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第62話~勝ちの価値
厨房係の声を受話器ごしに聞いている電話の主は、いつもの弱々しい声ではなく、はっきりとその強い意思を感じとり、冷静さを全面に押し出した声でこたえた。
店長「お前が私に勝てるとでも思うのか」
厨房係「もうクビになったんですから、怖いことなんてなにもないですから、店長の化けの皮を剥がしてみせます。」
店長「愚の骨頂とはこのことだな。お前など私に勝てるはずなどない、知識も経験も財力も人脈もなにもかも」
厨係「そうですね、かないませんかないません、そんなことで勝ち負けしてもな~んの意味も価値も、その勝ちの価値なんてありませんよ~だ」
店長は厨房係のいつにないテンションの高さ、そして発言の力強さにとまどいをおぼえた。
~つづく~




