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第31話

最初、王女殿下は身代わりをたてることを反対したそうだが、マサーヤ側としては安全が確保できなければ、我が国への訪問はしなくていいという意見が大半だったそうだ。


今回の魔道具の件は伏せていたにもかかわらずだそうだ。


完全に魔道具のことをマサーヤ国の上位貴族たちは知っているということね。


つまり王女殿下側に情報を流しているスパイがいるということ。



マポラか魔道具の共同開発阻止かわからないけれど、今回我が国への訪問は王女殿下を襲う絶好の機会になる。


我が国としては共同開発の権利は欲しいし、王女殿下を襲う者たちを捕まえれば恩が売れる。


ついでにマポラ撲滅のきっかけができるかもしれない。


だから王女訪問を実現させるために、替え玉を我が国で用意したくて、ちょうどマサーヤ語も話せて、見かけが似ている私が選ばれたということのようだ。


王家としては、マポラの解決がロックフェルトで出来なかったから、今回協力要請してもシャルお姉様が断わらないと思ったのかもしれないわね。




打ち合わせを兼ねて話していると1時間経ったので、透明な魔鉱石を入れた小箱の前にみんなで移動する。


エドワード様が小箱から取り出した魔鉱石は薄いブルーがかっていた。


そしてその魔鉱石をランプの魔道具にはめ込みボタンを押すと点灯した。



「これはすごいな。何個まで一気に再生可能なのだ?」


「まだ5つが限度だし、魔素の収集した場所からの専用魔道具の輸送など考えると、魔鉱石を普通に買うほうが安い。せめて同値段ぐらいまで下げられるようにしたいとは思っている」


「まだ時間はかかりそうだな」


「仕組みは開発できたのだから、あとは改良でどこまで魔素を効率よく集められるかだろう」


わたくしはユリウス殿下とエドワード様の会話を黙って聞いているだけだった。




翌日、ユリウス殿下の歓迎パーティーがおこなわれた。


その中でルクレッツィア王女殿下が魔鉱石の再生可能な魔道具を開発したと同時に発表され、パーティーはどよめきと興奮が入り混じっている。


ただ開発できたけれど、コスト的にはまだまだ魔鉱石の価格よりも高額になるため、さらなる研究が必要とも説明された。


だけどコスト的に見合う魔道具ができれば、他国に対してマサーヤ王国は優位に立てるから、外交を担っている貴族はルクレッツィア王女殿下の周りに集まっていた。


ウィスロー伯爵を探すと、知らない貴族と話していたが、顔は笑顔だけれど若干引きつっているようにも見えた。



「ジャクリーン嬢、エドワードを紹介しよう」


これから騙し合いが始まるようだ。


エドワード様とはこの国に来て初めて会うふりをしてお互いの紹介が終わると、ユリウス殿下はルクレッツィア王女殿下の元に行った。



「エドワード様は、なぜマサーヤ王国へ留学をされたのですか?」


「私の論文、この世界には魔素があり、それを吸収した鉱石が魔鉱石だという説を信じてくれたのが、ルクレッツィア王女殿下でね。一緒に研究しないかと持ち掛けられたのだ」


「まぁ、そうなのですね。お父上の公爵様なら王女殿下と同じように信じてくださったのでは?」


「面白いとう感想だった。だけど研究は他人に任せて、公爵家や国のために働くように言われたよ」


でもルクレッツィア王女殿下から誘いがきたから、大学期間中は目をつぶってくれたようだと詳細まで教えてくれた。



「わたくしとの見合い話をこの国の方は、信じてくださるのでしょうか?」


「君は実際、私の相手として第一候補だよ」


「えっ?」


「君は周辺国の言葉はすべて話せるし、仕事関係で他国にも知り合いは多く、多少のことでは狼狽えたりしないだろう。我が家にとっては理想の相手だよ」



「でもわたくしは、国の中では行き遅れ部類に入りますし・・・・」


「全然気にしていないかと思ったのに意外だよ」


「そんな・・・・」


「父上が君と私を引き会わすためにユリウスをせっついたのだろう」



「そうなのかい?私はてっきりユリウス殿下の意中の人で、王女殿下とは結婚したくないということだと思っていたのに残念だよ」


振り向くとマサーヤ王国陛下に似た男性が数名の貴族を引き連れていた。



「これは大公殿下。気づかず申し訳ありません」


エドワード様が頭を下げ、私も慌てて同じように頭を下げる。


「いや、ユリウス殿下の意中の人を見ようと来ただけだ。どうやら私の勘違いだったようだ。お見合いの場に邪魔したね、失礼するよ」


大公殿下たちは去って行ったので、わたくしは唖然としてしまった。



「普通、間違ったとはっきり言わないですよね」


「まぁ、あの方は国王陛下の兄君なのだが、母親が側室の方なので大公になられた方なのだ。国政には関与せずに、面白そうな話には興味を持つ方なのだよ」


それからは誰もわたくしたちの側に来る方はいなくて、ずっとエドワード様と会話してパーティーは終わった。



翌日もわたくしはエドワード様に、マサーヤ王国の大学を案内してもらい、自由に参加できる講義を聴いたりとそれなりに楽しく過ごした。


2日後、ある程度マサーヤ王国と新しい魔道具の共同開発・販売について方針が決まり、明日我々とルクレッツィア王女殿下が、我が国ナッカリア王国へ訪問されるため、マサーヤの王城を出立する。


ここからがわたくしの本当の出番である。

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