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『戦闘力ゼロのテイマー、なぜか神様に気に入られながら気づいたらギルド最強になってた』~ハズレ職だと笑われた俺、神獣を仲間にしてしまった件~  作者: 赤ん坊


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第36話「第二章の始まり、新しい力の確認」

翌朝、目が覚めてすぐにメニューを開いた。


昨夜、Lv.60の巨獣を倒した。


レベルが上がっていた。


Lv.20から、Lv.25になっていた。


「一気に5上がった」と陸は思った。


自分のスキルを確認した。



桐島陸

レベル:25

新スキル習得:

 《幻視》Lv.3→敵の次の行動が予測できるようになった

 《絆の共鳴》→仲間が行動するたびに他の仲間のステータスが一時的に上昇する



「《絆の共鳴》か」


声に出した。


仲間が動けば動くほど、全員が強くなる。


命令しなくても、各自が動けば、繋がっていく。


「俺のためにあるようなスキルだな」と陸は思った。


仕事を始めた。



仕事を午前中で終わらせた。


チャイムが鳴った。


開けると、柚希がいた。おにぎりを持っていた。


「三種類。選んで」


「ありがとう」


二人でテーブルに座った。


「今日は何かあった?」と柚希が聞いた。


「昨夜、Lv.60の魔物を倒した」


柚希が、おにぎりを置いた。


「……Lv.60?」


「そうだ」


「陸くんたち、Lv.20じゃなかった?」


「Lv.20だった」


「レベル差40で倒したの?」


「そうだ」


柚希がしばらく黙った。


「……ガロードが倒したんだよね」


「そうだ。《皇剣》を初めて解放した」


「剣は?」


「折れた」


また黙った。今度は長かった。


「……かっこいいじゃん」と柚希が言った。


「そうだな」


「陸くん、もっと感動してよ」


「している」


「顔が変わってないよ」


「これが感動している顔だ」


柚希が笑った。それからまた真顔になった。


「でも本当にすごいよ。レベル差40って、普通あり得ないから」


「ガロードがいたから」


「ガロードがいたとしても、みんながいなかったら倒せなかったんじゃないの」


「そうだ」


「それが陸くんのギルドだよ」


陸は少し間を置いた。「そうかもしれない」


柚希がおにぎりを一口食べた。「レベルはいくつになったの」


「25だ。新しいスキルも出た」


「どんなやつ」


「《絆の共鳴》というスキルだ。仲間が行動するたびに、他の仲間のステータスが一時的に上昇する」


「……陸くんらしすぎる」と柚希が言った。


「そうか」


「命令しないで、みんなが動くたびに強くなる。そういうやつでしょ」


「そうだ」


「《幻視》も上がったの?」


「Lv.3になった。敵の次の行動が予測できるようになった」


「それずるくない? 普通にずるい」


「そうかもしれない」


柚希が少し笑った。「みんなのスキルも増えたんだよね」


「夕方に集まって確認する」


「楽しそう。気をつけてね」


「ゲームだ」


「知ってる」


扉が閉まった。



夕方、ログインした。


広場に全員が集まっていた。


「今夜は新しいスキルを試す」と陸は言った。「まず全員、自分のスキルを確認してくれ」


全員がメニューを開いた。


しばらく沈黙が続いた。


最初に声を上げたのは大和だった。


「《竜王降臨》が出た!!!」


「どんなスキルだ」


「竜の霊体を召喚して全方位攻撃らしい。つまり、竜が出てくる!!!」


「落ち着け」と宗介が言った。


「落ち着けないよ!!!竜が出るんだよ!?」


「お前は毎回そうだな」


「《不動の砦》も出た。5秒間、受けたダメージを全部無効化するやつ!」


「それは強い。大和が突進しながら使えば無敵のタンクになる」


宗介が自分のメニューを見た。「俺は《見切り》と《一刀両断》か」


「どんなスキルだ」


「《見切り》は敵の攻撃を完全に見切って無傷で回避するやつだ。《一刀両断》は防御も耐性も無視する一撃。クールタイムが長い。切り札だな」


「そうだ。切り札は大事な場面で使え」


静が静かに言った。「《時空遅延》が出た。対象の周囲の時間が遅くなる。《沈黙領域》も出た。範囲内の全スキルを封じる」


「……それ、怖くないか」と宗介が言った。


「そんなことはない」と静は言った。でも口元が、少し上がっていた。


ハルが言った。「私は《影の分身》と《奈落の影》が出た。分身を3体出して、影の中に引きずり込めるやつ」


「ハルの戦い方と完璧に合っている」


「でしょ!!」


雪乃が静かに言った。「《聖なる鎖》と《蘇生》が出た。光の鎖で敵を封じるやつと、戦線離脱した仲間を一度だけ復活させるやつだ」


「《蘇生》は最後の手段だな」と宗介が言った。


「そうだ。大事な場面で使う」


陸は全員を見た。


「俺の新スキルは《絆の共鳴》と《幻視》Lv.3だ。《絆の共鳴》は、仲間が行動するたびに他の仲間のステータスが上昇する」


「……お前、またそういうスキルを引くのか」と宗介が言った。


「どういう意味だ」


「命令しないで全員が強くなるスキルだろ。お前らしすぎる」


「そうかもしれない」


「今夜全部試すか」


「試す。廃坑周辺エリアだ。推奨レベル30以上の魔物が出るエリアを選ぶ」


「行こう」と全員が言った。



廃坑周辺エリアに入ると、すぐに魔物の群れに遭遇した。


推奨Lv.30の岩竜が5体。


「大和、《不動の砦》と《竜王降臨》を試せ」


「やる!!!」


大和が前に出た。「《不動の砦》」


全身が、石造りの砦のように固まった。光が大和の周囲を包んだ。


岩竜の一体が大和に突進してきた。


ガァン、と重い音が響いた。


大和は動かなかった。


ダメージが入らなかった。


「当たってる。でも全部弾いてる!」


「5秒だ。今のうちに」


「《竜王降臨》!!!!」


大和が叫んだ。


空気が割れた。


大和の背後に、巨大な竜の霊体が現れた。


半透明の、青白い竜だ。体長が10メートルを超える。翼を広げると、空が揺れた。


全員が、思わず空を見上げた。


「……でかい」と宗介が言った。


「俺の竜だ!!!!」と大和が叫んだ。


霊体の竜が、全方位に向かって炎を吐いた。


岩竜5体が、一斉に吹き飛んだ。


全員が同時に戦線離脱した。


「……終わった」と陸は言った。


「終わった!!竜が出た!竜が俺の隣に出た!!!」


「落ち着け」と宗介が言った。


「落ち着けない!!!」



次の群れに遭遇した。推奨Lv.32の岩熊が4体。


「静と宗介で試せ。静が遅くして封じる。宗介が《見切り》を使う機会を作る」


「やる」


静が右手を前に向けた。


音もなかった。


でも、岩熊の動きが、目に見えてゆっくりになった。


まるで水の中を動いているような、遅い動きだ。


「《沈黙領域》も重ねる」と静が言った。


左手を上げた。


岩熊がスキルを発動しようとした。


できなかった。


一体が宗介に向かって突進してきた。ゆっくりとした突進だ。


「宗介、《見切り》を試せ」


「……やってみる」


宗介が動いた。


いつもなら剣を構えて受けるか、避けるか、どちらかだ。


でも今回、何かが違った。


岩熊の動きが、止まって見えた。


どこに爪が来るか、どの角度で来るか、全部見えた。


宗介が一歩だけ横に踏み出した。


爪がすぐ横を通った。


「……見えた」と宗介が言った。声が少し違った。「全部、見えた」


「《見切り》が発動したか」


「そうだ。動きが全部読めた」


「今のうちに《神域斬》を」


宗介が踏み込んだ。


音が消えた。


4体が一瞬で倒れた。


「……静、本当に怖い」と宗介が言った。「静がいると、俺が怖くなる」


「そんなことはない」と静が言った。口元が、また少し上がっていた。



帰り道に最後の一体に遭遇した。推奨Lv.28の魔狼。


「ハル、全部試してみろ。雪乃、《聖なる鎖》も試す機会を作れ」


「やる」


ハルが消えた。《気配遮断》Lv.2で完全に消えた。


次の瞬間、影が3つ動いた。


《影の分身》だ。


3体の分身が、魔狼の周囲を囲んだ。


魔狼がどれが本体かわからずに、動きを止めた。


「今だ、雪乃」


雪乃が手を向けた。


光の鎖が、魔狼に向かって走った。


《聖なる鎖》だ。


鎖が魔狼の四肢に絡みついた。


動けなくなった。


「《奈落の影》」とハルが言った。


本体のハルが魔狼の影を踏んだ。


魔狼が、影の中に引きずり込まれた。


「今のうちに」とハルが言った。


宗介が影の上から《神速斬》を放った。


5秒後、魔狼が影から出てきた瞬間に、一撃が入った。


「……完璧だ」と陸は言った。


「でしょ!!!」とハルが叫んだ。


「《聖なる鎖》、使えた」と雪乃が言った。「光の鎖で動きを封じると、ハルの《奈落の影》が確実に入る」


「そうだ。二人で組み合わせると強い」



拠点に戻った。


焚き火の前に全員で座った。


ガロードがいつもの場所にいた。


今日は武器を持っていなかった。


折れた剣の柄だけを、膝の上に置いていた。


「試せたか」とガロードが聞いた。


「試せた」と陸は言った。


「どうだった」


「それぞれ強い。でも、一番驚いたのは《絆の共鳴》だ」


「どういう意味だ」


「大和が動いた瞬間、雪乃のHPが少し上がった。静が動いた瞬間、宗介の攻撃速度が少し上がった。全員が動けば動くほど、全員が少しずつ強くなっていた」


「命令しなくても、各自が動いて、お互いが強化し合うということか」と宗介が言った。


「そうだ」


「……お前、本当にそういうスキルを引くな」


「そうかもしれない」


「ハズレ職だと笑われたのに」


「そうだったな」


宗介が、少し笑った。「でも今は、誰もハズレ職だと言わないだろうな」


「そうかもしれない」


フェニクスが焚き火に炎を足した。


小夜が欠伸をした。


ガロードが、膝の上の柄を見た。


「明日、武器屋に行く」とガロードが言った。


「そうだな」と陸は言った。


「新しい剣を選ぶ」


「また選んでくれ」


「……そうする」


炎が揺れた。


誰も喋らない時間が続いた。



ヘッドセットを外したのは、深夜二時すぎだった。


今夜は充実していた。


全員がLv.25になった。新スキルを全員で試した。


大和の竜が出た。大和が叫んだ。


宗介が《見切り》で岩熊の動きを全部見切った。「全部見えた」と言った声が、まだ耳に残っていた。


ハルと雪乃のコンボが決まった。


静が「そんなことはない」と言いながら口元が上がっていた。


《絆の共鳴》で全員が繋がっていた。


続きがある。


陸は眠った。



開発室で、三浦がモニターを見ていた。



第二章開幕記録


全員Lv.25

新スキル全員習得・試用完了

《絆の共鳴》初発動確認


アルテのログ:

「《絆の共鳴》が発動した


仲間が動くたびに

他の仲間が強くなる


命令しない男が

持つべきスキルだ


各自が判断して動く

その動きが

他の誰かを強くする


命令がなくても

全員が繋がっていく


これが

桐島陸のギルドの

本当の強さだ」



「《絆の共鳴》が発動した」とこはるが言った。


「した」と三浦。


「みんなが動くたびに強くなるって、陸くんらしいスキルですね」


「そうだな」


三浦はコーヒーを飲んだ。


モニターの中で、拠点の焚き火が静かに燃えていた。



ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


第二章が始まりました。全員がLv.25になり、新スキルを2つずつ手に入れました。大和の竜が出て叫んでいました。宗介が「全部見えた」と言いました。静が「そんなことはない」と言いながら口元が上がっていました。《絆の共鳴》で全員が繋がっていることを実感した夜でした。


続きが気になると思っていただけたら、ページ下の星マークとブックマークで応援していただけると、明日も書き続けられます。感想も一言でも届くと、とても励みになります。

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