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桃太郎がワイバーンにキビ団子を与えるとワイバーンは喜んで仲間になりました。

 仕事に出た。

 冒険者ギルドでの初仕事は、昨日謎の爆発をしたニシ山の探索だ。

 昨日、山の中腹で大きな爆発音と閃光があったので、その調査だ。

 地味な仕事ではあるが、ここ二話分くらいきちんと異世界転生してたので俺は上機嫌だ。

 この異世界転生、いろいろ文句のある部分がないわけでもないが、概ね許容範囲になってきた感じがする。

 そんな訳で俺は爆心地の辺りを上機嫌で探索していた。

 一人で爆発の原因の調べているからって危険は無い。

 何故ならこの爆発を起こした犯人が俺だからだ。

 古式詠唱魔法を山に向かって放ったらこんなことになった。

 魔法ヤバい。全部歌ったら街が滅びかねん。

 マッチポンプと言われようとも仕事は仕事。下手に断って俺が犯人だと感づかれても怖い。

 ちなみに、昨日いくつかのパーティーからお誘いはあった。

 カワイイ魔法使いのお姉ちゃんや治癒士の美少女や美人の女侍なんかもいて、是非ともお近づきになりたい感じでもあったんだけど、みんなパーティー内の誰かとデキてんのよ。

 いや、特にそういうこと説明された訳じゃないけど、育ってきた家庭環境のせいで、「あっ、こいつら多分今晩ヤルな」とかすぐ分かんねん。

 そんな訳で、NTR属性のない俺はパーティー入りはお断りをさせていただいた。

 他の奴らは同じパーティーのかわいこちゃんがそんなんで良く気にならないよな。他に彼女でもいるんかな。

 異世界転生ものがほとんどハーレムパーティーな理由が分かった気がする。

 そう!

 俺も先人にならおう!

 別にパーティーなんて俺が美少女を見つけて組めばいいのだ!

 ・・・あれ?

 そういや桃太郎って固定メンバーだったような?

 いやいや、まだ獣人とかあるかもしれん!

 よし!獣人美少女でパーティーを組もう!

 ・・・。

 サル系とキジ系の獣人か・・・。

 サル顔の美少女ってあるのだろうか?

 だめだ。

 どう頑張っても美少女どころか女性にもならん。

 キジ顔に至っては想像すらできん!

 よし!

 犬系の獣人でかわいい子を見つけるしか方法はない!

 サル系獣人はキジとカップリングしてもらえばいいから、最悪男でもいいや。

 よし、方針は決まった!犬系美少女を探そう。

 「クルルーン。」

 と、そんな決意を固めてこぶしを握っている俺の耳にどこからかうめき声が聞こえた。

 ちょっと周りを探索して見ると、大きな石の下敷きになったワイバーンを発見した。

 かろうじて息がある。

 ちょうど上の崖に大きなクレーターがある。

 爆発に巻き込まれたようだ。

 こりゃ悪い事をしてしまった。

 あ、

 やべぇ。

 ピンと来てしまった。

 こいつ、絶対キジ役だ。

 見なかったことにして、クレーターの状況だけ確認して立ち去ろうとする。

 「クルルルーン。」

 く、そんな甘ったるい声を出すな。

 俺には桃太郎美少女獣人計画という壮大な野望があるのだ。

 「クルルルルーン。」

 ワイバーンが必死で助けを求めてくる。

 くっそ。

 もう!

 「ずいずいずっころばしごまみそずいっと。」

 魔力を加減しながら一節のみの詠唱でワイバーンの上に乗っていた、岩を吹き飛ばす。

 瀕死のワイバーンがキラキラとした目でこっちを見上げる。

 その大きな体でなんて小動物のような目をしやがる。

 そんな目で見られたら助けない訳にはいかないじゃないか。

 「ほれ、ちょっとこれ食べてみろ。」

 ワイバーンの口にキビ団子を入れる。

 ワイバーンは少しもごもごしてからキビ団子を呑み込んだ。

 途端に元気になるワイバーン。すくっと立ち上がり俺の顔に頭をこすりつけてきた。

 すげえな、この団子。ほんとにポーションだったんだ。




 結局、ワイバーンを仲間にしてしまった俺は、ワイバーンに乗って冒険者ギルドに戻った。

 受付ちゃんと散々揉めた挙句、毎日の散歩と餌やりをきちんとすることを条件にワイバーンを使い魔として登録した。

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