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桃太郎 学園編 大会開始

 たこ焼きパーティーから2か月。

 下級クラスのみんなはこれまで以上に真剣に訓練に励んだ。

 下級クラスだけではない。学校中が男子中心に、かぐや姫争奪に向けてできる限りの特訓を行っていた。

 「どうしてこんなことになったのかしらね?」かぐや姫が困った人たちだとでも言うかのように俺に愚痴った。

 「頭でもぶつけたんですか?」呆れた俺は思わず答えた。

 そして、大会の日はあっという間にやってきた。

 「というわけで、クラスから5人の代表を選抜して、勝ち抜き戦で勝負します。」菅原先生がルールを説明しはじめた。

 勝ち抜きなのか。

 それだと俺かかぐや姫が出れば優勝できるんじゃね?対戦相手で気になるのは金太郎くらいだ。

 「とりあえず、相手を戦闘不能にするか、参ったと言わせるか、場外に落とせば勝ちです。よくあるやつですね。」菅原先生は言った。「みんな死ぬ前にちゃんと参ったしましょうね。」

 「は~い。」生徒たちが素直に返事を返す。

 「下級クラスの代表は私のほうで選抜しておきました。」菅原先生は続けた。「まず、犬山ネネさん。」

 当然だな。ずっころばし特化ではあるが強烈に強い攻撃魔法を持っていて、武力も高い。俺とかぐや姫をのぞけばこのクラスで一番の実力者かもしれない。

 「つぎに、喜久兵衛君。」

 おっと、喜久兵衛入ったか。武力メインで魔法は相変わらず苦手だ。だけど、防御魔法と物理攻撃を組み合わせるのがとても旨い。武力については戦えることは解かるんだけど、本当に強いのかを判断できる目を俺は持ち合わせていない。何故なら俺自身が武力については能力値頼みの我流で来ているからだ。おそらく喜久兵衛は俺の分からない技術とか基礎とかが評価されたのだろう。

 「次は、黒田孝高君。」

 孝高来た!

 鑑定チートからの多彩な魔法攻撃。確実に勝てる相手に確実に勝てる方法で攻撃をする奴だ。ネネさんに唯一人全勝する男。そして、かなわない相手には絶対に挑まない。だから完全無敗だ。なので、俺は彼と戦ったことは無い。授業でいつもワザと負けるかぐや姫とも戦っているところを見たことが無い。

 「次は田中華子さん。」

 おお、ハナちゃんだ。ハナちゃんは万能型で器用な子だ。小柄で大人しいせいでハナちゃんと呼ばれているが、実際はクラスで一番の年長者だ。ネネさんが居なかったら、俺ん中でお嫁さんにしたいクラスの女子No.1だ。器用貧乏なところもあるので少し戦力的には見劣りするが、いろんなことができるので、孝高の能力と相性がいい。孝高のサポートがあればかなり強力なカードになる。

 「最後、桃太郎君。」

 当然!

 かぐや姫は授業から何からやる気ないしな。選ばれるわけがない。

 「以上、五名。あなた達はこのクラスのみんなの努力を背負って会場に立ちます。このクラスの代表として恥じない試合をしてください。」菅原先生は言った。「あと、無理と怪我はしないように。」

 「はい!」代表となった五人が声を上げた。

 「今年は参加クラスが多いので、トーナメント形式です。4回勝てば優勝です。そして、初戦は2年の最上級クラスです。」

 いきなりの最上級クラス相手にざわめきが起こった。

 「みなさん、そんなに慌てない。所詮は2年生です。気楽にいきましょう。」




 「はっはっは!ざまあねえな!2年の最上級クラスとだってよ!」会場に到着して最初に絡んできたのは蛇沢だった。

 蛇沢達のクラスとは互いに勝つことができれば次の試合で当たる。彼らの相手は二年の中級クラスだ。

 「ご愁傷様、ぼろくそに負けるといいさ!まあ、どこと当たっても、お前らが勝てる相手なんていないけどな!負けても言い訳ができる相手でよかったでちゅねー。」蛇沢が煽ってきた。

 「弱い奴ほど良く吠えるって言うよな!次俺たちとあたるのがそんなに怖いんでちゅかー?」修三が前に進み出て、蛇沢とにらみ合いを始めた。

 「勝ったほうがかぐや姫をクラスに呼べるって約束だからな!忘れんなよ!」蛇沢が言った。「2回戦までお前らが上がってこれなくても俺たちの勝ちだからな!」

 「そっちこそ、さらっと初戦で消えんじゃねーの?そんな顔してるぜ?」

 「あ?」

 「あ?」

 二人がおでこをゴリゴリにこすりつけながら威嚇し合う。

 お前ら、二人とも選手に選ばれて無いだろうに。

 「で、俺たちの相手はどう?」勝手に睨み合っている二人は放っておいて孝高に状況を尋ねた。

 「相手のうち4人は問題ないと思います。」孝高は言った。「特に魔法だけなら余裕で勝てます。今、みんな魔力3以上ありますから。」

 「え?いま、みんなそんな魔力高いの!?」確か魔力4で熟練の冒険者とかじゃなかったっけ?

 「ええ、桃太郎さんとの自主練のおかげですよ?あれでぐいぐいみんな伸びてましたから。」

 まじか。

 気絶するまで古式詠唱練習してもグレートポーションですぐ回復できちゃうから、一日に何度だって限界にチャレンジできてたからなあ。

 「武力はさすがですね。もしかしたら武力に関してはこっちの分が悪い可能性もあります。」孝高は言った

 「それは、問題のない4人の話だよね?」

 「そうです。問題はあの真ん中の人。」孝高が指をさした。

 おお、金髪碧眼の美人さ・・・外人じゃねえか。

 「交換留学生の『人魚姫』です。」

 えらいの出てきた!

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