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第85話~ヘッドホン
厨房係とレジ係の店員が、遠い日への約束をしてるころ、厨房係の足元に、小さなヘッドホン、ヘッドホンの耳に入れる部分がコロコロと転がってきた。
厨房係「ん?なんだこれ、ヘッドホンの耳に入れる部分?また店長がなにか仕掛けてんのか」
厨房係はここまできたら何も驚くものはなかったので、耳にあててみた。するとノイズ混じりの人の声がきこえてきた。
ヘッドホンから聞こえる声「あんた、あんた、無反応のままきいて、リアクション無しで、いい、返事なしで」
厨房係「え?」
ヘッドホンから聞こえる声「え?もいらないっ!いい?よく聞いて、更衣室の中の子ひとりで置いてっちゃ絶対だめよ、店長の言葉なんてあてにならないからっ、いま私ね、この店の電気系統を管理してるところにいるから、いまからすべての電気消すから、そしたら更衣室の扉のロック外れるから、脱出させて。いまから1分後に落とすわよ、いい? 無反応でいてよ、いい?」
厨房係はヘッドホンから聞こえてくる声に耳を傾けたまま、1分後を待つとした。ヘッドホンから聞こえてくる声は聞き覚えのある声だったし、厨房係としてもレジ係の店員をおいてくわけにはいかなかったので信じてみることとした。
そう、ヘッドホンから聞こえてくる声は、
タロット占い師
だった。
~つづく~




