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第35話

シアお姉様が言っているのは、12歳から15歳の貴族が通う中等科の学園のことだ。


そのまま高等科に進む人と、高度な勉強を希望する人は大学と呼ばれる学校へ行く。


大学は試験があり合格した者だけが入学でき、貴族、平民関係ない我が国の頭脳集団が通えるところで、貴族でも入学は難しい。


シアお姉様は、ユリウス殿下がわたくしと将来を考えたいと両陛下に相談し、我が家を調べたら、密輸の首謀者ではないかと疑いが出たこと、また偽の証拠もあったのではないか。


だから叔父を代理人にして、我が家を没落させたのではないか。


ただ途中でわたくしたちは無関係、叔父が主犯とわかったのではないかとユリウス殿下に詰め寄ったらしい。



シアお姉様の想像力がすごいし、行動力もすごいわ。


呆れると通り越して、やはりシアお姉様を怒らせないほうがいいとしみじみ思ったわ。


ユリウス殿下の話は、生徒会で仕事を一緒にしているわたくしのことを気に入っていたことが両陛下の耳に入り、両陛下は恋愛感情だと勘違いして、我が家を調べて婚約者にするのは反対だと殿下に伝えてきたことを聞いたそうだ。



「本人に確認を取る前に周囲が先回りしたということですか」


「そうみたい。それでね代理人の件はオーレリアン侯爵からの提案だそうよ。しかも叔父が勘当になっていたことを知られないようにするために書類を偽造までしていたそうよ」


だけどそのことが発覚した時もオーレリアン侯爵は知らなかった、書類を見ただけだし、親族が代理人をするのは普通のことだから責められるのはおかしいとしらを切ったらしい。



責任を感じたユリウス殿下は表立って援助ができないから、アレックスにジャクリーンは優秀だから、仕事のパートナーにすればシアお姉様と親しくなれるはずとそそのかしたそうだ。


当時からアレックスのシアお姉様に好意を寄せていたのって、結構知られていたってこと?



「マポラの件で、マサーヤ王国と関係が悪化することは防ぎたい。早く片を付けたいから協力してほしいと殿下に頭を下げられたのよ」


「シアお姉様。もしわたくしのことをユリウス殿下が好意を持っていたら、危険なことに協力してほしいと言うでしょうか?」


わたくしはお姉様の考えが違うと暗に仄めかす。



「そうは思わないわ。ユリウス殿下は外交担当で危険なこともある。あなたがそれに耐えられるか確認したかったのではなくて?」


だから2人が堂々と会えて今後のことを話し合うきっかけになればと、渋るシャルお姉様をシアお姉様が説得したらしい。


ユリウス殿下も影の護衛もしっかりつくから大丈夫だといったから、シャルお姉様も了承したとのことだった。



「影の護衛って?」


「我が家の船員とマサーヤ王国には言っているが、本当は王家の影だ」


昨日のユリウス殿下の応接室で話した時も、我が家の船員と言ったのは、用心のためとシャルお姉様が教えてくれた。



でもカールトン大将もわたくしたちの救出の際、殿下たちといたわよね。


昨日、シャルお姉様がユリウス殿下に聞こうとしていたことって、カールトン大将が王家の影ではないか、もしかしたらすでに引退はしているけれどその繋がりとか?


考え事をしていたけれど、シアお姉様がユリウス殿下のことをどう思っているのかと聞かれる。


だからわたくしは、中等科の時に親しくしていたがそれだけだと答えた。




それから1か月後、我が国でオーレリアン侯爵とモフィーネ子爵が処分された。


侯爵家と子爵家は取り潰し。


オーレリアン侯爵、モフィーネ子爵、元デイモンド伯爵は処刑。


元オーレリアン侯爵領は王家管理。


旧モフィーネ子爵領の一部はロックフェルト領になり、残りは男爵領として、今回マポラの首謀者捕らえ、撲滅に活躍したカールトン大将が男爵になった。



そしてアレックスが旧デイモンド伯爵領を賜り、伯爵になった。


他国との貿易で我が国との交流を盛んにしたことで国同士の友好も進展、そして税金もかなり納めていたから、以前から陞爵の話が出ていたアレックスだけれど、伯爵とは本人も驚いているわよね。


どう考えても我が家への配慮に感じる。



お祖父様に勘当されていた叔父を我が家の代理人にしたのは王家だし、そのせいで我が家は破産寸前まで追い詰められ、さらにはマポラと密輸の主犯と思われていたらしいから。


そしてわたくしも殺されかけたし、マサーヤ王国との関係悪化を防いだかしらね。


でもシアお姉様は複雑かも。


アレックスと結婚したら元婚約者の、両親を殺害した一族が治めていた土地だものね。




しばらく仕事は禁止とお姉様たちに言われて暇を持て余していたら、エドワード様からウィンストンへのご招待状が送られてきた。


お姉様たちにはどういうことかと詰め寄られる。


だから私はマサーヤ王国でエドワード様から聞いた話を正直に話した。


「あのウィンストン公爵が、ジャクリーンを気に入っていてエドワード殿のお相手にと言っているとは・・・」


「ジャクリーンはエドワード様のことどう思うの?」


シャルお姉様は戸惑い、シアお姉様はずばりと聞いてきた。



「まだ数度しかお会いしていませんのよ」


「でもマサーヤの大学を案内してもらって楽しかったのでしょう?」


マサーヤ王国での滞在中の出来事は姉2人には家に戻ってから話している。


「とにかくお会いしてきますわ」


私はシアお姉様の追及をかわして、話を打ち切った。


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