3章『欧州連合』:6
3対3になった以上、飛鳥達も慎重になり過ぎる意味は無かった。
ホライゾンが奇襲に弱いということもあって、後方からの援護と確実なダメージ源としての活躍を求められていたわけだが、能力的な相性の問題でそれは上手くいかなかった。
だが解決の手段は見つかった。それさえ出来ればホライゾンの読心能力は恐らく復活するし、そうなれば狙撃だけでなく立ち回りの面でもかなりの余裕が出る。飛鳥達3人の勝利に近付くという意味で、ユナイテッドの能力を封じることは重要な要素だった。
「まずは斬り込んで出方を見る!」
『こちらも続くぞ』
アストラルに続き、バーニングも動き始める。先行するのは、当然アストラル。
ホライゾンのセンサーは他2機のものより高性能だ。その情報をアストラルにリンクさせることで、一時的にアストラルの索敵能力も高められている。ややホライゾンの処理能力を圧迫する上、高速戦闘では性能が落ちる機能だが、今は建物の裏だろうが敵の位置が鮮明に見えていた。
『派手にやっちゃってよ』
そんな泉美の言葉通り、アストラルは建物を飛び越え一度空高く舞い上がると、天蓋を蹴りつけるような動きで一気に急降下する。
乱雑な斬撃を放ちつつ飛び込んだ先には、EUの三機が纏まって身を潜めていた。
直上を取られたところでやっと動き出した3機の間に、青い軌跡を刻みながらアストラルが降ってくる。接地した瞬間に砲弾が着弾したかの如く地面がめくれ、そこから弾け飛ぶように3機がバラバラに離脱した。
飛び上がりながらガトリング砲を向けてくるユナイテッド、素早く建物の奥へ身を隠すクワイエット、後退しつつ即座にチェーンガンを発射しさらには高速榴弾砲を構えるリフレクト。
三者三様の反応だったが、それ故に統制のとれた動きでない事は見て取れた。
(奇襲の初手に対する反応は悪い。ここを凌がせなければいい、と!)
チェーンガンの弾道を横目で捉えて、身をかがめることで一旦機体を逃がす。そこに向かって放たれた高速の榴弾を、地面を転がるようにして避け、すぐに視線を上げた。
アストラルが見つめていたのはリフレクトではなくユナイテッド。背後から襲いかかる攻撃の全てを一瞬で捉え、回避し、その上で獲物を視界から外さない。
ガトリング砲の銃身が回転を始める中、アストラルは正面に飛び込んだ。
真下を取ることでユナイテッドの視界から一瞬外れ、その直後に脚部のアクチュエータと推進系の力を合わせて真上に飛び上がる。リフレクトから絶えず放たれていたチェーンガンの弾丸は、全て紙一重で回避していた。
コンマ1秒にも満たない時間だが、アストラルを視界から外してしまったユナイテッド。能力による連携か、即座にアストラルを捉え直してガトリングを向けてくるが、わずかに遅い。
ガトリング砲は銃身がある程度の速度で回転していなければ正しく発射ができない。そして回転には加速がある。如何にユナイテッドのガトリング砲が立ち上がりに優れるものだとしても、一瞬アストラルを見失ったタイミングで銃身の回転を止めてしまっては、発射までのラグは明確なものとなる。
生まれたのは刹那の猶予。だが今の極限の集中力と思考加速を得た飛鳥にとって、それはあくびが出るほどに長い時間でもあった。
「もらった!」
2,3の弾丸が飛び出したときには、すでにアストラルはユナイテッドの背後に迫っていた。
ちょうどリフレクトの射線がユナイテッドに重なるよう計算された位置取りは、リフレクトからの援護を間接的に妨害するものだった。歯噛みするように、リフレクトは武器を構えたまま微かに身じろぐ。
素早く反転したユナイテッドが即座にロングブレードを抜き放ち振り抜くのを、アストラルは上半身をのけぞらせて回避する。そのままの勢いで、ブレードを持ったユナイテッドの腕を蹴りあげた。
この時ばかりはユナイテッドも重光子刃形成機を離さなかった。だがそれでも腕は大きく跳ねあげられ、姿勢を崩してしまう。
宙返りをしたアストラルが、再度加速して踏み込む。なんとか逃れようとユナイテッドが上方に加速を始めた瞬間、ユナイテッドの背後に新たな反応が現れた。
入れ替わりで飛び込んでこようとしているのは、考えるまでもなくクワイエットだ。だがアストラルは構わずユナイテッドだけに喰らいついた。
その無謀にも見える行動は、クワイエットにはチャンスに見えただろう。一瞬の隙すら見逃すまいと虎視眈々と狙い続けるリフレクトにも、それは同じだ。
だからそのとき3機の視線は、間違いなくアストラルへと向けられていた。アストラルのみに、注意の全てを奪われていた。
(こっちも一人じゃない!)
飛鳥がそうほくそ笑んだ直後、轟音が響き、クワイエットとリフレクトの2機が真横に吹っ飛んだ。
クワイエットはホライゾンの狙撃の直撃を受け、リフレクトはバーニングの体当たりをもろに喰らったからだ。双方共に直前で対応しようとしたが、完全にアストラルに意識を向けきっていたせいで、それも間に合わなかった。
大きく吹き飛ばされたクワイエットとリフレクトに気付いたのだろう、上昇を続けるユナイテッドが一瞬周囲に注意を向ける。
その瞬間にアストラルは一気に距離を詰めた。
「ここで一気に引き離す! そっちは頼むぞ!」
返事も待たず、アストラルはユナイテッドを思いきり蹴り飛ばす。ブレードで斬りつけるよりもダメージは小さいが、相手を強く吹き飛ばす選択だ。
飛鳥の目論み通り大きく吹き飛ばされたユナイテッドは、それでも何とか姿勢を取り戻すが、クワイエットやリフレクトのいる位置から大きく離されてしまう。そしてその二機とも派手に攻撃を喰らったばかりで、ユナイテッドの援護どころではなかった。
「どこまで逃げても手の上だぞ」
ユナイテッドは追いたてるアストラルに正対したまま、可動推進翼の推進部を前方に向け、一気に後方に加速する。僚機の援護を当てに中途半端な対応をするのではなく、自力でアストラルに対処する事を即座に選択した決断力はなかなかのものだ。
だがそれは一見正しく見えるものの、飛鳥達の見立てではユナイテッドの持つ思考共有能力はその範囲が決まっている。常に他4機を後ろに回すような位置取りでユナイテッドに追いすがるアストラルから逃れようとすれば、必然的に他の機体からも距離を離してしまう。
ユナイテッドの構えるガトリングとライフルから、間断なく弾丸と光弾が放たれる。
ガトリングでアストラルに回避動作を強要し、その動く先に重光子ライフルを置くような形で発射していく。
対してアストラルはガトリングをかわし、その先に発射された緑の重光子弾をフォトンブレードで薙ぎ払う。
ユナイテッドの行動はどこまでも丁寧だが、それ故に見切りやすく、なおかつワンパターンであるために対応も簡単だった。焦って無茶苦茶な行動をするよりは良いだろうが、判断力が鈍っているのは目に見えている。
引き離そうと右へ左へ機体を振り回すユナイテッドだったが、アストラルは構わず食らいついて追いこんでいく。
ターンの瞬間を狙い一気に接近して斬りかかるアストラル。ユナイテッドは素早く左手をロングブレードに持ち換え斬撃を受けとめるが、続けざまに放たれた逆側の斬撃と追撃の蹴りを受けてまたも大きく弾き飛ばされてしまう。
「まだまだいくぜ!」
空中で器用に宙返りをしてすぐさま後退を始めるユナイテッドに、アストラルはそれでもしつこく追いすがった。
ユナイテッドは再びブレードからライフルに持ち換え弾幕を展開するが、アストラルはまたも同じような方法でその攻撃を捌く。まるでダメージにならない上に、いい加減にアストラルの踏み込みも大胆になっていた。
時間稼ぎにしかならない上、稼げる時間も目に見えて減っている。
「っ!」
ユナイテッドの構えが変わる。次のアクションが起こると察し、高速の接近を止めぬままアストラルは顔の前でブレードをクロスさせる。
直後、ユナイテッドの肩越しに前へ向けられた砲が光を放った。
(散弾か、けど!)
放たれた光弾は高速で直進すると、アストラルとユナイテッドの中間で弾けて拡散する。
眼前を埋め尽くす光の壁。
「今なら見える!」
あたかも壁のように広がる大量の光弾。だがそれは拡散する弾丸であるが故に、進むごとにその密度を下げてしまう。
飛鳥は目を凝らし、拡散する弾丸全ての軌跡に意識を集中させた。ソードブレイブの効果により強力な思考加速が生まれ、拡散し続ける弾丸の中から、より密度の低い部分の選択を繰り返す。
「そこだぁ!」
飛鳥は眼前を埋め尽くす重光子散弾の壁の中から、たったの機体一機分の隙間を見つけてそこに機体を滑り込ませた。
数えきれないほどの光弾とすれ違いながらも、一部をさらに身を捻って回避し、一部は両腕のブレードで弾き飛ばす。
刹那の後、ユナイテッドの放つ重光子散弾を、アストラルは真正面からノンストップで突き抜けた。
わずかでも足止め出来ることを確信していたユナイテッドは慌ててロングブレードを手に取ろうとするが、一瞬早くアストラルのブレードが閃く。
「遅い!」
機体ごと振り回すように放たれた斬撃はユナイテッドの右腕、そこに装備されていたガトリング砲の砲身を真っ二つに切り裂いた。
ユナイテッドは、アストラルが追い打ちとばかりに振り抜いた青い斬撃を紙一重で回避すると、使いものにならなくなったガトリングをパージしつつ再び後退する。
だがアストラルはビームブースターを噴射して、間髪いれずに再接近した。
肉薄から振り抜かれるアストラルのブレードを、ユナイテッドは逆手に抜いたロングブレードで辛うじて受け止める。
「おおおおおおおおおおおお!!」
つばぜり合いの状態となったブレードの接触点から、青と白の光の粒がまき散らされる。
激しく刃を押し合う中、アストラルはさらに逆のブレードを叩きつけて強引に姿勢を崩した。
しかしそこから一手と踏み込んだとき、既にユナイテッドの可動推進翼は推進部を前へと向けていた。
両翼6つのプラズマ推進機が一斉に火を噴き、ユナイテッドを後方へと加速させる。
両者の間にわずかに生まれた空間の隔たりは、接近に一拍を要するとともに、ユナイテッドの散弾砲の使用を可能とするものでもあった。
(この距離はまずい――!)
ビームブースターを使用していることを考え、そして拡散時の密度も予想した上で、飛鳥は追撃ではなく防御を選択する。だがアストラルが機体の前でブレードをクロスさせた直後、彼の頭に声が響いた。
『屈んでアスカ!』
「っ!?」
反応した飛鳥がとっさにアストラルの上半身を振った直後、紫の閃光がアストラルの右肩を掠め、ユナイテッドの重光子散弾砲の砲身に直撃した。
散弾は放たれることなく、砲身が砕け散る。制御を失った重光子の塊が砲身内部で炸裂し、破片を内側から吹き飛ばした。
間髪いれず、アストラルの後方から8発のミサイルが飛来する。
アストラルの影になる位置から一気に飛び出したミサイル群。とっさに気付いたユナイテッドが後方に加速するが、8発のミサイルは一つと余さずそれを追いたてる。
後退しながらライフルを撃って迎撃するユナイテッドだが、ミサイルはまるで生き物のように渦巻く緑の光弾をことごとく回避し、迫った。
「泉美……!?」
ミサイルの挙動でそれがホライゾンの物だと理解した飛鳥は、慌てて後ろに視線を向ける。
振り返るアストラルの元に、アマツバメを構えたままのホライゾンが並んだ。
「お前、向こうに居たんじゃ……」
『ユナイテッドの能力が切れたの。やっぱりこれで範囲外。だけどリフレクトの反射能力がそろそろ戻るみたいで、あれはホライゾンじゃ手に負えないの。ユナイテッドはあたしが抑えるから、あんたはあっちをお願い。今は久坂が一人で持ち堪えてる。早く!』
ホライゾンがアマツバメを向ける先で、ユナイテッドは滑らかな機動から素早く繰り出した斬撃でミサイルの一つを斬り落とした。その極めて柔軟な動きは、ホライゾンのミサイルでも完璧には捉えきれないようだ。
「っ、わかった。だが無理すんなよ。抑えててくれればいい。連携の無いあいつらなら――」
『すぐに落とせる、でしょ? わかってる。それ持って、行って』
そう言うなり、ホライゾンの背中からヒスイが二枚はがれ落ちた。だがそれは自ら宙を舞うことをせずに、下方へと落下を始めてしまう。アストラルは慌ててそれをキャッチする。
『ミサイルとはリソースを共有するから使えないの。向こうまで持って行って、そっちで展開したら、あたしも少しは援護する。武器の無いユナイテッドならあしらうのも簡単だから』
「おっけ、任せた。すぐに戻る!」
両手に1枚ずつヒスイを持って、アストラルはビームブースターを噴射して元来た方へと一気に加速した。
ジグザグの機動だったために移動時間ほどのものではないが、かなりの距離が空いてしまっている。それだけに戻るまでにも時間はかかった。
「ちっ、ソードブレイブはここまでか……」
連続稼働の限界を迎え、アストラルは一旦ソードブレイブの機能を停止させた。
パイロットの負担はオーバークロックほどではないが、あまり長時間の連続使用は負担になる。特に意識的な思考加速の連続使用はそれだけ負担を増し、システムの可動時間を縮めてしまう。ユナイテッドを分断するために多少無理をしたため、この辺りで一旦打ち止めだった。
「まだ手は残ってるけど、使いどころは考えないとな」
ソードブレイブと同時に追加されたもう一つのオーバークロックの発展システムは、稼働時間を共有していないため使うことはできる。だがソードブレイブでは銃火器が使用できないのと同様に多少の制約があるため、よく考えて使用する必要があった。
ある程度接近したところで、アストラルは両手に持ったヒスイを投げ飛ばす。適当なタイミングだったがミサイルの補正制御は既に切れていたらしく、手裏剣のように宙を舞ったヒスイはそのまま展開して自立飛行を始めた。
ヒスイの運搬を終え、両手にフォトンライフルを持って高速で飛行するアストラルは、やっとバーニングを視認した。
屹立する建物群をお互いに利用しながらリフレクトと射撃戦を繰り広げているが、その背後に黒い影が迫っていた。
アストラルは素早く両手のフォトンライフルを影に向ける。間髪いれずに光弾が放たれるが、クワイエットは踏み込むスピードを緩めることでこれを回避した。
「隼斗、後ろだ!」
『手が回らない!』
建物の影から飛び出して、今まさに高速榴弾砲を身を捻って回避したばかりのバーニング。リフレクトからの追撃の可能性もある以上、クワイエットの対処をする余裕がないのは明白だった。
「ちぃっ!」
飛鳥は舌打ちをして、さらに踏み込もうとするクワイエットに注視する。
両手のライフルをブレードに持ち換え、アストラルはビームブースターの加速を利用してバーニングの背後に割り込んだ。
今まさにその背中に付きたてられようとしていた左の手甲鉤型の3本のブレードを、すんでのところで受けとめる。クワイエットは驚いた様子もなく、素早く逆の手甲鉤を振り抜いてきた。
アストラルも逆のブレードで受けとめるが、その瞬間クワイエットはブレードの出力を停止させる。
突然抵抗が無くなりバランスを崩したアストラルに向かって、クワイエットは右の肘打ちを放つ。しかしその距離は半歩遠い。
当たるはずがない。そう考えた瞬間、戦闘前に聞いた遥の言葉が脳裏をよぎった。
「くっ!」
とっさに頭を下げた直後、その上ギリギリを橙の幅広な重光子ブレードが掠めた。クワイエットの肘部装甲から伸びた突起状のパーツから、サメのヒレにも似た重光子刃が発生したのだ。
(仕込みブレードって奴か……ッ!!)
屈んだアストラルに対しクワイエットは右足を振り上げると、蹴るのではなく踏みつけるような行動を取る。視線を上げたアストラルのカメラに映るクワイエットの足裏から、唐突にスパイク状の重光子刃が伸びた。
「胡散くせぇな、こんのぉ!」
とっさにブレードを引っ込め地面に両手をついて、逆立ちの要領で足を振り上げ、さらに腕の力で上に飛び上がる。振り下ろした頭部のギリギリの位置をクワイエットの足が掠め、地面に重光子のスパイクが突きたてられる。
それでも回避は成功した。
空中で縦に半回転し、素早く反撃に移ろうと両手のブレードを装備し直した時、おもむろにクワイエットが左手をアストラルのコア部にそっと添える。それは掌底というには、あまりにも弱い一撃。
「っ?」
奇妙な静寂のようなものを感じた。
その直後、
「がっ!?」
胸に激しい衝撃が走り、視界が大きく振り回される。何が起こったのか分らないまま、アストラルは斜め後ろに吹き飛ばされた。
「なん……だ!?」
地面に背中から叩きつけられ、それでも勢いを失わず滑り続ける中で、アストラルはなんとか視線をクワイエットに向ける。
アストラルを吹き飛ばし、返す刀でバーニングの背中に迫るクワイエット。その左の掌から、長い杭のような橙の重光子ブレードが伸びていた。
(あんなとこまで……)
全身武器かと見紛うようなクワイエットの仕込みブレードの数々に驚愕するが、舌を巻いている余裕などない。
「隼斗ッ!」
『わかっている!』
言うなり、バーニングはショートカノンと迫撃砲を同時に発射してリフレクトを建物の影に追いやり、流れるような動きで右腕を後ろに振り回す。巨腕の裏拳をもろに受けたクワイエットが、高速で真横に吹っ飛んだ。
2機の対処を済ませたバーニングはすぐにアストラルの元へ駆け寄ると、立ち上がるアストラルに手を貸し、共に建物の影へと後退する。
「さんきゅ、助かった」
『こちらのセリフだ。危ないところだったが、おかげで時間を稼げた。本郷は向こうか?』
「交替してもらった。散弾砲とガトリングは壊してあるし、弾切れが心配だけど、しばらくはあいつ一人でまず大丈夫だ。問題はこっちだってんで、戻れってさ」
『まぁそういう手はずだからな。そうか、なら目の前の的に集中できるな。ユナイテッドの分断に成功したあたりから、やはり敵の連携は精彩を欠いている。ここがチャンスだ』
「その分出し惜しみは無しで来るみたいだぞ。クワイエットがそうだった。リフレクトも、使えるようになれば反射を使って一気に仕掛けてくるはずだ。なんにしても、ここから先は短期決戦だ」
両機は建物の影から身を出し、敵の位置を伺う。
『のんびり構えて、ユナイテッドの方に合流されても厄介だ』
「ああ、こっちからも仕掛けよう」
次の邂逅がそのまま決着に繋がると、飛鳥と隼斗は同じ直感を得ていた。
『集中していくぞ!』
「おう!」
風切り音が響き、ビルの影からクワイエットとリフレクトが飛び出す。
応じるべく、アストラルとバーニングが最高速で駆けだした。




