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13/18

高校で出来た初めての友達の家にお邪魔します。

 高体連やテストが一通り終わり、ゴールデンウィークに入った。

 テストの結果はしっかりと勉強をしていたので全然大丈夫だった。

 鈴葉はまあ……ギリギリ何とかなった。

 特に危なかったのは国語の35点。うちの学校では30点以下が赤点で、もし赤点を取ってしまったらゴールデンウィーク中に補習を受けなければならない。

 

 国語は漢字で30点分出る超簡単なテストなので、鈴葉にはとりあえず漢字だけ必死に勉強させた。

 その結果、なんとか赤点を回避出来たってわけですね。

 鈴葉が赤点回避出来て本当に良かった。

 俺はそんな事を思いながら自転車を漕ぐ。

 

 それにしても最近は25℃越えの夏日が続く。

 今日の最高気温は27℃、6月にしてはかなり暑い方だ。

 蒸し蒸しとした暑さが体を蝕み、暑さの影響で視界が歪んて見える。

 頭は痛くないし、体調に変化も見られないので熱中症ではなさそうだ。

 

 緩い坂道を立ち漕ぎで上り、汗で顔全体が濡れてくる。

 服の袖で汗を拭うと信号で足を止められた。

 

 信号を待っている間、道路に高そうな外車が止まった。

 黒塗りの車で、窓ガラスまで黒塗りにされていて外から中が見えないようになっている。

 俺はその車に目を取られていると後ろの窓がゆっくりと開いた。

 

 ジロジロ見てしまった事が気に障ってしまっただろうか。

 俺は慌てて見るのを止めて、信号が青になっていたのを確認出来たので、急いで信号を渡ったが俺の行く先にその車が止まった。

 猛スピードで漕いで逃げようかと思ったが、それよりも先に車の主が後部座席から降りてきた。

 仕方ないと思い俺は自転車から降り、降りてくる人に注目した。


 モデルのような足の細さでしっかりとケアなどをしているのか汚れ一つ無く、純白の肌と言って良いだろう。

 やがて降りてくる人の全体像が見える。

 金髪で細い腕、顔周りの肌など全体的に見ても白く、例えるならば純白の天使。

 

 顔を上げて降りてきた人の顔を確認してみると俺の良く知る人物だった。


 「恭吾くん! お久しぶりです!」


 降りてきた人物の正体は3組のジナイダだった。

 ジナイダとは時々LIMUで連絡を取り合っていたが実際に会って話すのはテスト振り。

 ジナイダは嬉しそうにこちらに寄ってくると俺の手を握った。

 

 「久しぶりだな」

 「はい! 私は恭吾くんに会えて嬉しいです!」


 ジナイダはそう言うと俺の手を両手で包み込み上下に可愛らしく振る。

 嬉しそうな表情に小動物のような動作。

 暑さでやられていた俺の心と体はジナイダの行動のおかげでだいぶ癒された。

 しかし、今日買った物の中には生ものや溶けてはいけないものも入っている。

 ジナイダには申し訳ないが早く帰らなければ。

 

 「俺も久々に会えて嬉しいよ。でも今日は買い物帰りだから帰らせてほしいな」

 「あ、すみません……でもでも、私はお話したいです」

 

 ジナイダは俺の手をそっと胸に当て、上目遣いで俺にねだって来る。

 これズルですよ、犯罪ですよ。尊すぎるジナイダの行動は俺のハートは一瞬でブレイクさせ脳死の状態にさせた。

 今の俺は「良いよ」としか言えないロボット人間のようで、俺は何の躊躇いも無く許可してしまった。

 

 しかしどうしたものだろうか、このまま俺はジナイダと何をすればよいのだろうか。

 考えつつ、先ほどあった車の方に目を移してみると道路脇に停めてあった車が俺の隣にある豪勢な家に移動していた。

 恐る恐るジナイダに「ここがジナイダの家?」と聞いてみるとジナイダは笑顔で「はい!」と元気に答えた。

 なるほど、これは家に招待されるパターンだ。


 「家でお話する感じですかね……?」

 「そうですよ? 買い物帰りだと思うので冷蔵庫をお貸しします!」

 「ははは……それはありがたい……」

 

 玄関前の花壇らしき物の前に自転車を停めさせてもらい、俺は家に案内してもらった。

 しかしこの家、俺の住んでいる家の少なくとも二倍はあるのではないかと思うほど大きい。

 車が停まっていた場所には盗難防止用と思われるシャッターがあったり、駐車場の奥の方では小さな庭も見えた。

 田舎だから土地代が都会と比べて比較的安いのは分かるが、これはいくら何でも大きすぎる。

 

 玄関で靴を脱ぎ「お邪魔します」と言い中に入る。

 家の外見が白一色だったのに、家の中は木造建築で茶色ばかりが目に映る。

 しかしそれは不快になるような色では無く、まるで森の中にいるようで目に癒しを与えてくれる。

 

 ジナイダ連れられて、まずはキッチンに来た。

 人の家の冷蔵庫を開けるのはあまりよろしくない行為だがジナイダが「存分に使って良いから!」と言ってきた。

 それに早くしないと本格的に生ものが腐る。

 俺は心の中で「すみません」と言い冷蔵庫を開けた。

 

 冷蔵庫の中をジロジロ見ないようにし、冷やさないといけない物だけをあいているスペースに詰めていく。

 ロシア語で書かれた冷凍食品のような物やラップに包まれたパンのような物などが目に入る。

 冷凍食品に関しては不明だが、パンのようなものは多分だけどピロシキだろう。

 今は寝かせている最中なのだろか。

 俺はあまり刺激しないように最後に買った豚肉をそっとピロシキらしき物の隣に置いた。


 「ふぅ~、詰め終わった。冷蔵庫ありがとうね」

 「いえいえ、私が無理言ってしまったのが悪いんです。私の部屋に案内しますので来てください!」


 リビングから出て廊下に出た。

 森のような自然を感じながら玄関まで戻り、家に入った時に見えていた階段を上る。

 これまた凄くて、階段を上った先の廊下にはおよそ6つの扉が見えた。

 「こっちです」と案内され着いたのは一番奥の扉。

 二階も一階同様、木造建築で辺り一面が心地よく感じられる茶色で自然を感じられる仕様になっている。


 ジナイダが扉を開けて中に入る。

 俺も続くように入り、中の様子を確認する。

 

 ……凄い。

 中の様子は廊下のような爽やかな感じでは無く、色々なものから光が出ていて部屋全体がチカチカしている。

 例えるなら都会にあるクラブのような感じになっている。

 辺りを見渡してみるがこの部屋だけしっかりと壁紙が使われていて辺り一面真っ白な壁紙でおおわれている。

 しかしキーボード、マウス、PC、マウスパッド、その他色々なものから様々な色の光が漏れていて壁が青くなったり緑になったりしている。


 「じゃじゃーん! これが私の部屋です!」


 自信満々に部屋を紹介するジナイダに若干引きながら俺は説明を聞く。


 「これがメインPCでこっちがサブPC」


 ジナイダが指差す方向には二台のゲーミングPCがあった。

 どちらも正規品のPCケースに入れられており、両方とも排熱ファンが七色に光っている。

 ネットに影響されて買ったのか分からないが見た目とのギャップが凄い。


 「二台持ちか……因みにお値段は……?」

 

 ジナイダは棚にあった丸メガネをかけて俺に近寄って来る。


 「これが凄くお高くてですね、メインが40万でサブが20万ですね……」


 俺と鈴葉が買ったゲーミングPC(光ってない)はどちらも28万ほど。

 この人の家には一体どれくらいのお金があるのでしょうか、不思議です。

 

 「たっけ……」

 「キーボードとかもちゃんと調べて高性能のやつを買いました、因みにキーボードとかマウス一式で4万円ほどしました」

 「……凄いの一言しかでません」

 「ありがとうございます。それでいつ配信しますか?」

 

 ジナイダはかけているメガネをくいっと目の位置に合わせると楽しみそうに俺に聞いてきた。

 そうだった、配信の事をすっかり忘れていた。

 俺と鈴葉はここ2週間ほど配信はしていない。

 というのも中間テストがあり、初めての高校のテストだったので赤点を取らないように真面目に勉強していたのだ。

 一応TwltterというSNSを始めて配信の告知などはしているのだが、最近はそれすらもしていなかった。

 流石に生存報告という事でTwltterを更新させたほうが良いか。

 なんなら今日配信するのもありだな。

 

 「ジナイダの都合が合うなら今日でも良いぞ。鈴葉はどうせ夜になれば暇になるからな」

 

 ジナイダはぴょこんと飛び跳ねると俺の手を掴み、嬉しそうに「今日やります!」と言った。

 俺は「了解」と言った後「じゃあ家に帰って準備するから、今日は帰らせてもらおうかな」と言いジナイダの部屋を出た。

 

 ふっ、今日の夜は楽しくなりそうだ。

 俺は不敵な笑みを浮かべた後、階段を降りた。

 

 

 

 

 

 

明日も多分投稿します。

Vtuberの方ですが時間がないため書けていません、すみません。

書けましたら告知いたします。

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