リゼ お披露目会準備
誘拐されたお姫様が孤児院で呪われた娘と馬鹿にされながらも、王女の地位を取り戻し、母を殺し自分を誘拐した犯人をスカッと退治しちゃうお話です。
リゼが大公邸でのんびりと過ごしている間に、シオンの皇室復帰と
リゼのプリンセス称号授与は滞りなく行われたようだ。
というのも、シオンが過保護すぎて皇宮に行くことさえ許さなかったからだ。
そのうえリゼには護衛が付くことになった。
もうすぐリゼも学院に通うようになるので、
侍女や近習も兼ねた護衛となる。
年齢も同じ10歳。それでもう働くのかとリゼは感心したが、
どこの国でも10歳となれば見習いとして働き始めるものだ。
10歳を子供扱いして学院で学ばせるなど、
他の国からしたら贅沢なものだという評価になる。
シオンは大公位をもらった時に専用の護衛隊を持っている。
護衛隊長ヴォルフ・ブルクがひとりの少年を紹介した。
「リゼ姫 これが息子のベルクです。
こう見えて炎の魔術はかなりのものです。魔力の顕現は5歳。
それからしっかり鍛えております」
ガハハハッと豪快に笑うヴォルフ・フォン・ブルクと
ベルク・フォン・ブルクは誰がみても親子だと思うだろう。
真っ赤な髪に、がっしりとした体つき。
ベルクなんてとても10歳には見えない。
脳筋かな?リゼはこっそりそんなことを考えた。
「よろしくね、ベルク。頼りにしているわ」
としとやかに声をかける。
とたんにベルクはその髪色よりも赤く頬を染めた。
扱いやすそうな子ね。リゼは軽く視線を隣に向ける。
濃紺の髪を肩口で切りそろえ、ベルクと同じ騎士服を着ているが、
たしか侍女のはずである。
「この子は家令の娘でミーナ。家事全般をこなしますし、
水魔法が得意です。
ベルクと同じころに魔力が顕現したので、
ベルクと一緒に騎士団で鍛えておりました。」
「女の子がいると心強いわ、ミーナこれからよろしく」
ミーナはニコリともせずに生真面目な顔で
「誠心誠意姫君にお仕えいたします」
と頭をさげる。
こっちは融通が利かなさそうだなあ。
リゼはちょっと残念だった。
子供たちの挨拶を見守っていたシオンは
「ふたりとも信頼できる。安心していいよ」
とリゼに笑顔をむけると真面目な顔になった。
「学院が始まるまで2週間しかない。
入学式の前日に皇宮でアーサー皇子とリゼのお披露目がある。
そこでは今年10歳になった子供たちも披露されるから、
当然ミーナとベルクも参加することになる。
これが最初の公式行事だ。
緊張する必要はないが、準備は念入りに行うように」
「私はリゼと話がある。皆さがれ」
何か話があったっけ? リゼが怪訝な顔をしていると
「リゼ お披露目まで2週間だ。
一応いくつかのドレスは仕立ててあるから、選びなさい。
お直しも必要だからな。最低3着は選んでおくように。
当日なにがあってもよいように。大丈夫。私も同席するからな」
シオンがそう言うと待っていましたとばかりに
トルソーに着せられたドレスが、どんどん運びこまれていく。
ちょっと待って。
トルソーだけで30体はありそうだけれど、
その後ろでハンガーにかけられている服は100を超えていそう。
リゼはちょっと眩暈がした。
この屋敷に来た時も、この何倍ものドレスの海を見せられたのに。
一度のパーティーでこんなに用意するなんて。
しかも侍女たちまで、リゼを取り囲みああでもない、
こうでもない、と大はしゃぎだ。
「お父様、身体は一つしかないのですから、
こんなに沢山は必要ありませんわ」
リゼの抗議は前回と同じようにスルーされた。
まぁ知ってたけどね。
それよりもリゼが気になるのはアーサーのことだ。
従兄弟だというのに、まだ一度も顔を合わせていない。
そういえば5歳のころも、あまり会うことがなかった。
リゼは3歳ですでに魔力を顕現し天才だと噂されていた。
しかしアーサーはリゼが5歳のころも魔力に目覚めていなかったはずだ。
本来魔力は12歳ぐらいで目覚めるものだから、
なにも遅いわけではないのだが、
皇族が10歳の試しの儀で魔力に目覚めるのは、あまり聞かない。
魔力が多いと目覚めるのも早いものだからだ。
「お父様、アーサーはどうしているのですか?」
「心配いらない。お前と同じように試しの儀で魔力が顕現したからな」
なるほど。リゼも試しの儀で’魔力が目覚めたことになるのか。
確かに幼いころの事を知るのは大貴族ぐらいのものだろう。
アルファポリスでも、投稿してきましたが、シリーズにしたくてこちらにも投稿させて頂きます。
アルフェ大陸にある4つの国。
その過去や未来。時空を超えてお話を紡いでいきたいと思っています。
例えばあの主人公の過去は?
とか、亡くなった祖母はどんな人だったとか。
未来の子供達の物語などです。
よろしくお願いいたします。




