表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/37

第16話

翌日、アレックスは両手いっぱいの赤いバラの花束持参で我が家にやってきた。


今日は応接室ではなく、庭のあずま屋で話をすることにする。



「ここに通されるのは初めてだよ。庭が見えて、今の季節はいいな」


「ありがとう。ロックフェルトが立ち直ったのはアレックスのお陰だわ、本当に感謝しています」


私は軽く頭を下げる。


「いいや、君たち3姉妹が得意分野で頑張ったからだ。私は手助けを少ししただけだ」


「ありがとう。ところで私を好きだというけれど、ジャクリーンに紹介されるまで接点ないわよね」


私は気になっていたことをはっきりと聞くことにした。



「君は忘れているだろうけれど、私が10歳の時のお茶会で会っているんだ」


アレックスがポケットから取り出し、私に見せてくれたのはハンカチだった。


ダリアの花と私のイニシャルが刺繍されているが、今見ると不格好だ。


当時の私は刺繍の練習でいい具合に出来だと自慢しようとエリーザたちに見せたくて、お茶会に持って行ったものだからよく覚えている。



「あの時の男の子って、アレックスだったの?」


「あぁ、そうだ」


アレックスがいうお茶会は、最初席が決められていて、途中から自由に動けるようになっていた。


決められた席に座り、横に座ったのがアレックスだった。


ただ当時のアレックスは、体型がぽっちゃりさんだったから、まったく今まで気づきもしなかなかったわ。



「あの時、同じテーブルに座った同年代の男子に、容姿でからかわれていたのを助けてくれたのがフェリシアだ」


からかっていた男の子は公爵家の子で、アレックスは反論できず下を向いていた。


それも気に入らなかったのか、男の子が何とか言えとアレックスの肩を押して、アレックスはバランスを崩して椅子から落ちたのだ。


その時、私がアレックスに手を差し伸べ起こし、服についた土をハンカチで払っていると、アレックスが自分ですると私のハンカチを手に取り、自分で土を払い始めた。



私は公爵家の男の子の方を向いて、やり過ぎだと注意したのだ。


顔を真っ赤にした男の子は、こんな席にいられるかと言っていなくなってしまった。


「私は君に好意をいだいた。でも伯爵家の次男で自分に資産があるわけでもない。君は侯爵家の令嬢だ。釣り合わないと思っていたのだ」


それでもチャンスがあるかもと、勉強や護身術などを真剣に習い始めたらしい。


だから私が伯爵家の次男と婚約した時はショックだったそうだ。


なんで縁談を持ち込まなかったのかと。




「我が家が傾いた時に、婚姻を条件に援助をということもできたわよね。ジャクリーンとの共同事業をすることにしたのはなぜ?」


「ご両親の急死に、家が傾き、婚約破棄。君の精神状態が最悪な時につけ込みたくなかった。できたら事業を通して親しくなり、両想いになりたかったからだ」


「わたくしに話すチャンスは、今まであったわよね」


「私は君にアプローチをし続けてはいたのだ。ただ、君にはまったく伝わらなかったけれどね」


「・・・・それは悪かったわ」


「フェリシア、結婚を前提にしたお付き合いをして、お互いをもっと知っていかないか?」


「やっと、わたくしが求めていたことがわかったのね」


私はくすっと笑ってしまった。



「あぁ、恥を忍んでレイフォード様に教えて貰ったよ」


「ジャクリーンではなくて、レイフォード様?」


「ジャクリーンにはヘタレと罵られているし、あれだけ協力しても徒労におわったから、もうしらないといわれているからな」


私は声をあげて笑ってしまう。


「ごめんない。わたくしは友人から、最初の婚約破棄で男性不振になっていると言われたの。自分でもそうだと思う。だからもっとお互いを知ってから、婚約するかを決めたかったの。こんなめんどうな女でもいい?」


「もちろんだ。あっ、いや、めんどうな女とかではなくて、フェリシアがいいという意味だから」


アレックスが慌てて訂正してくる。


「わたくし、王都を出歩いたことがあまりないのよ。昨日の植物園も初めてだったし・・・。出かけてお互いを知って行きましょうよ」


「フェリシア、ありがとう」





アレックスが帰ったあと、姉の執務室へ行くとジャクリーンもいたので報告をする。


「やっとまとまったかい」


お姉様はそれだけいうと、お茶を飲み始めた。


「シャルお姉様、まだですわ。お付き合いを始めましょうですから、結婚までたどりつくのでしょうか、この2人は?」


「ジャクリーン、ひどいわ」


「いいえ、夜会のエスコートや、わたくしを通じて、それなりにアレックスの人となりは知っているのに、婚約ではなく、お付き合いをですからね」



「確かに、のんびり屋の2人だよねぇー」


「お姉様!!」


「まぁ、フェリシアの人生だからね。でも結論は長引かせない方がいい」


「アレックス次第ですわ」


私をツンと顔を横に向ける。



「それが不安なんだよ。仕事はできる男なのに・・・・」


だって恋愛したいってアレックスも言っているし、私だって自分がこんなに疑り深いなんて思わなかったけれど、もう少し時間が欲しいと思ってもいいじゃないの。


「なんとか、まとまったので、良しとするか」


お姉様が肩をすくめた。


2人に言われっぱなしも癪にさわるから私も言い返す。



「お姉様、ジャクリーン、わたくしが安心して結婚できるように、2人ともお相手を早く見つけましょう。わたくし2人のお相手探しを頑張りますわ!!」


フェリシア編終了。

次回からは長女シャルロッテ編になります。


2025年7月14日「異世界でゆるゆる生活を満喫す」

書籍が出版されます。

地域や書店様によっては数日後ろになります。


小説家になろう様からは引き上げた作品になりますが、別サイトでは引き続き投稿中です。

興味ある方は、活動報告をお読みください。

この作品もよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ