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第26話

「急転直下の解決だったね」


「しかしヘロン商会を実際に動かしていた人物は取り逃がした」


「リカルド・オーレリアンは形だけのトップで、最初から判明した時には切り捨てられる予定だったのだろう」


「最初から切るための操り人形か?」


「おそらくね」



リカルドは婿養子先の事業を失敗していて、その事業のせいで実家のデイモンド伯爵家も負債がかなりあったそうだ。


「マポラを作ったのもデイモンド伯爵家か?」


「いや、海外で売れている薬だと説明されて、製造を請け負っていたらしい。国内は承認が降りないと聞かされていたそうだ」


「途中で気づいたのではないか?」


「おそらくね。でももう引き返せないところまできていたのだろう」



「オーレリアン侯爵家は、共犯なのか?」


「いや、違うと主張している。実際にリカルドに事業を失敗され負債をおったが、侯爵家は魔鉱山や宝石の鉱山があるからすべて精算済だ。リカルドは最近、侯爵家に戻ってこない日も多かったようだよ」


魔鉱山とは、この世界のエネルギーみたいなもので、生活には欠かせないものだから、管理は侯爵家でも採掘量、販売価格は国が決めている。


マッケンジーは王家側が調べた結果を詳しく教えてくれたが、王家から私に話すように依頼されているかもしれない。



「お前さんは、我が家に罪を着せるために何か仕掛けるといっていなかったか?」


「残念だけれど、相手が上手でね。おそらく罠だと気づいて、リカルドたちを切り捨てたのだと思う」


マッケンジーは解決を急ぎ過ぎたようだともいう。


私との婚約話、販売拠点を潰して、王家が我が家に強制捜査にはいる噂を流す、急に色々と動き出したことが、逆に怪しまれリカルドとデイモンド伯爵家を切り捨てたということか。


ということはロックフェルトを陥れようとした本当の黒幕の貴族と、ヘロン商会の首謀者も捕まえられていない。



「しかしロックフェルト領からは撤退しただろうから、あとは王家に任せればいいよ」


「なぜ、そういいきれる」


「マポラの生産工場を潰されたのだ。すぐに生産を再開するにしても材料が手に入らない。この周辺の領地だと警戒もされるから、ロックフェルトを落としいれることまで手が回らないだろう」


「お前さん、何か知っていることがあるんじゃないのか?」


マッケンジーは首を振る。


「ユリウスの見解だ」



「ユリウス殿下の?」


「そうだ、今回マポラを追っていたのはユリウスだ」


マッケンジーはそれ以上教えてくれなかったが、我が家を助けてくれるように依頼したのはユリウス殿下のようだ。


しかしなぜだろうか、我が家を破産寸前までにした、王家の罪滅ぼしか?


まぁいい、やっとマポラの件が落ち着く。


これでマッケンジーとの恋人ごっこも終わる。



「ならもうあんたとも会わなくていいな」


「どうしてだい?」


「はぁ?!婚約するかもの噂をなくすには会わないのが一番だろ」


「このまま継続でもいいけれど?」


「冗談もよしておくれ」



「私のもう一つの仕事を女性は嫌うだろう?でもシャル嬢なら理解してくれるし、私もあなたのすることをよっぽどのことがない限り、止めるつもりはない」


「お互いメリットだからっていうのか!」


「いや、結婚してから恋愛をしてもいいと思うがどうだい?」


「断る!!」


私は立ち上がり部屋を出る。食事中だが構うものか。





そのまま店を出ようとドアを開ける。


「お嬢、デートですかい?お相手を紹介いただきたいですね」


ゲイルたち数名が店の前でニヤニヤして立っていた。


「ゲイルたちがなんでここにいるんだい!」


「いや近くを通っていたら、お嬢がドレス姿でレストランに入って行ったって噂になっていたから、これは婚約者様がこの地にきているのだと思ってご挨拶に来たんです」


「挨拶じゃなくて、冷やかしにきたんだろ!!」


「何をいっているんです。お嬢の未来の旦那に挨拶するのは当たり前でさぁー」


ゲイルは一緒にきている船員に同意を求めていた。



私に追いついたマッケンジーが「それはありがとう。私はレイフォード・マッケンジーだ、よろしく頼むよ」


「マッケンジー!!」


「へぇー、この方がドレス姿も似合うといわれているお方ですかい」


「おや、私の仕事も知っているのか?」


「もちろんですわー、お嬢の旦那です。この領都民を舐めてもらっては困ります」



私たちがレストラン前で話していると、次第に周辺に人だかりが増え始める。


「あの方が・・・」


「美男美女でお似合い」


「ご領主様のドレス姿初めてみたかも」


あちこちから声がした。



私が爆発寸前なのを察したマッケンジーが領民たちに話しかける。


「まだ正式には決まっていない。シャル嬢を口説いている最中なんだ。今日のところはこれで失礼するよ」


私の手を取って馬車に乗り込んだ。



「マッケンジー!!」


早速馬車の中で抗議をする。


「嘘は言っていない。だから覚悟してね」




「お姉様、領民たちにレイ様をご紹介されたのですってね」


マッケンジーとの食事後、屋敷に戻り着替えて執務をしていると、フェリシアが執務室に入ってきて嬉しそうに私に問いかけてきた。


「付き合っていない!」


「まぁ、お姉様。ならなぜレイ様と合う時にドレス姿で?」


「それはマッケンジーに言われて・・・・」


「なら、お姉様もまんざらではないということでしょう?」


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