途中。
公園で死ぬほど悩んだ。
何て言う?いってどうする?逃げ道はたくさんあるぞ?
迷ったが、時間は進み遂に彼女から連絡が来た。
逃げろと言うのに大雨。僕は立ち尽くした。
彼女が現れた。駅の喫茶店にしよう。
が、歓迎しないかのように人がたくさんいる。やめよう。
そう思い、店を出た。
彼女の後ろ姿が、遠く見えた。
待って!
えっと、彼氏いると思うけど、好きです。返事はいりません。
頭が真っ白になった。
彼女を電車で送る最中、頭が真っ白だった。
彼女の顔を見れなかった。
駅について一緒にビルを探した。
ビルはみつかり、じゃあねをした。
頭が呆然として、何も考えられなかった。雨が強い。
傘を買わなきゃ。
風と雨が強まりつつも、空はなぜか快晴で、雲の間から差し込んだ光が絵に書いたような、そんな普段なら立ち止まり数秒見上げる空ですら悲しい景色に見えた。あの雲は僕の心で、光がぽっかり空いた穴、そんな比喩がしっくるく。
傘を買い店の前ですぐ開ける。
あ
傘が風に煽られ、広げた傘の骨が数本折れる。折れて僕の手元で役目を果たせない傘をしばらく見ていた。
自分みたいだな。
雨はその強さを弱め、傘はもう不用な物に見る目を変えた。
視界がぼやける。雨が目に入ったのか…
そう思ったがそうではなかった。
わかっていた、全部。いつから?そんなのはどうでもいいことで。
僕は溢れる。流れる涙を認められなかった。視界がぼやけすぎては拭く。繰り返した。ただひたすら。
茗荷谷。オフィスに向かうサラリーマンとは反対に僕は駅に向かう。駅のホームにある、安全装置がなければ僕はどうなっていたのか。考えたくもない。それぐらいに僕の心はおかしかった。
友人から電話がきて、暇だから遊ばないかと言われ気分転換に行くことにする。
とはいっても頭は真っ白。苦しい、なんだろうこの苦しみは。逃げなかった、今回は。
よくやったな、自分を褒め称えたい。何故か。今回は違う結末を迎えた。
だが、違う結末は僕にとって、彼女にとっていいものなのか。
まったくいいものではない。死に際の人間が語る美談ならば美しく映ることもあるかもしれないが、僕は、気持ちを伝え返事は要らない、彼女の気持ちを考えない、という過ちをおかしただけだった。
僕は自己満足のために人を人を傷つけた。また前と同じになる。それが嫌だった。目の前のことだけを見て。彼女から笑顔を奪った。お台場のあの無邪気な笑顔を、嬉しそうに食事をほうばるあの顔も、公園で朝まで語りつくして一緒に見た朝日を二度と見ることはできない。自業自得だ。
今泣いている涙の意味を理解して。流れ落ちる涙のすべてを認めた。
終わった、傷つけた、よくやった感情が混じり、僕は涙を抑えることができずにうつ向き、ただ泣いた。




