表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/12

第1話 二人の出会い

ゼンゼーロ王国の北西にある、ベンネラ山。

ここの中腹にある山小屋は、ジェミロンの『仕事場』だ。


―――仕事、というのは『龍退治』。文字通り、人から龍を守る為に活動している。

ジェミロンはベンネラ山の登山客に対して、仕事を請け負っている。


「今日は何にも無いねぇ、ヴァロ」


相棒の大鳥であるヴァロの身体を撫でながら、ジェミロンはそう言う。

……そのヴァロだが、さっきから辺りを見渡して落ち着きが無い。


(何だろ、龍の気配を感じている時と違う反応だな)


そう思った瞬間、ヴァロがある方向を見たかと思うと翼を広げて毛を逆立てた。

慌ててその方向を見ると、空の方に謎の『破れ目』が現れたのだ。


「何だ、ありゃあ」


ジェミロンがそう呟くと、天使のような姿をしたヒトが現れて誰かを抱きかかえているようだ。

遠目だが、見た感じ同い年に感じる。


すると、そのヒトが抱きかかえている人を落とすような仕草を見せた。


「……ヴァロ、あの子を救うぞ!」


急いでヴァロの背に乗り、飛び出した。

あのままだと、普通に死んでしまう。


何時もよりヴァロが高速で飛んでくれたのか、何とか腕を掴んで引き寄せた。

意識は無いように見えたが、息はしている。

……多分、気絶したのだろう。


「ヴァロ、ありがとう。戻ろうか」


そうして、小屋の方へ戻っていった。


▪▪▪


「………」


何か物音が聞こえて、奈々美は目を開けた。

どうやらここは小屋のようで、布団の上で寝ている。


「よっ、目覚めたかい」


聞き慣れない声がして、その方向を向いた。

見知らぬ少年が、自分の上着をハンガーに掛けていた。


「……すいません、ここは、何処ですか」


奈々美がそう言うと、少年は横に座り口を開いた。

「ここは、ゼンゼーロ王国のベンネラ山さ」


「……ゼンゼーロ?ベンネラ山?」


奈々美の反応を見て、少年は溜め息をつく。


「あんたさん、危なかったぞ。急に『破れ目』が出現したかと思うと……」


それを聞いた奈々美は、飛び起きる。

「そうだ、私それに引き込まれたんです!」


少年は驚きつつも、慌てるなと手を差し出す。

「済まないが、事情を話してくれないか」


そう言われ、奈々美は落ち着いてから事情を話した。


「……そうなんだな。急にこっちの国に来たと」

「ええ、そうなんです」


少年は少し考える仕草をする。

「こればっかりは、ジャン爺に聞かないといけないな」


「あの、ジャン爺っていう方は?」


そう奈々美が言うと、少年はこちらを見つめる。

「僕の仕事の師匠さ。重鎮だから、何か知っているかもしれないってね」


(……あっ)


話に夢中で、お礼を言って居なかった。

「あの、その。助けてくれてありがとうございました」


「いいんや、人助けは仕事のうちさ……と、貴女のお名前は?僕はジェミロンと言います」

「わ、私は安藤奈々美と言います。気軽に、名前で呼んでください」


少年……もといジェミロンは、笑顔で頷いた。

「それじゃ、ナナミって呼ばせて貰うぞ。もう少しだけ休んでから、ジャン爺のとこへ向かおうか」


―――こうして、運命が動き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ