↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
そんじょそこらにいない普通の人  作者: 城日ひろし
第3章 そんじょそこらにいない普通の家族(1)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/74

3-11 狭窄

S判定の検体を手に入れた。

美晴に歓喜する余裕はなかった。

来年四月までに、結果を出さなければならない。

まだ、入口にたどり着いただけで、血液から得られる情報だけでは足りない。


美晴は検体主に会う必要があった。

過去に否定された論文の評価を覆すために、詳細な検査を行う必要があった。


どうすれば接触できるかと考える美晴は、過去に所属していた『異能力研究室』時代のことを思い出す。

大学の教授が、ライバルの教授の弱みを握るために必死に動いていた。

とある探偵業者に素行調査を依頼していたことを、美晴は覚えている。


当時の美晴はそんな教授を見下し、軽蔑さえしていた。

そのことさえ忘れて、意識は検体主に会うことだけに向かう。

胡散臭いとみなしていたその業者に連絡を取った。


美晴は自分の行いを正しいと思っている。

目的以外のことを、考えなくなっていた。

採血に参加した時から、美晴の道徳心は少しずつ壊れていった。


*


採血スタッフの仕事を終え、美晴は久しぶりに病院業務に戻る。

執務室で溜まったメールを処理していく。


美晴のスマホに着信が来る。


「はい」

『先生、頼まれてた調査の件、今メールで送らせてもらいました』


スマホを持ったまま、片手でパソコンを操作する。

件(くだん)のメールを開いた。


「随分、長いわね。お願いした以上の情報なんだけど……」

『初回サービスというやつですよ』

「四条真理亜(しじょうまりあ)、二つ上の姉がいるのね」

『交友関係も拾っときました……ターゲットのは皆無でしたが』

「沢渡美樹(さわたりみき)、四条真理亜の友人……」


美晴は調査結果を流し読む。


「情報ありがとう。今後も何かの時はお願いするわ」

『報酬次第でどんな情報でも調べますんで、今後もご贔屓に』


美晴は電話を切って、立ち上がった。

検体主の連絡先と住所が判った。

それからの美晴の動きは早かった。

美晴はマンションの410号室の前に立っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。