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そんじょそこらにいない普通の人  作者: 城日ひろし
第2章

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2-08 ちょっと聞いていい

学校への道を戻ること数分、学校の校門が見えてきた。


空翔は立ち止まる。


今できることが何かあるはず。

そう思って引き返したものの、具体的なアイデアがあったわけではない。

それでも何も行動しないうちから「明日にしよう」とはならなかった。


再び校門に目を向けると、校門から見知った少女が歩いてきた。

少女は新田皐月(にったさつき)であった。

空翔は意を決して皐月に声を掛けた。


「こんにちは」

「えっと……あれ、隣の席の人?」

「四条空翔です。ちょっと聞いていい」


空翔は、一拍置いて柔らかな口調で話を続ける。


「高坂さんが部活休んでいる話を聞いて、話したいことがあるんだ」

「話したいこと?」

「うん、ぼくにとって大事なことなんだ」


皐月は黙って空翔を上から下まで見る。

皐月は再び空翔の顔を見ると、赭莉のことを話し出した。


「今日も部活行かずに帰ったって……」

「うん、会って話したかったけど、もう帰った後だった」


「体調不良かと思って心配してるんだけど……」

「うん、気持ちも沈んでるのを感じた」


「赭莉は幼馴染で大事な親友なんだよ……」

「うん、新田さんは高坂さんを助けてあげたいんだね」


今度は初めて、空翔から話を切り出す。


「高坂さんの家、教えてもらっていい?」


皐月は素直に赭莉の自宅を教えた。


「ありがとう」

空翔はそう一言返して先に進む。


「四条君って不思議な人。聞かれてないのに、色々話しちゃった」

残された皐月は、一人つぶやいた。


(なぜだろう。少しだけ、懐かしい感じがした)


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