ないように見えるが……」


「……監視カメラがあるな。どこかで映像を確認出来れば手間が省けるんじゃないか?」


「なるほどな、セキュリティルームは……」


そう呟きながらグレイが端末で地図を確認し始めた瞬間、道の奥で何者かが武器を構えているのが視界に飛び込んできた。

咄嗟にグレイを庇うように動いた僕は飛来した矢を弾き返し、そのままそいつがいる方向へと駆け出す。

僕に向けて放たれる二発目の矢を回避し、振りかざした斧がそいつの頭部を殴打した。

足が(もつ)れたそいつの腹部を蹴飛ばし、気を失ったことを確認すると、一度大きくため息をついて彼の様子を確認する。


「こっちみたいだ。行こうぜ」


……まるで何も無かったかのように振舞っているが、どういうつもりなのだろうか。

あいつが居ると知った上で動かなかったのか?

まぁ、考えたところで分かりやしない。

再びため息をついて、僕は彼を追って角を曲がった。


そうしてセキュリティルームに辿り着き、監視カメラの映像を確認してみるが……。


「見当たらない……か。どこかに隠れているのかもな。このフロアにいるのがさっきの一人だけなんてこともありえないだろう」


「さっきのは気づいてたのかよ……。これ、他のフロアの映像は見れないのか?」


「そうだな、十九階までならってところだ。屋上の映像は、普段なら見れていたんだろうが、今は砂嵐しか映っちゃいない。カメラを壊されてたりするかもな」


それらも確認してみるが、十九階までの様子はこのフロアとさほど変わらかかった。

状況的に、有象無象を率いているリーダーのような者がどこかにいると思っていたのだが、これを見るにいるとするのなら屋上だろう。


「屋上を優先した方がいいな。上のフロアに急ぐぞ」


それに無言で頷き、僕らはセキュリティルームを後にして階段へ向かった。

お楽しみいただけましたか?

男だ、ようやく出てきました。

組織内の男性は今のところ二人しか出てきてませんが、将来的に何人くらい出てくるんでしょうか。


では、次は第十一審でお会いしましょう。

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― 新着の感想 ―
記憶喪失のハルサが、なぜここまで戦えるのか、そして妖刀や能力にどんな秘密があるのかが気になって、一気に引き込まれました。 Better Tomorrowの面々も個性が出てきて、会話の空気感がいいですね…
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