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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千六十八 美嘉編 「大人だって人として外れたことを」

六月四日。火曜日。曇り。




星谷ひかりたにさんは続ける。


「確かに、次男三男として生まれた男性でも大成して自身の存在を周囲に認めさせた方はいらっしゃったでしょう。しかしそれは、武勲などを上げて功績を示すことができた一部の人の話であることもまた事実ではないでしょうか?。いわば例外的な存在です。


例外的な存在を上げるなら、女性でもそれこそ世界を陰から操るくらいの立場になった方もいらっしゃいますよね。本当にただ差別を受けてるだけの方がそれほどまでになれるのでしょうか?。


実際には女性は、男性に傅くかのような姿も見せつつ、実はそれは『男性を上手く操るための方便』だったりもしたのではないですか?。当時の女性たちは、現代の私たちが考えるよりもはるかに強かで計算高く、逞しかったのではないですか?。


その一方で、力のない女性はただ搾取されるだけだったりしたのも事実でしょう。しかしそれについては、『女性だから』という以上に、『力なき者』だったからだと私は感じているのです。


故にかつての社会は、『男尊女卑』と言うよりは、『力なき者が一方的に搾取されがちな社会』だったのだというのが、現時点での私の認識ですね」


「あ~、それ分かる気がする。私も自分が女に生まれたことを恨んだ時期もあった、ってか、今でも本心では恨んでもいるけど、実は『性的被害を受けてる男児』ってのも意外なほど多いらしくて、それってつまり、『非力だったり立場的に弱いことを悪用されて搾取されてる』ってことなんだろうなって今は思うんだ」


「確かにね。実際に起こってることの一部分だけを取り出して『女性だから虐げられている!』って話にするのは、実は問題の本質から目を逸らすことになるんじゃないかなっていうのは僕も思う。気を付けないとね」


なんてことを、僕たちは、沙奈子や千早ちはやちゃんや大希ひろきくんが料理を作ってる後ろでいつも話し合ってた。


沙奈子たちはまだこういう話にはあまり興味はないみたいだけど、料理を作りながらでも多少は耳に入ってて、それが無意識のうちにこの子たちの価値観を作り上げていくんだろうなってすごく思うんだ。


だから子供たちの周囲の大人は、普段から自分の言動に気を付けないといけないと思う。そして、


『普段からそんなことまで気にしてられるか!』


とか甘えたことを言うんだったら、子供たちが少しくらい甘えるのだって大目に見るべきなんじゃないのかな。よっぽど人として外れたことをしでかさない限りは。


その代わり、大人だって人として外れたことをしでかしたんなら、ちゃんと罰を受けるべきなんだろうな。


法律に触れるようなことをした時とかね。



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