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第2話 ジャン爺に会いに行く

日が少し傾き始めた頃、二人は山を降りて麓の街へ出た。


「ここはゾンゾと呼ばれる街さ。食料とかはここで買い出しするんだ」

「へえ、そうなんだ」


歩いていくと、ふと周りの目線が気になる。

多分、着ている服装が違うからなのかな。


「……ん、大丈夫か」


何かを察したのか、ジェミロンがナナミに話しかける。

服装が違うことで周りから見られているような気がする事を、小声でジェミロンに伝える。


「ああ、そりゃあそうか。これは僕も想定外だな」


ふと、ジェミロンは服屋の方へ目がいった。

「じゃあ、服を買おうか。お金は僕が出すし、雰囲気を出せば大丈夫じゃないかな」


「え、そんな……」


助けてくれたのに、オマケに服まで―――

余計な事を言ったかと思い、ナナミは首を振る。


それを見たジェミロンはニカッと笑う。


「遠慮すんなってよ、ナナミ。こういうモンは言うこと聞いた方がいいぞ?見知らぬ世界で一人きりってのは、心配事だらけだしさ」


それを聞いたナナミは、妙に納得した。

よく言えば、たまに見る『異世界に迷いこむ話』の物語に似ていると感じたが―――


(……私ってば、その物語に似た境地に立たされているね)


そう思ったナナミは、ジェミロンの方を見る。

「それじゃ、遠慮無く頼らせて貰おうかな」


「そうこなくっちゃなあ!」

ジェミロンは笑顔でそう言い、服屋へと向かった。


▪▪▪


着回せる程度に服を買ってその場で着替え、再び歩き街を歩き始めた。


「その、ジャン爺さんでしたっけ。何処にお住まいなの?」

入った反対側の門へ歩きながら、ナナミはそう聞く。


「今月はちょうどここの街に滞在すると聞いている」

そうジェミロンが返す。


どうやら話によると、ジャン爺と呼ばれる方は国のあちこちの街に一ヶ月毎回っているとの事。


「もしかして、『龍退治』の関係で?」

「ああ、そうさ。ジャン爺は国からの依頼で、各地の見回りをしているんだ」


よくある、剣士とかが見守るのと違うのかも聞いてみた。


「それは人に対しての仕事さ。こちとら、文字通り『龍』を相手取っているから、お門違いじゃないか」

ジェミロンは、そう返す。


『なるほど』と納得していると、どうやら住んでいるところに着いたみたいだ。


「ジャン爺さん、僕です。お話があってお伺いしました」

そう言いながら、扉を叩く。


「入ってよいぞ」


そう声が聴こえ、二人は中へと入る。

そこに、小さな丸眼鏡を掛けた一人の初老の方が本を読んでいた。


「何か用か、と言いたいが……その娘の事じゃろ、ジェミロン」

ジャン爺がそう言うと、ジェミロンは頷いた。


「まあ、まずは席に座りなさい」


そう促され、二人は座敷に上がって面と向かう形で座った。


「……僕から、事情を話します」


ジェミロンは、さっきの出来事を一から説明をする。

一通り話を終えると、ジャン爺は丸眼鏡を外す。


「御上から話は聞いていたが、早々にこの(とき)が来るとはなァ」

そうジャン爺は呟く。


「何か知っているのですか」

ジェミロンが聞くと、ジャン爺は頷く。


「二人は知らんじゃろうが、今年は『魔女の復活祭』の不吉な年じゃ」


どうやら、この世界では『千年に一度の魔女復活祭』と呼ばれる年があり、『魔女』は倒されても必ずその年に復活し活動をするとの事だ。


「それが、私とどう関係するのです?」

ナナミは横から、そう聞く。


「魔女は、この地に住まう人間には倒せないそうじゃ。魔女を倒す存在は―――……」


ジャン爺はナナミの方を向く。


「『流れ人』と言って、外部からの世界から来た人間だけなのじゃ」

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