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第25話

「お嬢、とうとう婿を迎えるようで、おめでとうございます」


「ゲイル。領都にいるお前さんが、なんでそんな噂話を知っている?」


私は王家主催のパーティーの翌日には、領地に向かって王都を出た。


そして今は領地に戻り、いつものように海に出て海賊を探して回っている最中だ。


ただ周辺には商船もいないから、ゲイルが声をかけてきたのだろう。



「お嬢がお洒落をして婿殿と会いになっていると、王都だけでなく領内でも噂ですぜ」


「なんでゲイルが王都の噂話を知っている?ましてやその噂が領内にまで広まっているって本当か!」


ゲイルが内通者なのか?


いや内通者なら噂話を私に言ってくるか?


あとマッケンジーは領内まで噂を流したのか?



「飲み屋で領都から来た商売人たちが話していますから、広まるのは早いですぜ」


ゲイルがニヤニヤしながらこちらを見ている。


私は頭を抱えたくなった。


あくまで王都内の噂で納まると思っていた。


まさか王都からの商人が話すとは・・・・迂闊だった。



「しかもお嬢の相手って、女装がとても似合う人らしいじゃないですか。いやぁー、おもしろ夫婦になりそうで、みんなお相手に早く会いたいみたいですよ」


「・・・・ゲイル、あんたが楽しそうじゃないか!!」


「そりゃぁ、お嬢の旦那だし、変わったお人なら、お嬢のやりたいようにさせてくれそうだから、よかったじゃないですか」



「ゲイル、無駄口を叩くな。お前がさぼっている間に、こちらに近づきそうな船が見えているぞ」


ロバートが指さした方を私たちは見る。


「本当だ、海賊船か確認しないと」


ゲイルは急いでマストを登って見張り台に行った。



「シャルロッテ様、両親が変なことを言ったようで申し訳ありません」


「いや、こちらこそ悪かったよ。私の副官になることで、周囲からお前さんが私の婿候補だとみられるとは思わなかった」


「まぁ、私も抜擢された時は考えましたが、すぐに違うと解りましたから」


「そういってもらえると、気が楽になるよ」



「お嬢、海賊船ですぜ」


ゲイルが見張り台から大声で叫んでくる。


「わかった、みんないつものように頼むよ」


ほんとうにこの船の者たちの中に内通者がいるのだろうか?


私は首を振り、考え事を中断する、いまは海賊を捕まえることに集中しよう。




今回も海賊討伐はうまくいったが、ロバートが慌てて私のところへくる。


「何かあったのか」


「とにかくこちらへ」


ロバートは周囲にいる者たちには、話たくないのか内容を言わずに海賊船の内部に案内する。


そこには攫われた人たちがいたが、この部屋にいる人はマポラを飲まされていないらしい。



突然となりの部屋と繋がっていると思われる部屋から、ドアを思いっきり叩く音がする。


何かわめき散らしているようだ。


ロバートはドアを押して部屋へ入っていく。


ドアが突然開いたからか、バランスを崩して倒れたのは3人の男性。


そのうち一人には見覚えがあった。


リカルド・デイモンド、いや今はリカルド・オーレリアンか。


フェリシアの元婚約者だった。




海賊たちの尋問でわかったことは、リカルド・オーレリアンたち3人は、ヘロン商会の人間だったようだ。


今回アジトを潰され、マポラを奪われたことで仲間割れをしたようで、対立した仲間にマポラを大量に飲まされ、口封じで海賊に売られたようだった。


「なぜ、海賊どもが知っているんだ」


「どうやら、たまに正気になるときがあったらしく、自分はヘロン商会の幹部だとかトップだと騒ぐことがあったそうです」


「トップというのは・・・・」


「リカルド・オーレリアンです」



この件でデイモンド伯爵家に王家から強制捜査が入り、マポラを作っていたことが判明した。


ただマポラを作っていた人物が、数名行方不明だそうだ。


だから解決はしていない、国内か国外かはわからないが、どこか拠点を移したのだろう。




それから我が海軍からの内通者は大将1名と中将2名とその側近だった。


あまりの人数の多さに驚いた。


どうしてわかったかというと、ヘロス商会のリカルドたちと一緒に切られた者のうち一人が、治療で完全ではないが回復し、自分の刑罰を軽くするために、自分が知っていることをすべて喋ったからだった。



そして捕まった大将たちへの尋問でわかったことは、ヘロン商会が切りたい海賊を引き渡す代わりに、こちらの情報を渡していたらしい。


海賊を多く捕まえることで、我が海軍内での発言力を高め、他の大将を退け、配下の中将を大将にして海軍を意のままに操りたかったようだ。


ヘロス商会も海軍が味方になれば、やりたい放題になる。


お互いの利益のために手を組んだようだ。中には借金で脅されていた隊員もいたが・・・・。


唯一の救いは、私の船の船員たちにはいなかったことにはほっとしたが、内通者の多さに私はショックを隠し切れなかった。


しかし落ち込む暇もなく、海軍の立て直しや王家への報告など仕事に忙殺される日が続いている。


そんな中、マッケンジーが我が領都にくるというので、今回の件についてもっと詳しく聞くために、マッケンジーと食事をすることにした。

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