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第6話~トリガーはオレンジ
店長は、手のひらの上で転がしたオレンジを眺めながら、新メニューの開発に余念がなかった。
オレンジの皮をむき、その果実のみずみずしさにうなづきにながら、味見をしてみた。
「ん?酸っぱいぃ!」
どうやら店長が手にしたオレンジはその見た目とは裏腹に酸味が強かったみたいである。
店長はその味覚に伝わった酸味の刺激で、忘れかけていた記憶がよみがえった。
「あのタロット占い師さん、どこかでみたことあるんだけどなぁ」
ひとりつぶやきながら、別のオレンジに手を伸ばした。
そう、この店長こそ、タロット占い師が学生の頃、憧れていた先輩であった。
~つづく~




