第3章:遠隔刺激による夜通しの作業配信
午前二時。カメラのレンズが照らし出すのは、整えられたデスクに向かう咲良の胸から上の姿だけだった。
ゆったりとした白いカーディガンを羽織り、真面目なイラストレーターとしての装いを崩さない。だが、その服の下——下着を履かずに直に触れる椅子のシートと、体内の深い秘所には、神谷から与えられた冷ややかなシリコンの物体が深く埋め込まれていた。
「みなさん、こんばんは。今夜も締め切りに向けて、朝まで作業配信をしていきますね」
配信ボタンを押し、マイクに向かって穏やかに微笑みかける。
画面の脇に流れるコメント欄には、すでに夜更かしの視聴者やショートスリーパーに興味を持つ人々が群がり始めていた。
『咲良さん今夜も配信助かる』
『本当に全然寝てなくてすごいな』
『体調気をつけてね』
配信開始から二時間が経過した午前四時過ぎ。魔の時間がやってきた。
脳の奥がズキズキと重く痛み、視界の端がぐにゃりと歪み始める。強烈な睡魔の波が、意思の堤防を軽々と超えて襲いかかってきた。ペンを持つ指先から力が抜け、まぶたが鉛のように重くなる。
(ダメ……意識が飛ぶ……っ)
カクンと首が傾きかけた、その瞬間だった。
――ッ!
体内の深い場所で、バイブが狂ったような激しい高周波振動を開始した。
唐突で苛烈な粘膜への突撃に、咲良の背筋が跳ね上がる。
「んぁっ……!? あ、ふぅっ……!」
とっさに口元を手で覆い、漏れ出しかけた嬌声を力ずくで喉の奥へ押し戻した。
画面の向こう、神谷がアプリを操作しているのだ。遠隔操作のUI上で、出力を最高レベルまで跳ね上げたに違いなかった。
『咲良さん? 急に顔赤くなった?』
『なんか表情艶めかしくないかw』
『これが限界を超えた集中状態ってやつ?』
コメント欄がザワつき始める。だが、咲良にはコメントを読む余裕など微塵もなかった。
体内で激しく脈打つモーターが、敏感なゾーンを容赦なく擦り上げ、刻み込んでいく。あまりの鋭利な快楽に、脳の睡魔が一瞬で吹き飛び、代わりに灼熱のアドレナリンが全身の血管を駆け巡った。
「っ……あ、大丈夫です……。ちょっと……集中が、深まってきて……っ」
荒くなる息を必死に整えながら、震える手でペンタブレットにペン先を走らせる。
体内から押し寄せる絶頂の波を押し殺すたび、瞳には涙が浮かび、頬は朱に染まり、吐く息は熱を帯びて白く湿っていった。太ももを固く締め合わせても、溢れ出る愛液が椅子のクッションにじわりと染み込んでいく感覚がわかる。
神谷の遠隔操作は悪魔的だった。
波が引いたと思わせて油断させた瞬間に、強烈なランダム振動を叩き込んでくる。咲良はそのたびに腰を浮かせかけ、歯を食いしばってアヘ顔になりかける顔を必死に手で隠した。
「はぁっ……っ、ふぅ……ッ!」
苦痛と快楽が未分化のまま脳に雪崩れ込み、全身の神経が焼き切れるような錯覚。
しかし、画面の向こうの視聴者たちには、それが「超人的な不眠状態で凄絶な絵を描き続ける美しき天才の姿」に見えていた。
『集中力エグすぎるだろ』
『なんかゾーンに入った咲良さんエロい……』
『投げ銭するわ、朝まで頑張って!』
チャリン、とスパチャの高音な効果音が鳴り響く。
激しい性的絶頂と、世界中から注がれる賛美の視線。二つの強烈な毒が混ざり合い、咲良の脳内で極上の快楽物質へと変換されていく。
(すごい……寝てないのに、私、描けてる……! みんなが見てる……っ!)
股間から伝わる激痛に近い歓喜に身を震わせながら、咲良は朝露が降りるまで、一度もペンを止めることなく画面の前で喘ぎ続けた。




