2-18 大事な友達だから
ピンポン
皐月は赭莉の家のチャイムを鳴らした。
ピンポン
二度目のチャイムを鳴らす。
しかし、家の中からの反応はなかった。
「赭莉、部活に出てるのかな?」
皐月は諦めて自宅に足を向けた。
「渡辺さんに部活に出てるか聞ければ良かったな」
「皐月ちゃん」
「あっ、赭莉のお母さん」
「久しぶりね。どう、家にあがっていかない?」
「……はい」
皐月は、高坂家のリビングに通された。
「赭莉はまだ部活から帰ってないみたいね」
赭莉の母は、皐月の前に冷えた麦茶を出して言った。
「部活、行ってるんでしょうか?」
「あら、違うの?」
「赭莉が最近、部活出てないって聞いて」
皐月は出されたお茶を一口飲む。
赭莉の母は皐月の向かいに座った。
「そうなの? でも、帰りは部活の時と同じ時間だったけど」
皐月は頷き、話を始める。
「おとといなんですけど、バスケ部の子にもう何日も部活に出てないって聞いて。その前から赭莉、元気ないと思ってました」
「ここ最近、元気がないなとは私も思ってたけど……」
赭莉の母も麦茶を一口飲む。
「教えてくれてありがとう」
「いえ、お礼を言われるほどのことじゃないです」
「でも、ありがとう。心配して来てくれたのね」
「それは、大事な友達だから」
「でも、どうしちゃったんだろうね、赭莉」
「それは……、先月、私が保健室に運ばれた時からじゃないかと思うんです……」
その後、皐月は一カ月前の記憶を語った。
「そんなことがあったのね」
「私、何かしちゃったのかな……」
皐月はぽつりとつぶやいた。
「皐月ちゃん……」
一度言葉を止めた赭莉の母は、話を続ける。
「皐月ちゃんのせいじゃないわ。私がこのところ赭莉と話せていなかったせいかもしれない」
「元気な赭莉に戻って欲しいんです。でも、どうしたらいいのかわからない」
「心配しないで。今晩、しっかり赭莉と話してみるから」
赭莉の母は悩む皐月を励ました。




