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魔法陣の向こう〜ポリアンナの物語〜  作者: サンガツワサコ


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師匠

ポリアンナは無事にグレイシアの弟子となった。


グレイシアの研究室は王宮の外れに建てられた離宮にある。

王族ではないはずのグレイシアであったが、ヴィンセント様の婚約者のまま、王家から離宮でも生活を認められていた。

離宮は、ルヴァルが構えている店舗からそう遠くないので、ポリアンナは、店舗の上に部屋をもらい、そこから通うようになった。

ちなみに、メリッサ様は王宮魔術師として、宿舎に部屋を得ているのでそこからの通いだ。侯爵家の令嬢なのに?と聞くと、侍女を1人雇っているそうだ。


研究室で魔法陣に向き合っているグレイシアの横顔は相変わらずに美しい。


ポリアンナは、ふと、疑問を抱く。


あれ?


グレイシア様の婚約者で師匠って、ヴィンセント様だよね。


ヴィンセント様って、王様のお兄様だよね。


王様って、王太子殿下のお父様で、ん?王様は何歳?(答え、47歳)


ん?…他のアプローチで行こう


サミュエル先生とおおじいじはヴィンセント様と一緒に戦ったんだよね。それって、えーと、何年前?(答え、24年前)


ん?やっぱり変だな。ん???


「師匠って、何歳?」


考えていることは、勝手に口から飛び出すものらしい。


王家に提出する書類を持って部屋を出ようとするメリッサと、魔法陣に向き合っていた師匠が同時にポリアンナを見たので、それでようやく口に出ていたことに気がついた。


「えーと?ドリオレント様が王様になって、何年かしら?」


師匠は答えてくれるらしい。


「20周年の記念式典が来年執り行われます」


メリッサの言葉を受けて、ああ、と師匠が頷く。


「では私の今の歳は、41歳ね」


「ママより年上?!」


愕然とする。


どっからどう見ても…お姉さんだ。

メリッサよりちょっと歳上くらいに見える。


若く見せているというより、若いのだ。


ずっと研究室に居て…日に当たらないからなぁ。


女神の美しさは、若さだけではなかった!


ポリアンナ自身は、自分の容姿などどうでもいいと思っている。

見てくれよりも愛嬌で勝負だ。


メリッサ様はその性格に似合わず、貴族令嬢然とした、上品な顔立ちをしている。グレイシア様のような華やかさはなくとも、全体的に整っているのだ。


三人三様。


魔力も容姿も年齢もバラバラの3人が、同じ魔法陣に向かっている。


ポリアンナは、とても充実した時を過ごせていた。



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