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第21話

「レイ様、いらっしゃっていたのですね。もしお時間があればよろしいですか?」


シャル嬢の執務室を出た途端、フェリシア嬢が待ち構えていた。


フェリシア嬢はお時間あればと言っているが、話を聞くまで返さないぞという意気込みを感じる。


案内されたのは応接室だ。


すぐに侍女がお茶を運んで来ていなくなる。



「いいのかい?侍女を部屋に待機させなくて」


「わたくしとアレックスを結び付けようとしたレイ様ですから」


「信用されていると思っていいのかな?」


フェリシアがクスッと笑う。



「レイ様のドレス姿、宣伝もあると思いますが、貴族の身持ち固い奥方様たちが、レオ様のドレス姿の方が安心されるのではないでしょうか?」


「さすがだね。この姿だと悪さもできないだろ。だから旦那サイドも安心するのだよ。さて私に何か用があったのだよね」



「お姉様と仲がよろしいのですね。知りませんでしたわ」


「どうしてそう思う?」


「お姉様が執務室で話をされるなんて、今までありませんでしたから」


・・・・シャル嬢、逆に周りから怪しまれているぞ。



「実は君のことでお礼をいわれたのだよ。応接室だと君が入ってくるだろうからと言っていたよ」


「まぁ、お姉様ったら」


「それだけ、君とアレックスのことを心配していたんだ。シャル嬢だけでない、妹君からもお願いされていたからね」


「ジャクリーンもですか?」


「そう、私から聞いたといって2人を責めないでね」




「ところでレイ様、お姉様のこと、どう思われます?」


「はい?」


「お婿にきてもいいと思えるぐらいの好意はありませんか?」


私は飲もうと持ち上げていたティーカップを持ったまま、固まってしまった。


フェリシアは私の状態を気にせずに話を続ける。



「わたくし、レイ様とお姉様、すごくお似合いだと思うのです。お姉様が気を許されている殿方って、レイ様ぐらいですわ」


「・・・・それは性別逆転しているとか、面白がって話しているとか?」


「違います。レイ様って剣を握っていますよね。騎士並みの手をしています。それに他国や国内の情勢にも詳しいですし、もしお姉様と結婚しても、貴族たちのからかいなど、気になさいませんでしょう」


心が決まったら、お姉様のこと頑張って口説いてくださいね。わたくしの協力が必要なら、いつでもおっしゃってくださいと、フェリシアは私に不適に微笑んだ。





「私に女の恰好をして来いと呼び出したからには、それ相応の情報を教えてくれるのだろうな」


私はマッケンジーに会うなり、先手を打って先に話し出した。


今日の私はマッケンジーからの依頼で女の恰好をしている。


いわれたとおりにするのは癪だが、考えあってのことだと思い、グリーンのシンプルなドレスを着てこの店に来たのだ。



「まずは掛けて、食事をしながら話そう。ここは個室だし、防犯はしっかりしている店だ」


マッケンジーも女の恰好ではなく、男性貴族の恰好をしている。


そして私の椅子を引いて座らせる。


マッケンジーが余裕でスカしている顔を見ると、イライラしてきた。


私の態度を見てマッケンジーがため息をついて説明してくれた。



どうやらフェリシアが、私の執務室でマッケンジーと会っていることに、疑問を持っていたこと、あと私の婿にならないかと言っただってーー。



「フェリシアがあんたに私の婿にならないかって言っただって。ならここに私を呼んだことで、フェリシアが勘違いするじゃないか!!」


私は向かい合わせで、座っているマッケンジーに噛みつく。


「話はまだある。ここからが本題だ」



ノックがありドアが開き、食事が運ばれてくる。


ちょっとカッとなってしまったが、今後マッケンジーの仕事にかこつけて呼び出し、我が家で話しをすることができないことはわかった。


少し冷静にならなければ・・・。


従業員たちが退出すると私から口を開く。



「さっきは悪かった。あんたが考えもなく呼び出しするわけがないのに・・・・」


「いや、手紙だと詳しくは話せないからしょうがないさ」


マッケンジーからの提案は、私とマッケンジーが外で会っていると噂さが広まれば、敵が動くのではないかというのだ。



「私が女の恰好をしてあんたと会っている。…確かに公爵家の次男のあんたとだ。我が家を潰したい奴らだ。公爵家と我が家が手を組むのを嫌がるだろうね」


「あぁ、今のままでは相手に翻弄されて終わるだけだ」


「海軍の裏切り者のあぶり出しもしないといけないし、こちらから向こうを慌てさせて、尻尾を掴むチャンスだ。だけどどうしてそこまで、してくれるんだい?」



「ある人物から頼まれたのもあるけれど、こっちも喧嘩を売られたから、買おうと思ってね」


レイフォードが肩をすくめた。


「頼んできたやつって?それに情報屋のあんたに喧嘩を吹っ掛けたって、どういうことだい」


「頼んできた人物についてはいえない。あとうちの情報屋を乗っ取ろうと企んだことかな」


「はぁ?!」



「うちの情報は精度が高い、後ろめたい仕事をしている奴らだ。精度の高い情報は欲しくてしょうがないだろうから、うちの人材を引き抜きたかったのだろうね」


「幹部が引き抜かれたのか?」


「いいや、下っ端でもないよ。向こうはこっちの情報をまったく知らない人間を幹部だと思って引き抜いたんだ。使えないとなると、次は強引な手を使ってくるかもしれない」


その引き抜いた者と顔見知りな者が、次に狙われるから、マッケンジーとしても潰しておきたいということか。


「わかった。あんたもヘロス商会や、裏で繋がっているだろう貴族を潰したいということなら、手を組もう」


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