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第61話~戦いの火蓋
店長室に電話の呼び出し音がなりひびいた。
レジ係の店員は電話をとるべきかとらざるべきかを迷い、いまなお呼び出し音が店長室内でこだました。
普通なら電話の呼び出し音は日常の中でのありふれた音にしか過ぎないはずが、このときばかりは、その音の存在感が大きくレジ係の店員に伝わってきた。
レジ係の店員は小刻みに震えをかんじた。
そして今身の回りでおきてる日常ではない出来事の重なりに耐えきれなくなり、涙がこぼれおちてきた。
レジ係の店員「うぅ、ぅ」
電話はまだなっている。
そのとき電話にむかっている影がみえた。
レジ係の店員「え?」
厨房係「はい、もしもしこちら店長室で~す」
レジ係の店員「えぇえ?あんた大丈夫?」
厨房係は受話器を手でおさえて、右手でピースサインをしながら、レジ係の店員に笑顔でこたえた。
厨房係「あ~よく寝た寝た」
レジ係の店員「も~」レジ係の店員もホッとし、ほほを伝わる涙を手でふき、厨房係にかけよって思わず抱き締めた。
厨房係はレジ係の店員の頭をなでつつ、受話器の向こうの相手にむかって強い口調で言い放った。
厨房係「戦いの火蓋を切ったってやつですね!!」
~つづく~




