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第5話 ソワンドール大図書館に向かう

アンミに案内され、5分程。

立派なレンガ造りの建物が見えてきた。


「ここが、ソワンドール大図書館さ」

建物の前に立ち止まり、アンミがそう言った。


「凄い立派ですね……」

ナナミが小声で言う。


「そりゃあ、『大図書館』を名乗っているだけある。ゼンゼーロの中でも一番の大きさ、さ」

アンミがそう付け加える。


「アンミさん、ありがとうございます」

ジェミロンは頭を下げる。


それを見たアンミは、ジェミロンの肩を叩く。

「ジャン師から、この子と共にするのも聞いているよ。頑張ってな」


ジェミロンは、無言のまま頷く。

……それを見たナナミは、ジャン爺の他にもアンミを慕っているのかもしれないと思った。


「それでは、私の案内はここまで。また会う機会があれば、ね」


ナナミも少し頭を下げる。

「あ、ありがとうございました」


アンミは笑顔で手を降り、その場を立ち去った。


▪▪▪


二人は中へと入る。

―――アンミが言った通り、『大図書館』と名を語っているのもあって物凄い数の本が埋め尽くされている。


「とりあえず、カウンターにいる案内人に聞いてみようか」


ジェミロンがそう言うと、ナナミは頷く。


「すいません」

ジェミロンが案内人に声をかける。


「はい、何でしょうか」

そう案内人が言う。


「司書のベネ・アワンチャワ氏に会いたいのですが」

「ああ、それでしたらお話は聞いております。ベネ様でしたら、ただいま第三司書室でお待ちしておりますので、ご案内いたしましょう」


案内人の後に、二人は着いていった。


▫▫▫


図書館の奥へ歩いていき、『関係者以外立ち入り禁止』の区域まで入っていく。

言われた通り『第三司書室』で止まり、案内人が扉を叩く。


「ベネ様、例の二人をお連れしました」


「分かりました、お入りください」

やや高めの声が聞こえ、案内人は扉を開けた。


司書室の中には資料がたくさん入っている棚があり、真ん中の机に髪の長い女性が座っている。


「それでは、私はこれで」

「ありがとう、ナンノンさん」


ナンノンと呼ばれた案内人は、部屋を出た。


「例の魔女と、『流れ人』の件についてでしたわよね。そちらの席に座って頂いて、お話しましょう」


そう言われ、二人は席に座った。


▪▪▪


「改めまして、ソワンドール大図書館で長年司書を務めさせていただいています、ベネ・アワンチャワと申しますわ」

そう、ベネが言う。


「僕はジェミロンです」

「ナナミと言います」


二人が言うと、ベネは頷いた。


「国王様からの使者より、事情は把握しております。お二人には、『魔女』の事と『流れ人』の件について詳しくお話いたしますわ」


そうベネが言うと、一巻の巻物を取り出して広げた。


▫▫▫


―――この世界には、我々『人間』と『魔女』の存在があります。


『魔女』は『人間』を襲うことを生業(なりわい)としていますが、これでは世界の危機と恐れられた人々はある一人の『人間』を魔女狩りの撃退者として送り込みました。

その時はまだ、こちらの世界の『人間』が倒したとされていました。


だがしかし、『魔女』達は倒される前に最後の抵抗として二つの魔法を残していきました。


一つは、千年毎に復活するように仕組んだ事。

そしてもう一つは、『人間』に撃退されないようにしました。


この魔法は『人間』にはどうにもならず、一度目の『復活祭』の節目を迎えます。

見かねた神々はノンネと呼ばれる大天使を送り、外の世界からの『人間』……つまりは、『流れ人』を寄越したのです。


それには『魔女』達も想定外、新たな抵抗手段を得られなかった事により均等がとれるようになりました。


―――『流れ人』の末路ですが最後の『魔女』を倒した証しをノンネに見せ、『帰還の扉』と呼ばれる扉を通って元の世界に戻れるとの事です。


▫▫▫


「私達が見たのは、ノンネという天使だったのね」

ナナミがそう言うと、ジェミロンは頷いた。


「ちなみに『魔女』は四魔女と言われていて、世界各地に居る三魔女とそれを倒した時に現れる『世界を司る魔女』が居るとの事です」

ベネは最後にそう付け加えた。


(四魔女、か……)


元の世界に帰るには、奴らを倒さなければならない。

ここまで来たのなら引き返せないだろう。


―――手に力が入るのが分かる。


「決意を固めたな、ナナミ」

ジェミロンがそう言う。


「それと、もう一つ。国王様からの伝言でございますが、(わたくし)も御二人の同伴を命じられました。少年少女だけでは、旅に不都合が出てくると仰っていましたので」


こうして、三人の旅が始まるのであった。

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