3章『欧州連合』:4
「そう一方的にはいかせてくれないよな!」
風切り音を響かせて二機がいるビルの上から飛び出してきたユナイテッドは、即座に構えたライフルをバーニングに向け発射した。
クローラーを使い、バーニングは地面を滑るように回避する。
機動力の低さをわかっているからか、ガトリングを掃射し執拗にバーニングを狙い撃とうとするユナイテッド。そこへアストラルが放った重光子弾が襲いかかる。
ユナイテッドは腕を引っ込めて、ひらりと空中で舞うように攻撃を回避した。
その隙にバーニングは腕だけをユナイテッドに向け、腕部に搭載したガトリングを撃ちこんでいく。
回避から攻めに転じようとしていたユナイテッドだったが、ここは冷静に建物の影へと飛び込んだ。
そのまま真っ直ぐアストラルの元へとやってきたバーニング。言葉を交わさず、二機は自然と背中合わせになる。
『ヒスイが破壊された。今は目が足りない』
「少しなんだ、凌げるだろ。泉美、何秒で来れる?」
『ヒスイを先行させてる。あと20秒、お願い!』
ホライゾンの機動力でも、ある程度の時間はかかる。特に敵の攻撃を凌ぐ能力に乏しいホライゾンとしては、一方的に索敵される状況は避けなければならなかった。
そのためホライゾン自身は身を潜めつつ、破壊されたものとは違う5機のヒスイを全て飛鳥達の元へ向かわせているようだ。そのヒスイが到着するまでは、クワイエットによる奇襲も含めて、アストラルとバーニングの二機で対応しなければならない。
建物の後ろに逃れたユナイテッドは飛鳥達にもまだ捕捉できていたが、自分から攻める事はできなかった。ここでバーニングと離れれば、お互いに背中を晒すことになる。
とにかく現状では死角をなくす以外にクワイエットの能力に対応する術は無い以上、ここは辛抱の時だ。ずっと背中合わせという事はさすがに無理だろうが、可能な限り敵に攻撃を行わせてからでないと、奇襲から一方的に流れを持って行かれかねない。
呼吸すら止まるような緊張感が全身を覆ったとき、隠れていた建物の影からユナイテッドが飛び出した。姿を現したのはバーニングの正面。こちらを視認するなり、間髪いれずにライフルを発射した。
撃ち出された緑の重光子弾を、バーニングは敢えて正面から受けとめる。機体に一瞬強い衝撃が加わるが、バーニングにとっては大きなダメージではなかった。
お返しとばかりにショートカノンを撃ちこむ。敵に回避を強要する事でガトリングガンの発射開始までのラグを埋め、ユナイテッドのそれよりも大口径のガトリングから弾丸を大量にばら撒いて追撃した。
見た目通り被弾には強くないのだろう、ユナイテッドは苦し紛れにガトリングを撃ちこみながらも、再度の後退を余儀なくされる。
結果二機はフォーメーションを崩さずに済み、次に現れたリフレクトにも冷静に対応できた。
斜め上へと飛び下がるユナイテッドの後方から、リボルバーレールガンを構えたリフレクトが突撃してくる。一度見られたからか躊躇なくレールガンを発射してくるが、タイミングを合わせてアストラル達は共に横方向に飛び退いた。
左右にバラける二機の間を超高速の砲弾が突き抜け、灼熱の残滓を残す。
『レールガンは受けたくもないが、ユナイテッドのライフルの威力は低いぞ』
「わかった!」
一時的に散開する事になっても、お互いの死角を意識し続けていれば奇襲にはある程度対応できる。
アストラルは建物の壁を蹴り飛ばすと、回避から一転、ライフルとブレードを構えてリフレクトへと突撃する。そこにバーニングが追従した。
後方に意識を集中させつつ、バーニングは後退を始めたリフレクトへとガトリングを掃射する。
「そこっ」
低空を滑るように回避したリフレクトの移動方向へ、アストラルがフォトンライフルを撃ちこむ。回避の間に合わなかったリフレクトに光弾が直撃するが、一瞬のけぞっただけですぐに姿勢を戻した。
『撃ち合いには強いようだ』
「なら踏み込むまで!」
バーニングのガトリングの援護を受けつつ、アストラルはさらに加速し、リフレクトへと近接戦闘を仕掛ける。
だが敵も単独ではない。
一度後退していたユナイテッドが、再び突進してアストラルの眼前へと割り込んできた。
「こいつ……ッ」
ブレードを構えて突っ込んでくるユナイテッドには、アストラルも対応せざるを得ない。互いの速度を光刃に乗せ、正面から叩きつけ合った。
ブレード同士を押し付け合いながら、飛鳥は言う。
「隼斗、突っ込め!」
言われるまでもないとばかりに、バーニングは速度を失ったアストラルとユナイテッドを置き去りにして一気にリフレクトへと接近する。バーニングは巨体故に加速力は低いが、地上であれば速度自体はかなりの物があるのだ。
前進と後退とで生まれる推進力の効率の違い、そこから生まれる速度差によってバーニングは彼我の距離を一気に詰めた。
想定外のスピードに、リフレクトの対応も遅れる。
とっさにレールガンから高速榴弾砲に持ち替え発射するが、止まないガトリングの弾幕のせいで、狙いは見当違いの方向へと向かっていた。
後方の建物が爆発で吹き飛ぶ中、バーニングは左腕を大きく引絞ってリフレクトに肉薄する。
腕部のハードポイントに固定されたパイルバンカーの先端がギラリと煌めき、拳がうなりを上げて繰り出された。
風を纏う必殺の一撃を、リフレクトは紙一重で回避する。
『なに……っ』
屈んだリフレクトの頭部スレスレの位置を、バーニングの腕部が突き抜けた。
直後、リフレクトの右手の甲部分を覆っていた円盤状のパーツが、まるでナックルダスターのように拳を覆う位置にスライドする。
腕を突き出した勢いに引っ張られているバーニングに向かって、リフレクトは膝を伸ばしつつカウンターのように円盤状の装備を叩きつけた。
重量差は大きく、そのパンチ自体に大きな威力はないはずだった。
だが拳を覆うナックルダスターのような武装がバーニングの装甲にぶつかった瞬間、その表面が炸裂し強烈な爆圧を吐きだした。
爆音と共に、バーニングの半身が大きく後ろに弾かれる。
『指向性爆薬だと……!?』
隼斗が驚愕の声を上げる中、リフレクトはさらに左手甲にも装備されていた指向性爆弾を拳の前へと移動させる。被弾の衝撃で大きく姿勢を崩されたバーニングには、反撃をする術はなかった。
出来ることは回避のみ。
左腕を引き絞るリフレクトを前に、バーニングはとっさにクローラーを逆回転させ、崩れた姿勢のまま一気に後方へと加速する。
だがその視線の先、遠ざかるリフレクトが引いた左の拳を放つことはなかった。
後方に加速するバーニングの動きを呼んでいたかのように、リフレクトは右腰のリボルバーレールガンを真っ直ぐに構える。左手にナックルダスターを装備している関係か、右手だけで銃を持ちながらも、しかしその狙いは正確だった。
(しまった――ッ!!)
真っ直ぐに後退させているバーニングは、言わば大きな的だ。差し向けられた銃口は、ぴたりとその巨体を捉えていた。防御の体勢を取るのも間に合わない。隼斗は直撃を覚悟した。
「させねぇ!」
青白い光弾がバーニングの頭上を突きぬけ、リボルバーレールガンの銃身に直撃する。
ユナイテッドと切り結んでいたアストラルが、一瞬の隙をついてユナイテッドを押しのけ、フォトンライフルを発射したのだ。
着弾の衝撃によって射線がわずかに逸れ、直後に轟音と共に銃口が火を噴いた。
音速の5倍に迫る速度で放たれた砲弾は、バーニングの装甲を掠め、その先の建物に巨大な穴を開けた。
『助かる!』
砲弾が引き連れるプラズマの余波が装甲を焼くが、熱に強いバーニングにとってはさしたるダメージとはならない。
そして本来は、両手で反動を押さえこんで撃つ武器であるリボルバーレールガン。それを片手で撃ってしまったリフレクトは、大きな隙を晒していた。
『今だ、いくぞアスカ!』
「やってやる、ブチ込むぜ!」
姿勢を強引に正し背部の迫撃砲をほぼ水平、リフレクトへと真っ直ぐ向けるバーニング。
ユナイテッドを蹴り付け、腰のプラズマバズーカ二門を構えるアストラル。
させまいと、弾き飛ばされたユナイテッドが空中で即座に制御を取り戻してライフルを構える。だがその直後、紫の閃光が遠方からユナイテッドに正確に襲いかかった。
とっさに反応したユナイテッドは身を捻り紙一重でこれを回避するが、ライフルから放たれた緑の光弾は見当違いの方向へと消えてゆく。
刹那、二つの轟音が重なった。
大口径の迫撃砲の砲弾と青く煌めくプラズマ弾二つが、高速でリフレクトへと襲いかかる。
絶大な破壊力を宿した攻撃を前に、リフレクトに打つ手は無いかに見えた。絶望したかの如く、リフレクトの全身の発光体が光を失う。
音が消えた。
いや違う。生まれるはずの爆音がその声を上げなかったのだ。
飛鳥達が違和感を覚えたその直後、リフレクトへと向かっていたはずの攻撃が、全く同じ弾速で真っ直ぐアストラルとバーニングの元へと戻って来た。
「なっ!?!?」
『反射したのか……!?』
アストラルはビームブースターで真上に飛び上がり、バーニングは身をかがめ、それぞれ跳ね返された攻撃を辛うじて回避する。
「ふざけ――――」
アストラルは空中で縦に回転すると、右手に持っていたフォトンライフルを、発光体の光が消えたリフレクトに向ける。銃口が淡い光を漏らした直後、強力な重光子弾を打ち出した。
「――――んな!」
一直線にリフレクトのコアへと突き刺さった光弾は、しかしグラスを打ち合わせるような甲高い音と同時に、その向きを180度変えてしまう。
「うわぁっ!?!?」
慌てて腕を振り上げて、跳ね返された高威力の重光子弾を紙一重で回避するアストラル。
『迂闊なことをするんじゃない!』
「もうやらない!」
さすがに肝が冷えたと、ヤケクソ気味な口調ながらもそう答える飛鳥。
対照的に隼斗はバーニングのコックピットの中で、冷静に思考していた。
(攻撃の反射、だがそれなら何故あの接近したタイミングで使わなかった? パイルを反射すればその場で破壊できていた上に、隙をついてレールガンを撃ちこむことも。レールガンを片手で撃つリスクはわかっていたはず。計算通りとは思い辛い。ならば……)
ガリガリとクローラーが地面を削って、バーニングは再度リフレクトに向けて突進する。
「隼斗!?」
驚異的な現象を前に、臆すのではなく前に突き進んだバーニングの姿に、飛鳥は驚嘆の声を上げた。
『確かめることがある! 他を抑えておいてくれ!』
それだけ答えて、隼斗は眼前のリフレクトへと意識を集中させる。
援護をしようと加速しかけるアストラルだったが、背中を向けてバーニングを追い掛けようとしていたユナイテッドを見て、そちらにフォトンライフルを撃ちこむと、続けざまにフォトンブレードで斬りかかった。
アストラルがユナイテッドを食い止めたことで、バーニングは単機リフレクトの方へと向かっていくことになる。
リフレクトは接近するバーニングを認めると、距離を取ろうと素早く後退を始めた。させじとバーニングは右腕を前に向ける。そこで短い駆動音を響かせたガトリングが、直後に大量の弾丸を吐きだした。
一直線に空を切る黒い嵐。だがそれもリフレクトの装甲に到達するなり、元来た道を帰るように真っ直ぐに反射される。
装甲接触時の入射角ではなく純粋な弾道を基準に反射されるのか、反射されたガトリング弾は恐ろしい正確さで自らの軌跡を辿る。バーニングからリフレクトへ向かう攻撃と、リフレクトから反射された攻撃とがぶつかり合い、大量の弾丸があらぬ方向へと次々と弾け飛んで行った。
その最中でありながら、リフレクトはレールガンを構える。襲いかかるガトリングの掃射を意にも介さず、バーニングへ向けて正確に高速の砲弾を撃ち込んだ。
「くぅッッ!!」
タイミングを合わせて身を捻ったバーニングだったが、あまりにも弾速が速過ぎる。
砲弾が右腕の火炎放射機を掠め、外装を抉り、さらには露出した燃料を超高熱のプラズマが炙った。
とっさの判断で武器をパージしつつ右腕を後ろに振るったバーニングの後方ギリギリの位置で、燃料タンクの液化メタンが一気に燃え上がる。それは爆発にも等しい体積膨張を引き起こした。
それでも機体から離していたことで、明確なダメージにはならない。それどころか隼斗はその爆風すら利用して、機体を一層加速させた。
正面のリフレクトはここでチェーンガンを掃射し始めるが、バーニングは多少の被弾を許容してわずかにジグザグの軌道を描くことで、失速することなく被弾を抑え前進する。
(攻撃と反射は競合しない)
地面を滑るように移動するバーニングの左脚部側面の装甲が展開、その内側からスライドして、ミサイルラックが姿を現した。
「なら……」
乾いた音を鳴らして、4発のミサイルが風を切る。
迫りくるミサイルを前に、なおもリフレクトはレールガンをバーニングに向けたままだ。反射をするつもりなのは明白だった。
「目を潰すまで!」
隼斗の言葉と同時、低空を駆けていたミサイル群が一転、翼をもがれた燕のように下方へと向きを変えた。
着弾したのはリフレクトではなく、その足元。
連続してまき上がる爆炎と土煙が、2機の間の視界を潰した。
「賽は投げたぞ。あとは丁半どちらが出るか!」
自身もリフレクトの姿を見失いながら、なおもバーニングは臆さず加速する。
道幅は機体3機分ほどだが、それでも攻撃一つではバーニングを確実に撃ち抜くことはできない。お互いに位置の見えないこの状況は、両者ともにまさしく丁半博打の世界であった。
リフレクトが発射を躊躇うならバーニングは土煙で姿を隠したまま、レールガンをまともに扱えない距離まで一息に飛び込むだろう。高速榴弾砲へと武器を持ち換えるのも同様。
ここでリフレクトから賭けに乗るという以外の選択肢を奪うべく、バーニングは自らが作りだした目隠しの中へと、臆すことなく突入した。
一転して、闇に呑まれる。
引き金が引かれれば、あとは当たるか否かの二つに一つ。
土煙の中に飛び込むなり、バーニングは機体を左にずらした。根拠などない。ただ隼斗が感じた直感に従ったのだ。
そしてバーニングが機体を横に滑らせた直後、分厚く視界を遮る土煙の向こうで、確かに光がきらめく。
その瞬間、発射音すら置き去りにするスピードで、赤いプラズマを纏った砲弾が土煙の中を一直線に突き抜けた。
突き抜けたのだ。
「掛けには勝った」
遅れて機体に叩きつけられた轟音も、もはやそよ風に等しい。
全速でもって分厚く立ちふさがる闇を駆け抜けたバーニングは、その勢いのまま土煙の壁を突き抜けた。
前方、レールガンの反動を腕で抑え込んでいるリフレクトの姿は、もはや目と鼻の先。
レールガンのシリンダーが音を立てて回転する。銀の銃口が鈍く煌めく。だがバーニングは止まらなかった。
「そしてこれで6発だ!」
空の武器を構えて何をするという。
舐めるなと言わんばかりに、バーニングは巨体に見合わぬ猛スピードでリフレクトに肉薄した。
パイルの先端をぎらつかせ、左の拳を撃ち放つ。まるで先ほどの再現のようだ。リフレクトの回避も、身を屈めるという全く同様の物。
ただ一つ違うのは、隼斗は回避される前提で攻撃を放ったということ。
「やはり格闘は」
腕を振り抜いた慣性を全身に乗せてその場で高速回転したバーニングは、その速度を巨大な脚に乗せ、身を屈めるリフレクトへと叩きつけた。
「届くようだなッ!!」
鉄塊同士をぶつけ合わせたような、腹の底に響く衝撃が周囲の空気を震わせる。
蹴り飛ばされたリフレクトは、驚くほどのスピードで後方へと吹っ飛んで行った。
一直線に真後ろに吹き飛んだリフレクトは地面に2度3度と叩きつけられ、それでも勢い収まらぬまま後方のビルの下階をぶち破った。辛うじて倒壊しなかったビルの内側が、大量の土煙に埋め尽くされる。
その奥、リフレクトのいる場所へ向けて、バーニングはガトリング砲を正確に撃ちこんでいく。
能力によって発射した弾丸が反射されるが、機体には届かないことを利用して、構わず掃射を続けながらゆっくりと接近していった。
ガトリングの弾丸が巻き込む風の煽りを受けて、土煙が吹き散らされる。ビルの中で片膝をついていたリフレクトの姿が、輪郭だけでなくその詳細も目に映った。
変わらず嵐のように弾丸を浴びながらもピクリとも機体をひるませずに、リフレクトはその場で立ち上がる。残弾の無くなったレールガンをおもむろに右腰部にマウントすると、左手で高速榴弾砲を構える。
ガトリングを絶え間なく打ちこみつつも、わずかに腰をかがめて素早く回避の準備をするバーニングだったが、構えられた榴弾砲から砲弾が放たれることは無かった。
消えていた発光体に光が灯り、黒い装甲に黄色いラインが走る。それと同時、構えられていた高速榴弾砲の砲口が激しくぶれた。
「っ、反射が切れた?」
リフレクトの装甲近くで激しくぶつかり合っていたガトリングの弾丸が、リフレクトへと確かに命中していたのだ。それまではどんな攻撃が命中しようが構わず攻撃を行っていたリフレクトが、バーニングのガトリングを浴びて機体を小さく怯ませていた。
たまらずといった様子でリフレクトは横へ飛退こうとしたが、一瞬迷うようなそぶりを見せた直後、ガトリングの弾丸を浴びながらも真正面に加速した。
被弾の衝撃で狙いの定まらない榴弾砲をバーニングに向け、強引に発射する。余裕を持って回避するバーニングのすぐ脇を、リフレクトは全速で駆け抜けた。
すぐ近くに居る敵機を無視するという極端な行動に違和感を覚えながらも、隼斗はそれを黙って見送る事はしない。
飛び去ろうとするリフレクトをすぐさま追い掛けつつ、左腕のショートカノンをリフレクトへ放った。
リフレクトはギリギリで反応して飛行軌道をずらそうとするが、放たれた砲弾が脇を掠め、その衝撃で姿勢を崩してしまう。
ぐらりと機体を傾けたリフレクトに向かって、バーニングはガトリングとショートカノンでさらに畳みかける。
被弾で姿勢を崩しながらも、リフレクトは綱渡りの冷静さを保っていた。ガトリング弾を背中に浴びながらも、ショートカノンの砲撃だけはギリギリで全て回避していく。
機体の純粋な速度では、やはり比較的軽量なリフレクトに分があった。
見た目にはかなりのダメージを負いながらも、リフレクトは追い立てるバーニングを引き離して、アストラル達が戦っている方へと高速で飛行していった。
追撃を止め、アストラル達の方へと戻ることに集中しながら、隼斗は思考を続ける。
(ああも無理に元の場所に戻ろうとするのか。やはり何かあるはずだ。ホライゾンの読心に干渉する、恐らくはユナイテッドの能力に。反射のギミックは見えた。いくつか条件が被っているようだが、概ね仕組みがわかったならば、対策のしようはある)
戻る前に状況が傾いてしまわないよう、バーニングも全速で駆けていった。




