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第22話

その日の夜、姉妹3人で夕食をとっていると、フェリシアが嬉しそうな顔をして私に話しかけてくる。


「お姉様、レイ様とのお出かけどうでした?楽しかったですか?」


「なんで、マッケンジーと食事をしたと知っている?」


「わたくしの情報網を侮らないでくださいまし。我が家の従業員からではないのでご安心くださいませ」



ジャクリーンまで興味を示し話に加わる。


「お二人ともいつもの恰好で会われたのですか?」


「ジャクリーン違うわ。お姉様はドレス姿、レイ様は男性の恰好よ」


「まぁ、それを見た方々から噂が広まりますわね」


「そうなのよ。お姉様とレイ様が、結婚を前提にお付き合いを始めたなんて嬉しいわ」



「えぇー、シャルお姉様、本当ですか?」


「結婚前提ではない。ただマッケンジーの話は、私が知らないことが多くて参考になるんだ。悔しいが教えを乞うている状態だ」


「お付き合いを始めたことは、否定なさりませんのね」


フェリシアの声が弾んでいる。



「やっぱり、わたくしの目に狂いはなかったわ。お姉様とレイ様ってお似合いだと思ったのよ!」


くっ、否定したいが、否定すると、ヘロス商会を叩き潰すきっかけがなくなってしまう。


ヘロス商会の奴ら、この犠牲は本当に高くつくから覚悟しろよ!!





「お姉様、今日の王家のパーティーのエスコートをレイ様に頼みませんでしたの?」


「フェリシア、なぜ私が頼まなければならないのだ。それにマッケンジーはおそらくドレス姿だろう」


「まぁ、お姉様もレイ様から申し込まれたかったのですね。レイ様がお仕事でドレスを着られるのなら、お姉様がレイ様をエスコートして差し上げればよかったのではないですか?」


「フェリシア、本気でいっているのか!」


「もし実現していたら、今日のパーティーの話題独占でしたわね」


「ジャクリーン!」



「わたくしとシャルお姉様は、同じ馬車でいきます。シアお姉様は、アレックスの馬車で行ってくださいな」


「えっ、わたくしも一緒に・・・・」


「シアお姉様、本気で言っています?またアレックスが使い物にならなくなってしまうではありませんか!」


どうやらアレックスは、フェリシアと恋人同士になってから初めて一緒に出席するパーティーなので、浮かれまくっているらしい。


お前がフェリシアをしっかり捕まえていれば、私はこんな目に合わなくてすんだのに・・・・。


あのヘタレ、どうしてくれよう!!





王城のパーティー会場に入ると、私を見てヒソヒソ話が始まっている。


チッ、この様子じゃぁ、相当噂が広まっているとみえる。


作戦とは言え、今日はめんどくさい1日になりそうだ。


ジャクリーンは仕事関係の人間に挨拶に行くといって別れると、いつも私に挨拶をしてくる数人の令嬢が私を取り囲む。



「シャル様、今日のドレスとても素敵です。わたくしたちでは着こなせないデザインですわ」


「ほんとうに、でも今日はシャル様の男装姿が見られるかと期待しておりましたのに・・・・」


「まぁ、わたくしもですわ」


「どうして男装だと?」


私は王家主催のパーティーはドレス姿で、男装で来たことは一度もない。


令嬢たちは思わせぶりな顔を私にしてから、1人が口を開く。



「レイ様がドレス姿なので、シャル様が男装して、ダンスを踊られるのかなと思ったのです」


ここにもフェリシアと同じ発想をする令嬢たちがいたのか!!


「素敵だと思ったのですが、残念ですわ」


「いつかは見たいです」


「美男美女だからお似合いですわ」


私は言い返すことも、言い訳をすることも出来ず、令嬢たちのお喋りをただただ聞いていた。



満足した令嬢たちと別れて、会場を歩いていると、腐れ縁のハンフリー伯爵夫妻と、親友のカリーナと旦那のアーチャー侯爵がいるグループを見つけたので、輪の中に入る。


「シャルロッテ、やっと結婚する気になったのね。しかもレイ様だとは!もう、先に教えて貰いたかったわ」


「本当だよ、噂で知らされるなんて薄情者のすることだぞ」


ハンフリー伯爵夫婦が立て続けて私を責める。


この2人は小さい頃のお茶会で仲良くなった2人で、そのまま2人は恋人になり結婚したという、貴族には珍しいタイプの人間だ。



「2人が言う通りよ。妹のどちらかが結婚して、後継者を産んでくれればいいなんて言っておいて、いつ気が変わったのかしら?」


からかうような、面白がるような話し方をするのはカリーナだ。


「ちょっと仕事がらみで会っているだけだから」


私が不機嫌な声で話すとみなが笑い出す。


「そういうことにしておきましょうか。ただ正式に決まったら、招待状で知らせるだけというのは、私たちにはやめてよね」


私をからかって満足したのか、そこからは各領地の話や他国のことなど情報交換をして過ごすことができた。



みんなと別れて挨拶を続けていると、声をかけられる。


「ロックフェルト侯爵、結婚が決まったようで、おめでとうというべきかな」


「ウィンストン公爵・・・・」


「王家を頼りたくなかったのなら、マッケンジーではなく我が家を頼ってくれても、よかったと思うのだがね」


「なんのことでしょうか?」



「苦戦しているようだからね。手伝おうかといっているのだよ」


「ウィンストンにメリットがあるように思いません。我が家から見返りなど、ウィンストンの利になるようなものはないと思いますが?」


「国の平和を願うのがウィンストンだ。早く解決してほしいとう理由では納得しないかい?」



マポラとヘロス商会のことを言っているのはわかるが、我が家を潰そうとしている黒幕はウィンストンか?


ウィンストン公爵の機嫌を損ねるようなことを我が家はしていないはず。


それとも手伝うことによってウィンストンに何かメリットがあるのか?


私が返答に悩んでいたとき、別の男性が声を掛けてきた。


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