第65話~5分後の約束
厨房係はレジ係の店員をひいて、店長室の出口へ向かった。
すると、さっき厨房係が浴びた白い煙のようなものが再び、店長室の本棚からでてきた。
さらには店長室の本棚の本がくずれおち、まるで二人の行く手をはばんでいるようにも、あるいは、二人の未来を暗示するかのようにもみえるくらいに、壮絶にくずれおちてきた。
厨房係「ちゃんとしっかり手握ってて」
レジ係の店員「うん。」
二人は本をよけながら、そして手で口をおさえ白い煙をよけながら出口をめざした、厨房係は自分のポケットの中のハンカチをとりだし、レジ係の店員に渡した。
厨房係「2、3回使っちゃっててごめんだけど、ないよりましかなって」
レジ係の店員は少し微笑みながら、素直にそのハンカチで口をおさえた。
二人は店長室から飛び出て階段をおりた。
そして更衣室にむかった。
男女それぞれ異なる更衣室で、女子には好評で、男子には不評だった。
それもそのはずだった。女子の更衣室は疲れたときように、フカフカのセミダブルクラスのベットがおいてあり、かつ、冷暖房完備、冷蔵庫までおいてあった。さらには夏の暑いとき仕事終わった後にさっぱりできるようにと、一般家庭のお風呂より大きい入浴施設までそなえていた。
一方男子更衣室は、ロッカーとロッカーの間、通路と通路の間が極端に狭く、かつ、窓もなく、冷暖房もなく、まるで牢獄のような作りだった。
厨房係「5分後にここで待ち合わせよう」
レジ係の店員「うん絶対だよ」
二人は更衣室の入り口で5分後に会う約束をしてそれぞれの入り口の中に入っていった。
ただ二人は予想もしなかったであろう。二人が再び会えるのは、5分後ではないことを。。。
~つづく~




