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レベルアップする世界 ーこの世界はレベルを上げなければ生き残れない。ー  作者: レモンティー


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第六話:竜哭の塔

巨大な塔は、昨日まで何もなかった丘に突然現れた。

黒い石で築かれたその構造物は雲を突き抜け、頂上は見えない。

近づくだけで、空気の密度が変わる。

入口には金色の文字。

ダンジョン《竜哭の塔》

推奨レベル:15〜30

全50階層

「ここでレベル30まで上げる」

九条 貴教は黒曜の剣を抜き、一歩踏み出した。

第一階層

一歩目から、世界が変わった。

広がっていたのは草原。

塔の内部とは思えない、異常なほど“自然な世界”。

「……異空間か」

その言葉と同時に、草が揺れる。

次の瞬間。

十数体の影が飛び出した。

ウインドウルフ Lv.16

「多いな……!」

だが九条は動じない。

剣を一閃。

シュンッ!

風が裂ける音と同時に、三体が同時に崩れ落ちる。

剣術 Lv.3 → Lv.4

レベルアップ! Lv.15 → Lv.16

「やっぱり強い敵の方が早い」

数分後。

最後の一体が消えた瞬間、地面に階段が浮かび上がった。

第五階層

空気が変わる。

灼熱。

視界が揺らぐほどの熱気。

「環境ダメージか……」

岩陰が爆ぜる。

現れたのは巨大なトカゲ。

フレイムリザード Lv.20

火球。

回避。

踏み込み。

「はぁっ!」

黒曜の剣が赤い鱗を裂く。

弱点命中

モンスターは光へと崩れた。

その瞬間。

九条の視界に文字が流れる。

新スキル獲得

《火耐性 Lv.1》

「環境に適応してる……」

九条は理解する。

この塔は“敵を倒す場所”ではない。

戦うことで、自分を変える場所だ。

第十階層

扉の前で足が止まる。

空気が重い。

「ボス階層か」

九条は深く息を吐き、扉を押した。

中にいたのは──人型だった。

黒い鎧。

長剣。

そして、静かな気配。

黒騎士アルド Lv.25

「人間……?」

九条の呟きに、騎士は反応する。

「挑戦者よ」

初めて、敵が“言葉”を持った。

「我を越えて進め」

次の瞬間。

消えた。

「っ──!」

キィィン!!

剣と剣が激突する。

衝撃で空間が震える。

速い。

正確。

無駄がない。

(強い……!)

九条のHPが削られる。

HP:210 → 168

だがその最中、視界が変わる。

スキル進化条件達成

剣術 Lv.5 → 剣聖術 Lv.1

黒曜の剣が青く光る。

「進化……だと?」

黒騎士が一瞬だけ止まる。

「その力……」

「待っていた」

その声には、敵意ではない“確信”があった。

騎士は剣を構える。

「最後の一撃だ」

九条も剣を構える。

静寂。

呼吸が消える。

世界が止まったような感覚。

そして──

二人は同時に踏み込んだ。

閃。

青い光が空間を一直線に走る。

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