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第33話

その時ドンドーンと大きな爆発音が響き、ここも大きく揺れてグラスが落ちて割れた。


今度はもっと近くで爆発音が聞こえ、揺れもすごく積んであった木箱が崩れ、中に入っていた粉が空中に舞う。


大公殿下と叔父様もバランスを崩して倒れていた。


さらに爆発音の振動が続く。


そしてたくさんの足音が聞こえ、入ってきたのはユリウス殿下とエドワード様とカールトン大将だった。


「助かった」私はみんなの顔を見て気を失った。




それからわたくしが目覚めたのは3日後で、マサーヤ王国の王城の客室のベッドにいるらしい。


部屋付きの侍女が呼びに行ったようで、ユリウス殿下が部屋にやってきた。


「目覚めてくれてよかったよ。危険な目に合わせて本当にすまなかった」ユリウス殿下に頭を下げられた。


「殿下、誰もいないとはいえ、頭を下げられるのは・・・」



「いや、私の落ち度だ。まさかあのような場所で襲われるとは思わなかった。ところで体調はどうだ?」


「まだ体も頭も重く感じます」


「・・・そうか。君も王女殿下もマポラの粉を大量に吸ったから、もうしばらく休んだ方がよい」


「でも・・・」


「いろいろ知りたいだろうが、体が元気になってからだ。王女殿下は昨日目覚めている」


「わかりました」




それから医者がやって来て検査や軽い食事をとり、疲れがでたため休んだ。


数日間は吸い込んだマポラを早く体外に出すため、医者に言われたとおりに近くの庭の散歩や部屋でストレッチなどの軽い運動をして、水分を大量に取り、疲れれば寝るを繰り返していた。


最初は重かった体が徐々に普通に戻っていくのを、日が経つごとに感じている。


庭の散歩から戻りお水を飲んでいると、部屋の外からノックがする。


そばにいた部屋付きの侍女がドアに近づき相手を確認してからドアを開けた途端、「「ジャクリーン」」シャルお姉様とシアお姉様が駆け寄ってきた。



「2人してどうされたのです?」


「何を言っている。殺されかけたと聞いてどんなに後悔したことか!」


「顔を見せて」


シアお姉様は私の頬に両手を添えて、シアお姉様の方にわたくしの顔を向けた。


「血色はよさそうね。この話を了承した自分が許せないわ!」


「お姉様がた、犯人の1人は叔父様です。私だけでなく2人も対象だったと思いますよ」



「だけど・・・・」


「シャルお姉様、わたくしも事件の詳細はまだ聞いておりませんの。聞かれていますか?」


「いいや、その件もあってこの国きたのだ」


それからしばらくして、エドワード様がわたくしたちを呼びに来た。


どうやら事の真相を教えてくれるらしい。





案内された場所は、円卓の会議室椅子一つ空席になった両隣にユリウス殿下とルクレッツィア王女殿下、王女殿下の隣に宰相はじめマサーヤの大臣が座っていた。


ユリウス殿下の隣にエドワード様が座りその隣にシャルお姉様、シアお姉様、わたくしの順で座る。


しばらくしてマサーヤの国王陛下がやってきて、ユリウス殿下とルクレッツィア王女殿下の間の空席に座られた。



「集まって貰ったのは、今回の誘拐事件の真相を話すためだ」


険しい顔をしている国王陛下の言葉で、マサーヤ王国の宰相は口を開いた。


どうやら叔父たちは、マポラの主犯をわたくしたちロックフェルトにするために、王女殿下殺害を企てたらしい。


そしてシャルお姉様の追及を逃れた我が家の元船員が、私たちの指示だったと証言する手はずになっていたそうだ。


ただそれだけでは面白くないと大公殿下がいい、両国の関係性を悪くするために、わたくしも殺害することにしたそうだ。



大公殿下はとにかく国内で不安を煽り、マポラを国中に蔓延させマサーヤ王国を滅亡させたかったらしい。


「国を滅ぼしたかったのなら、戦争だろうに」


「ロックフェルト侯爵、大公殿下は戦争してマサーヤが勝つかもしれない今はしなくてもいいという判断だったようです」


マサーヤの宰相が答える。



わたくしたちの叔父は、オーレリアン侯爵、ウィスロー伯爵と組んで魔鉱石とマポラとヒール草の密輸をしていたそうだ。


オーレリアン侯爵家は王家が決めた輸出量以上の魔鉱石を売っていたらしい。


叔父はウィスロー伯爵経由で大公殿下と接触し、大公殿下とマポラをこの国に蔓延させること、マポラの首謀者をロックフェルトにする計画をしていたそうだ。



「どうしてそのようなことを・・・」


わたくしは思わず声を出してしまった。


大公殿下がこの国を、王家を恨んでいることを叔父が気づいて話を持ちかけたようだ。


「なぜ叔父は気づいたんだ」


わたくしもシャルお姉様と同じで、叔父が大公殿下の気持ちに気づいたのか疑問に思った。



マサーヤの宰相がいうには、大公殿下と叔父であるベンジャミン・ロックフェルトは、立場が違えど境遇が似ているとのこと。


大公殿下は側室のお子様で、国王陛下の兄君でスペアとしての教育はされたが、国王陛下の周囲が警戒して国政には携われなったらしい。


叔父もわたくしたちのお父様のスペアとしてお祖父様に厳しく育てられたが、優先されるのはいつもわたくしたちのお父様だったとか。


そして叔父はお祖母様の子になっているが、お祖母様に2人目がなかなかできなかったので、お祖父様が他の女性に産ませた子供が叔父で、お祖母様が実子として受け入れたそうだ。


すべてを知りお祖父様に反発して家を出て、事業を起こしたが失敗。


借金を返すためにオーレリアン侯爵に誘われ、密輸に加担。密輸を祖父に気づかれ、病気に見せかけ殺害。


わたくしたちの両親は、ヒール草の密輸組織が我が領を使っていることに気づき、加担していた我が領の隣のデイモンド伯爵家・モフィーネ子爵の密輸の証拠揃え、王家に告発しようとして両家に殺されたそうだ。

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