助言
昨日は投稿ができず申し訳ありませんでした。
本日の夜間にもう一話投稿します。
「それはちょっと難しいかもしれないねぇ」
二日後、レオさんが店を訪ねてくれたので、病名と解決法を伝えてアドバイスを求める。そうしたら、レオさんは頭をぽりぽりとかきながら困ったように笑ってそう言った。
「貴族って、自尊心で飯食ってるとこあるからさぁ。きみたちの言いたいことって、要は庶民と同じ暮らしをしろってことでしょ? デュランド公、うなずいてくれるかなぁ」
「条件飲んでもらわないと困るんすよ、相手さんだけじゃなくて俺たちの今後にもかかわってくることなんで」
それはそうだけどさ、とユージーンの言葉にはレオさんも頷く。でも、やっぱり一筋縄ではいかないようだ。そもそも貴族にそこまでさせるからには、必ず結果を出さなくてはいけない。無条件で生活を変えさせるには、信用が足りていないというのが実情だ。
「聞き入れてもらえないと分かってはいるんですけど、私たちにできることってこれくらいしかないんですよね。病にかからないような体を作るなら、食べ物から変えないといけないですし」
「うーん、もうちょっと詳しく分かりやすく説明すれば聞いてもらえるかもしれないけど……まぁ、あのジジイのことだから、ちょっとうまい言い方さえできればいけるかな」
うまい言い方、と復唱すると、レオさんは「そう。できそう?」と笑った。正直、そのあたりのことに関しては自信がない。私たちはそれぞれ処世術を持ってはいるけど、それはお偉い貴族に向けたものじゃないからだ。
ユージーンは気さくな雰囲気があるから、下町の人に好かれるタイプ。ライリーは貧しい地域で生き抜く能力がある。比較的イスラが適任に近くはあるけど、彼女は彼女でご婦人たちと話すために身に着けた所作だから交渉の場に向いているわけではない。私に関しては言わずもがな、一介の村娘にできるのは接客くらいだ。
「オレには無理だと思うよ、残念だけど」
「え? いやいや、一番可能性があるのはライリーくんだよ。貴族ってのはね、弱い立場の人間からのお願いは無下にできないんだよぉ。きみたちはデュランド公に提案をしに行くっていうのがお互いの認識だから、それをきみたちからのお願いにすり替えちゃえばいいんだよ」
「対等であろうとしてはいけない、ということでしょうか?」
レオさんはイスラの問いに「そういうこと」と笑うと、そのまま私たちに背を向けた。
「ま、あとはそっちで頑張りなよぉ。おれが助言できるのはここまでだからさ、なんて言うかはちゃぁんと考えておいで。大丈夫、助け舟くらいはまた出すからさぁ」
そう言って、レオさんは帰っていった。




