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精霊は還る場所を知っている  作者: くおんあづき


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33/149

十五年後の先

地下は想像以上に広かった。


牢。

倉庫。

小さな治療室。

さらに奥へ続く通路。


最初の牢だけで、十人以上がいた。


「守備隊!」


ダンテが叫ぶ。


「救助を始めろ!」


ジジは止まらなかった。


牢の中から伸びる手。

泣き声。

呼ぶ声。


全部を横に置いて。

奥へ進む。


「ジジ」


エレーンが追う。


「分かってる」


「何が?」


「お前、シエラ探せ」


「…………」


「金髪のエルフいたら見ろ」


エレーンが足を止める。


「あなたは?」


「ルナ探す」


迷いはなかった。


「分かった」


二人が分かれる。


——————————————————————


「おい!」


奥から男が飛び出した。

剣を振り上げる。

ジジはその腕を掴み、壁へ押しつけた。


「白い髪の子」


「何――」


「どこ」


「知らねぇ!」


ジジの殺気に。

男の顔から血の気が引いた。


「お、奥……」


「どっち」


「右! 一番奥だ!」


手を離す。

男が崩れる。

後ろから来た守備隊員へ言う。


「これ捕まえといて」


「これって……はい!」


ジジは先へ進んだ。


——————————————————————


一方。

エレーンは牢を一つずつ見ていた。


「シエラ!」


返事はない。


「シエラ!」


次。


次。


金髪。


身体が止まる。

暗い牢の奥。


痩せた女性が壁にもたれている。


「……姉さん?」


顔が上がる。

長い金髪は汚れ、頬は痩せていた。


けれど。

忘れるはずがなかった。


「……エレーン?」


声が震えた。

エレーンは鉄格子へ駆け寄った。


「姉さん!」


「エレーン……?」


「私よ」


「生きて……」


「生きてる」


鍵を探す。

見つからない。


「誰か!」


守備隊員が走ってくる。


「開けて!」


「はい!」


扉が開く。

エレーンは牢の中へ入った。

シエラを抱きしめる。


細い。

あまりにも。


「姉さん」


「エレーン……」


シエラの手が背中へ回る。


「生きてたのね」


「うん」


「よかった……」


しばらく。

二人とも動けなかった。


——————————————————————


やがて。

シエラが顔を上げた。


「ジジは、いる?」


エレーンが止まる。


「……知ってるの?」


「ルナリスが」


心臓が鳴った。


「ルナリス?」


「ずっと言ってた」


シエラの目に涙が浮かぶ。


「ジジが来るって」


「…………」


「絶対に来るって」


エレーンは牢の奥を見る。


「ルナリスはどこ?」


シエラの表情が変わった。


「奥」


「どこまで?」


「一番下」


「状態は?」


シエラが答えられない。


それだけで。

嫌な予感がした。


「姉さん」


「……急いで」


エレーンが立ち上がる。


「ジジが行ってる」


「そう......」


シエラが目を閉じた。


「良かった」

═•⊰❉⊱•═•⊰❉⊱•═•⊰❉⊱•═•⊰❉⊱•═•⊰❉⊱•═•⊰❉⊱•═

お読みいただきありがとうございます。

くおんあづきです。

初執筆のため、慣れないところがあり読みづらい箇所等あるかと思います。

かなり長編になっていますので最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

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